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初雪×失恋 -ありがとう、さようなら-

 初恋は叶わない。

 そんな言葉を昔聞いたことがある。

 そんなのは迷信だ!……なんて言ってたけど、本当なんだな。と今日知ることが出来た。

 出来れば知りたくなんか無かったけどさ。

 今日、昔から好きだったお姉さんみたいだった幼なじみに告白をした。

 昔、と言ってもまだ十代だからそれほど昔でもないんだけど。

 上手くいく、なんて思ってはいなかった。

 でも、本当は、心のどこかで少しは期待してしまってたんだ。

 僕は今までこの心地の良い関係を崩したくない、壊したくない、その一心で心の奥に『愛している』その言葉を隠していた。

 そんな切ない片思いをし続けていた僕は思ってしまったんだ。

 ……このままじゃ駄目だ、と。

 そう想って告白をした。

 初恋は僕の告白に対する『ごめんね』という彼女の辛そうな顔で発した言葉で終わった。


 「……っうぅ。……っぐ。お願い、今は一人にして。思い出になったから、こんな終わりもあり、なんだ。明日になったら笑顔で会える、から。お願い、僕のこんな顔、見られたくない」


 「……ごめん」


 「謝ら、ないで。僕の、今までの思いは。間違いなんかじゃ、無かったんだから。僕の、大切な思いを否定、しないで」


 「……ごめん」


 「早く、行って。君には、好きな人がいるんだろ?だから……っ」


 「また、明日」


 「うん。……また、明日」


 ……ドラマの様にはいかないんだな、やっぱり。

 『思い出になったから、こんな終わりもあり』だなんて嘘をついて、馬鹿みたいだ。

 でも、良かったよ。スッキリした。

 -……良くなんて無い。スッキリなんてしてない。僕には君しかいなかった。

 覚悟していたコトだったんだしさ。

 -……嘘だ。覚悟なんて本当はしていなかった。

 しょうがないコトだったんだ。

 -……しょうがなくなんか、無いだろうが。


 「……はは、雪じゃん」


 街はイルミネーションで彩られている。

 そんな中に僕は独り。

 街路樹の続く街道で寄り添っている幸せそうな二人がいる。

 僕は君とあんな風になることが夢だったんだよ?

 今となってはもう叶わないことなんだけどね。

 -……どうして?

 僕は、君の幸せを願ってるから。

 -……どうして?

 君の好きな人と上手くいってね。

 -……どうして、僕じゃないの?

 浮かび続ける『どうして?』に僕はつくづく諦めが悪いと思う。

 情けないなぁ、僕。


 「……諦めろよ、僕。もう、終わったんだよ……っ」


 繋がりたい。そう願った。

 ……何時からだったかな?

 8歳の時には既に君のことが好きだったんじゃ無いかな。

 ってことは、10年も想ってたコトになるんだね。

 凄く長かった片思い。

 馬鹿みたいに一途に君を思っていたんだよ?

 瞳を閉じれば、今でも告白を断ったときの君を思い出してしまう。

 とても辛そうな顔をした君を。


 「……なっさけねぇな、僕」


 目から涙が溢れてくる。

 でも、きっと、時が僕を癒してくれる。

 だから……。

 だけど、今になっても心のどこかで望んでしまうんだ。

 君と一緒に笑顔で過ごす幸せな日々を。

 ……さようならってこんなに辛いコトだったんだね。


 「……ずっと君と一緒に居たかったよ」

 

 ……さぁ、帰るか。

 帰って、寝て、明日の学校に備えなきゃ。

 辛いからって休んじゃいけないしな。

 頑張って明日からの学校生活を精一杯楽しまなくっちゃ。


 「……それじゃあ」


 立ち去ろうとしたとき気づいたら僕はそんな言葉を呟いていた。


 僕は帰りの電車を待っていた。

 冷たい冬の風が僕を頬を掠める。

 駅から見える外の街はまるで違う世界の様に輝いている。


 「……また、雪だ」


 街は好きな人と結ばれている人達であふれかえっている。

 その光景を見ていると、ふと頬を伝う暖かいナニカに気づいた。

 直ぐにそれは涙だって気づいた。

 『それじゃあ』なんて言ってはみたけど、やっぱり今でも後悔しているんだ。

 どうすれば、君との距離を縮められたのだろうか、なんて。


 「……神様は、意地悪だな。でも、さ。ありがとう。彼女と出会わせてくれて。……っ」


 涙がどうやっても止まらない。

 でも、きっと、この涙は僕の心を洗い流してくれているんだ。

 だから、今は思いっきり泣こう。

 どうせ、もうすぐ日付が変わってしまう。

 いつもの様な笑顔に戻らなければいけない時間だ。

 だから……。

 僕は僕と違う誰かと幸せそうに笑っている君と唯一繋がっているこの夜空に向かって、君に伝わることを願って。

 君が好きだった僕の最期の言葉を。


 「……君と出会えて、本当に、良かったよ」

 「ありがとう。さようなら」

 「君が、幸せでいられますように」

 「君の幸せを願い続けるよ」

 「いつまでも」

 「ずっと、いつまでも」

 「君が笑っていられることを」 


 もう、大丈夫。

 僕はいつものように笑えるんだから。

 きっと、大丈夫。

 僕は歩いていくよ。

 君と歩む道は此処で終わってしまったけど、僕は進むよ。

 だから、君は僕のことを忘れて幸せで居てね。

もうすぐ冬ですね。

冬になったから、コメディ&ほのぼのしか書けない馬鹿がこんな物を書いてしまいました。

寒い中雨に打たれた所為ですね、きっと(笑)

なんて、冗談は此処までにしておいて。


雨に打たれてる最中に、思い浮かんだ物です。

結構真剣に書いてみました。

下手&駄文ですね、すみません。

因みに活動報告にあったものを少し弄って、ちょろっと書き足しただけです(笑)

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