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13話「身近な人の凄さってわかりづらいよね」

おかげ様でPV500を超えました!張り切って頑張ります!ありがとうございます!

《新緑の里》から旅立って2日。

俺たちは北に向かって街道を歩いて、今は夕食が終わったところだ。

旅立ちの前に食料を買い込み、ヴェルダーさんに挨拶をして別れた。

野宿にはなれないが、マルクスさんから道具を買っておいてよかった。

アリアスやナタリーみたいに地面に直接寝るのは勘弁だ!


出る前に、次の町までのどれくらいか聞いたら3日かかると聞いて冷や汗が出た。

インドアな奴に歩かせちゃだめだよ!足が折れちゃう!


ただ、この道中にアリアスから文字を学べているのはデカイ!

ずっと文字の勉学もアリアスが飽きるみたいなので間に魔法やこの世界のいろいろな物の話などを聞いているし、その辺にあるものを採取して寝る前に成分を調べている。

辛いと感じずに歩き続けれるから、いい感じで気が紛れている。


「明日には町につくのか?」


「はい!とても順調です!あの丘を越えれば、《ダリル》という小さな町です!パンが美味しい町です!明日のお昼には着きますよ!ベラデイル侯爵が治める《ベラデイル》まではそこから4日です!」


まだまだゆっくりはできそうにないなぁ・・・・

コウはというと時間を見つけてナタリーと剣の打ち合いをしていた。


「!!」


「・・・・・ック!・・・参った。」


「コウさん凄いです!!」


どうもコウの方が一枚上手のようだ。

振りが大きい。独剣の名にふさわしく1対多を意識した広範囲攻撃が多いように思えるな。

実力で言うと明日菜以上、公久未満か?


コウも剣道で良い成績は残しているが実家の剣術道場で打ち合っている方が楽しそうだったな。

公久とは打ち合ったことはないけど・・・・まぁ公久は道場でも別格だしな何とかなるだろう。

ウチの道場は剣道ではない実践向きの剣だし、この世界でも通用する剣だと言うことかな。

この分なら明日菜もどうにか大丈夫かな・・・・・


あぁ!後あれだ!『異界の戦士』の「魔女の加護」ってやつもあったな。

それで底上げされてたりするのか?

でも効果がよくわからんな。


「アリアス。コウの『魔女の加護』って具体的にはどんな効果があるんだ?」


アリアスを見ると綺麗な青い目を虚空に向けて人差し指を顎に当ててしばらく考えている。


うん、よく見ると本当に可愛いな・・・・まぁ引く手数多だろうが。


そんなことを考えていると、コロコロと転がるような声で答えてくれた。


「そうですねぇ、私が知っているのは攻撃的な魔法への耐性と微量の治癒上昇くらいですかねぇ?なので加護があってもナタリーに勝てるなんて本当に凄いことなんですよ!」


ふむふむ・・・・・待てよ?ならあいつの魔力量はなんだ?


「魔力量に関して『魔女の加護』は効果がないのか?」


「それはありません!他人の魔力に干渉するのは聞いた事ありません。干渉できるなら最強の魔法使いが生まれてしまいます!」


「そ、そうか・・・」


近い近い!顔を近づけないで〜!恥ずかしくなるから!

アリアスは熱がこもり出すと段々顔が近くなるな。注意しておこう。


ん?そうか・・・確かにそうだな。

人に与える事ができるなら皆からもらって戦えるし、奪えるなら最初から奪う。

生体の魔素にまで干渉できればその生物を一瞬で解体できたりするだろうしな・・・

この子、意外と頭の回転がいいな。いや、常識か・・・・?


んーだが魔力の元である魔素の謎が深まるばかりだな・・・・


そんなことを考えていると、コウとナタリーが打ち合いを終えて戻って来た。


「んあーーーシャワー浴びたい!」


コウは汗を腕で拭いながら不満を言っている。確かに入りたいね。


「それにしてもコウ様の剣技は見た事のない型で、それも理にかなっている!コウさんの言うところの『刀』と言う武器があれば王都の騎士なぞ2、30人は余裕でお相手できるのでしょう。それで先ほどの私の構えなのですが・・・・・」


おお!!ナタリーが饒舌だ!剣の事になると目の色を変えて喋っている!

コウとナタリーは水魔法で濡らした布で着衣の中に手を入れて体を拭きながら剣談義に花を咲かせている。

美人がテンション上がって話をする様と言うのはいいな・・・・それに汗って爽やかだな!

俺は汗をかきたくはないけどね・・・・


ん?なんか視線を感じますね・・・・

アリアスがジト目で俺を睨みつけていた。


「こ、コウくん、ナタリーにうちの剣術を指南してはどうかね?」


「うん!いいかもね!アリアスちゃん守らないとだしね!」


「誠ですか!?是非よろしくお願い致します!」


嬉しそうなナタリーを見たアリアスの顔が綻んだ。

あんな笑顔のナタリーは初めて見たよ。


ふぅ!冷や汗が出たぜ!

そんな卑猥な目で見ていませんよ!烏滸がましいです・・・・


そして俺たちは見張りを交代しながら寝床に着いた。







「・・・・てください!・・・・アキラさん!!!」




近い!!!!近いわ!!!

アリアスの顔が近い!

寝ぼけ眼を擦りながら起き上がり巻き布団を剥ぐと何やら緊迫した雰囲気だった。


「何があったんだ?」


「兄ちゃん、見張りをしてたら町の方が赤く光りだしたんだ。」


「恐らく火事かと思います。それも結構な規模です。最悪の場合、野盗かと。」


コウとナタリーは並んで立っていて、今にも走り出しそうな感じだ。

人に危害を加えるのは魔物や魔人だけではなく、同じ人の悪意からも危害がある・・・・

世界の危機なら纏まれよ人間・・・・


「分かった。行こう!」


恐らく今から行っても手遅れだろうが、アリアスもいることだし治療は出来る。

俺たちは荷物をまとめて急いで《ダリル》へ向かった。

次回10月10日

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