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水をあげれば育つと聞いた。

作者: 桃音

ふと、思いつきました。

気軽に読んでいただけると光栄です

 見知らぬ男がいきなり近づいてきて「水をあげれば育つ」と言って両手に収まるほどの植木鉢を渡してきた。


受け取ったものの、何が育つのかも聞けずに男が去っていく後ろ姿をぼうっと見ていることしかできなかった。


こんもりと入った土があるだけで芽が出ているわけでもなかったが、とりあえず毎日欠かさず水をやった。


 1週間たったが何も変わらず土が濡れているだけだった。


 1か月たったがやはり何も変わらず土が水を吸っているだけだった。


結局、男の言ったことはガセだ。まぁ期待していたわけもなかったしお金を払ってわざわざ買ったわけでもないので植木鉢は家のベランダに放置して、水は一切あげずにしていた。


 放置してから1か月たったか、自分の体がやけにひりひりするので服を脱ぐと、こんがりと茶色く日焼けしていることに気がついた。なぜだか服を着ている下も焼けていた。


今は夏だから日焼けしてもそんなに気には止めなかった。


 そして現在、あれから1年はたっただろう。植木鉢のことなんてすっかり忘れかけていたが、ふと思い出し、ベランダの隅のほうに目をやるとそこには草がぼうぼうに生えた、あの植木鉢がある。鉢が見えなくなるほど植物が生えていたのだが、水もあげていないのに育っていることに気味が悪くなり、あえなくゴミ箱行きとなった。民間の回収場に置きに行き、カラス防止の緑の網をかけて家に戻った。


 翌日、植木鉢は回収場からいなくなった。もちろん今頃ゴミ処理場でゆっくりと混ぜられているに違いない。


そういえば最近妙にめまいがするが働きすぎで疲れているだけであろう。


 今日はなんだか無性に熱い。動いてないのに汗が止まらない。

 


 今日の朝、目が覚めると左手の小指がなかった。驚きで、無くなった指の付け根部分をじっと見つめているとあることに気がついた。


 溶けていってる・・・。



そのころ植木鉢は高温の火の中で、ごうごうと燃えながら溶かされていた。


ただ、その中で植木鉢の中の植物は沢山の花を咲かせていた。鉢は解けても花は、咲くばかりであった。

 


 「水をあげていたら、自分はちゃんと育ったのに・・・。」




どうでしたでしょうか?


心が微妙な気持ちをさまよっていますかね・・・?


今後もいろいろな作品を投稿したいと思います


よろしくお願いします


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― 新着の感想 ―
[良い点] テンポがよくて好きです。 [一言] 続きが気になって、すごくどきどきしました! まさかの展開ですね! 感想ありがとうございました。
[良い点] スペースがちょうど良く空いていて読みやすいです。キーワードに「ぞっとする怖さ」とある通り、ホントにぞっとしました。「世にも奇妙な物語」みたいで面白かったです! [一言] 連載作品も読んでみ…
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