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パラレル  作者: Foo
8/16

3ー3

今回はけっこう良い出来でした。いつも、こんな感じだと良いんですけどね…


まっ、気楽に読んでください。

「とりあえず、金田、行ってこい!」


俺は金田の背中を押す。金田が首を振る。


「いやいやいや、さっき格好つけてたじゃん!行く気満々だったじゃん!なんで俺が!」


風が、ポンッと手を叩いた。


「私に良い考えがあります。こうすれば良いんですよ。」


風が指をくるりと回した。すると、風が巻き起こって砂ぼこりと共に金田が前に押し出されていく。


「何してんだよ風!」


金田が心のそこから叫ぶ。


「ちくしょっ、こうなりゃ破れかぶれだ!」


金田が小切手に木刀と書きこみ、それを破り木刀を出現させる。


そのまま勢いに任せて火向に斬りかかる。


が、木刀は空振りした。火向が上に跳んだからだ。いや、跳んだと言うよりは飛翔と言った方がいい。


「飛んだ…」


金田が驚きながら見上げている先には、火向が空中に浮かんでいた。


「もう、お前らに手加減はしない。お前ら、俺の魔法は火を生み出すだけだと思っているだろ。


違う、俺の魔法は1つだけじゃない。俺のもう1つの魔法は温度を操るものだ。


つまり、俺が今空中に浮いているのは俺が空気の温度を操って上昇気流を発生させているからだ。


くくく、ゆっくりとなぶり殺しにしてやるよ。」


火向がこちらに向かって飛んでくる。


火向が拳に炎を宿し俺に向かって殴りかかってくる。俺はそれをギリギリでよける。


しかし、空中からの攻撃は間合いも読みづらく、次第に追い詰められていく。


「いい加減にしなさい!」


八重が横から殴りかかる。それを察知した火向が炎の壁を作り出す。


しかし、八重は怯まずに火向に殴りかかる。八重の手が燃え上がる。


そして、火向を殴った瞬間八重が消えた。どうやら分身だったらしい。


「分身とは…小賢しい。死ねっ!」


火向が本物の八重に向かって殴りかかる。とっさに風が風を生み出し、火向にぶつける。


拳はギリギリで八重の横を過ぎていった。そして、そのまま火向は空中に飛ぶ。


「めんどくさいな。これを使うか。」


火向が懐から拳銃を取り出す。そして、トリガーを引く。


パンッ、乾いた音がした。そして、俺の足下の地面に穴が空いた。


「この銃は空気を撃ち出すことが出来る。そして、空気は俺の魔法で強力な熱を放っている。


この意味が分かるか?つまり、この銃は弾切れがなく弾丸の軌跡すら見れない銃ってことだよ。」


火向が銃を俺に向ける。感づいた俺は瞬間移動で避ける。


確かに、火向が言うように銃弾の軌跡は見えない。


火向が次々と発砲してくる。俺はそれをかわしていく。


後ろの店のシャッターに穴が空いていく。鉄が焦げる匂いが鼻をつく。


「今こそ私の出番ですよ~弾が空気なら私の風で防げますよ~」


風が俺たちの前に仁王立ちする。火向が銃を構えた。トリガーを引き絞っていく。


「ダメだよ!」


ノウが風にとびつく。バァン!大きな音がした。そして、俺の後ろのシャッターには弾丸がはまっていた。


「良くこの銃が実弾も撃てると分かったな。カスにしちゃ上出来だ。」


ノウが得意そうに鼻をこする。


「何か変だったんだよね。引っかけ問題と同じ雰囲気だったんだ。


だから、僕の魔法で調べたんだ。そしたら正解だったよ。」


「ふん。ウザったい魔法だな。まあいい、圧倒的な力でお前らを殺すのには変わりない。」


火向が空中に飛び上がり、そのまま八重に向かって突進する。


その加速は人が出せるスピードではなかった。熱を操る魔法の力なのだろうか。


八重が空中に何人もの分身を出す。しかし、そのかいもなく分身は火向の突進を微塵も止められない。


ヤバい、俺たちは八重を助けに向かおうとする。しかし、間に合いそうには無かった。


衝撃波と共に火向が地面に拳をぶつけた。そこに八重の姿は無かった。


八重は少し離れた所にいた。どうやら分身は火向を止めるためではなくて、火向の目隠しをして拳を避けるために出したみたいだ。


が、俺の安堵は一瞬だった。火向は勢いを止めず、そのまま近くにいた風に突進する。


風は対応できずに、そのまま殴りつけられて、後ろの店の壁に叩きつけられた。


風がうめき声をあげる。火向がそれを確認すると、今度は再度八重に向かって突進する。


今度は八重は避けることが出来なかった。八重の体が吹っ飛ぶ。


どおすれば良い、俺は焦燥感に駆られて俺は周りを見回した。


俺は先ほど火向が撃った銃弾がシャッターに埋まっているのが目についた。


俺は1つの考えを思い付いた。そして、それに賭けることにした。


「火向!もう止めてくれ!お前の狙いは俺だけだろう!」


俺は叫んだ。火向が大声で笑う。


「確かに俺の狙いはお前だけだ。だが、目の前にゴミがあるのに掃除しないわけにはいかないだろ?」


俺はポケットから一本のナイフを取り出した。


「もし、これ以上仲間に何かするのなら俺は自殺する!」


「なっ!?そんなことが出来るわけないだろ!」


「それはどうかな。」


俺はナイフを首に押しつける、首から少し血が流れ始める。


それを見たみんなが俺に向かって駆け寄ってくる。


「やめるんだトラベル!」


「止めなさい!」


「止めたほうがいいですよ~!」


「それは不正解ですよ!」


仲間が口々に俺を止めにかかる。


「これしか手段はないんだ!火向!どおする!」


俺は火向を睨みつける。火向は下唇を噛む。


「くそっ。そんな手を使ってくるとは…」


火向と俺の睨みあいが続く、そのうちに他のみんなが俺の元に集まった。


チャンスは今しかない。俺は金田を見た。


「今だっ!金田っ、ありったけの煙と小麦粉を出してくれ!」


「何で!?」


「いいから速く!」


俺は金田を急かす。金田も雰囲気を読んでポケットから小切手を取り出す。


「まさかっ、感づいたのか!?」


火向が金田に向かって突進する。しかし、金田のほうが紙一重で速かった。


辺り一面に小麦粉と煙が充満する。そして、空中に浮かんでいた火向が地面に落ちた。


「やっぱりな…」


俺は自分の考えが合っていたことを確信した。


「火向。俺は全て分かった。今から説明してやるよ。まずは、お前の魔法からだ。


お前の熱を操る魔法には弱点がある。いや、条件があると言ったほうが合ってるな。


それは、お前の魔法は視認出来ない物にしか使えないと言うことだ。


俺が疑問に思ったのは、なぜ、今になってお前がこの魔法を使うのか。と言うことだ。


例えば、前に俺たちがタンザニアに行こうとした時に手榴弾を使ったよな。


あの時にこの魔法を使っていれば、手榴弾の爆発する時間をコントロール出来たはずだ。


それに、そもそも炎を使って俺たちを殺そうとしなくても、俺たちの体温を急上昇させれば良いはず。


他にも疑問はある。そして、それらの疑問から導きだされる答えは1つ。


お前の魔法は対称がその場にいる何者からも視認されないでいないと使えないと言うことだ。


そして、視認出来ないものと言うと限られてくる。例えば空気くらいしかないよな。


だから、今までの場所では使えなかったんだよな。最近の施設は防犯カメラがあるからな。


防犯カメラは空気も映す、つまり視認しているからな。


が、この辺りは田舎のためか防犯カメラがない。だから、魔法を使えたんだ。


しかし、今は煙のせいで俺たちは空気を視認することが出来る。


だから、魔法が使えなくなり、飛べなくなったんだろう。


そして、もう1つ気づいた点がある。お前はここでは大規模な炎や爆発を使っていないことだ。


アポカリプスがあるからだろう。見た目はただのシャッターだが、中身は違うんだろ。


中身は精密なんだろ。だから、大規模な炎や爆発を使って傷つける訳にはいかない。


さて、俺はここに小麦粉をばらまいたわけだが、この意味は分かるよな。


粉塵爆発、空気中に大量の粉塵が含まれている時に火を使うと大爆発を起こす現象だ。


つまり、今、火を使うと大爆発が起きる。そしたらアポカリプスは跡形もなく壊れちまうよな。


よって、火は使えないな。これでお前は翼をもがれた鳥も同然。観念しな!」


俺は大声で宣言する。

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