巫女と魔法使い 2
「ちょっ・・・カッコつけてねえわ!!」
「まぁ、それはそれとして、図書室の警備を小悪魔に任せて、私は少し休むわ。レミィの話が確かなら今日には巫女が来るのでしょうし、攻めて来たときに動けませんでしたじゃ話にならないしね」
「ああ、まだこれからだからな、各自戦闘の準備は怠らない様に。いや、ここでは決闘だったな・・・、では、解散!」
「「はっ」」
「・・・・・・あのーパチェ解散しないの?」
「図書館よここ、出ていくのはあなたでしょ」
「うー」
その頃、博麗神社では霊夢と魔理沙が異変解決に向け、準備を整えていた
「でもこの霧、毒とかそういう危険な感じはしないわね」
「ああ、そりゃあ単に色着きの霧を発生させるだけの魔術だからな、危険は皆無だぜ」
魔理沙曰く、毒も混ぜることは可能だが、規模が大きく縮小するのだそうだ。そして色着きの霧をこの規模で発生させるだけで、歴史に名を刻める程の大魔術師クラスなのだと言う
最も、幻想郷中に毒霧発生などすれば、幻想郷の管理者が黙ってないが・・・。
「被害がなくて何よりですわ」
「うわっ」
「紫、遅いわね」
突如空間に裂け目が生じ、その中から紫の導師服を着た妙齢の女性が出てきた。
魔理沙と同じ金色の髪を纏い頭は前方に紅いリボンの付いたモブキャップを被っている。
美しい切れ長の瞳とは裏腹に、優しい表情とであり、
しかしどこか底知れず、胡散臭い雰囲気を醸し出しているのもたしかだ。
「えっと霊夢・・・このかたは?」
「ああ、こいつは・・・」
「お初にお目にかかります、八雲 紫と申しますわ、
幻想郷の統括、管理、霊夢の後見人をしております。以後、お見知りおきを」
「おお、これはこれはご丁寧に、私は霧雨 魔理沙。普通の魔法使いだぜ。
後見人ってことはつまり霊夢の母ちゃんってことか!」
「気持ち悪いこと抜かすな!」
「クスクス・・・違いますわ、私は幼いこの子に修行を付けているだけに過ぎません。
そして今回こちらにお伺いしたのは、情報を(博麗の巫女)に渡すため。
平たく言うと、異変解決のためですわ。」
「何だ、こんな大妖の血が混ざってるんなら、こんだけ強いのも納得だったんだけどなー
今明かされる衝撃の事実」
「勝手に事実を捏造するな!あんたは私を何だと思ってんのよ!」
「・・・面白い方ですわね、それより霊夢、先ほども言った様に
貴方には異変解決に出ていただきます。この紅霧の元凶は粗方
分かっていますから。」
「紅の霧、紅霧か」
「それで・・・、その元凶ってのはどんなやつなのよ。」
「場所は、霧の湖のほとり、紅魔館。元凶は、その館の当主、吸血鬼ですわ。」
「吸血鬼が魔法を!?いや、あり得ない話じゃないか・・・」
「それに館ってことは仲間の内の誰かが魔法を使った可能性もあるわよ」
「確かにな、なあ紫さん。あんたは巫女にだけ情報を公開しに来たんだろうが
私も聞いちゃったんだ、この異変、私も一緒に行っていいか!」
「もちろんいいですわよ」
「やったぜ!」
「軽っ!ちょっと紫、あんたこの前、(人間の魔法使いがどの程度のものだと言うのかしら)
みたいなこと 言ってたでしょ!?それに魔理沙、あんたもあんたで許可取る前に
勝手に動く様なやつだったでしょ!!?」
「ちょっと霊夢!」
「あはは、まあいいよ紫さん、いや、紫、私は面白いやつはすきだ。気に入ったやつには敬意を払う。親しき仲にもなんとやらだぜ」
「私には?」
「そんなことしないぜ」
「おい!上等じゃない!決闘するわよ魔理沙」
「おっ霊夢からなんて久々だな!」
「ちょっちょっと!そんな事してる場合じゃないでしょう!」
危うく今から決闘になりそうな二人の間に入って紫が制したが、暫く小競り合いが続いた後霊夢が口を開いた
「はあ、はあ、まぁでも久々の異変解決なんだから気合い入れないとね
体も暖まったし吸血鬼なんて楽勝よ!」
「ああ、それに、私も会ってみたいしな、この紅霧とやらを出したやつがどんな大魔術師なのか!」
「行くわよ魔理沙!」
「応!」
「いってらっしゃーい」
二人は異変解決に向け紅魔館へと空を飛ぶ
東方の地、幻想郷を巫女と魔法使い、二人の少女が駆け巡る
「解散!」の時の咲夜
「なにやってるんですか咲夜さん図書館の前で突っ立って」
「解散って言われたじゃない。でも私はお嬢様の警護だから見張ってるのよ」