3ー2
書きためていた文が無くなったので、これからは更新遅くなりそうです。
話はこれからおもしろくなっていくんですけど…
なにぶん時間が無くて…
「そういえばアポカリプスの場所について話してなかったわね。これを見て。」
静先生がポケットから地図を出して、それを広げた。どうやらタンザニア国の地図らしい。
右下の部分に市街地があって、そこに赤い丸がつけてあった。
「ここよ。ここに行けばGODにたどり着ける。方角で言うと…」
先生がアポカリプスの方向を指差した。俺たちが、その方向を見ようとした時、閃光がほとばしった。
俺たちは眩しさに目を閉じ、そして再び目を開けると、そこには男が立っていた。
服装は違ったが、昨日先生の授業を受けていた時に襲ってきた奴だ。
手には銃のような物を持っている。青一色で塗られていて、何かオモチャのように見える。
「どうも。昨日言った通りにちゃんと来ましたよ。」
静先生が身構える。
「こっちはそんなこと願ってなかったけどね。」
「いえいえ。約束は守らないとね。今回は戦うつもりで来ていますので。」
男が手に持っている銃を眺めた。
「これが何か分かりますか?ヒントは電撃を使うことです。」
ノウが手を挙げた。
「ピンポン!それはレールガンさ!」
男が驚きの表情を見せた。
「知っていたとは…いったいどこでそれを?」
「僕は好奇心おうせいでね。静先生からマシンについて教えてもらった後に、禁書欄の入場許可をもらったんだ。」
ノウの雰囲気ぶち壊しの声の調子で喋る。
「なるほど、確かにタンザニア国の禁書欄はまだ調べていませんでしたからね。
じゃあ、これがどんな物かも知っていると。」
「もちろん。レールガンはマシンの中でも希少種。圧倒的な破壊力を持つ兵器さ。
銃弾を多大な電気による電磁力の反発を利用して弾丸を超加速させ発射する。その威力は岩をも簡単に貫通さ。」
男が拍手をした。
「素晴らしい。よくぞそこまで知っているものだ。
だが、それなら私に抵抗することがいかに無意味か分かるね。
さあ、大人しくトラベル君を渡して。」
男が笑いながら俺に近づいてくる。ただの笑いではなかった。自分は絶対に負けない。その自信がみなぎっている。
静先生が俺の前に立ちはだかった。それを皮切りに、みんなも俺の前に立った。
「ボルト、トラベル君は渡さないわ。」
「ボルト?」
風が、首をかしげる。
「そう、奴の名はボルト。話し口調は温厚だけど性格は残忍よ。」
静先生がボルトを睨みつける。
「そうなんですか~ボルトですか~じゃあナットやスパナもいるんですかね~」
八重が風の方を向いた。
「ふざけないで風。いるのはオームやアンペアよ。」
金田が慌ててツッコむ。
「いや、何言ってんの!止めろって相手が怒ったらどうすんだよ!レールガン持ってんだぞ。
もう一度あれを見ろよ!」
金田がレールガンに指先を向けた。そして、そのまま隠し持っていた何かを投げた。
その何かはレールガンにぶつかると、そのまま張り付いた。
ボルトが、その何かを取り外して、それを見てバカにしたように笑った。
「磁石か。ハハハ、確かにマシン、特に精密な物には大敵だ。
だがな、これは特殊セラミックで出来ている上に電子機器は一切使っていないのだよ。
君たちには理解できないかな?分かりやすく言うと、その手の物は一切効かないのだよ。」
金田が焦声で早口にまくしたてた。
「どおすんだよ八重!昨日、お前が私がボケたら磁石を投げつける作戦。失敗じゃないか。
て言うか、笑われているじゃないか。」
八重がチッチと口の前で指を振った。
「いや、一応成功よ。あなたに恥をかかせた。」
「何で俺は味方だろ!?てか、お前が作戦立案したんだからお前も恥をかいてんじゃん!」
「何のことかしら?私はそんなネーミングセンスのない作戦なんて練らないわ。」
「それは…この緊急事態に名前なんか考えてる暇なんてなかったし…」
「まったく使えない男ね。そもそも金田は…」
八重が話している途中に、白いレーザーのようなものが俺たちの頭上を横切った。
「いい加減にしなさい。こちらには時間が無いんですよ。
それに、そうやって時間を稼いでスカイボードで逃げるつもりだったのでしょう。浅はかな。」
俺は先ほどの白いレーザーの行方を見た。そこには炎上するスカイボードがあった。
それを見た八重がため息をついた。
「残念。ばれたか。風、ごめんなさいね無駄に魔力を使わせたわ。」
ボルトが首を横に振った。
「まったく、また時間を稼ぐつもりですか。あなた方はレールガンの威力を知らないから、そうしていられるんですよ。
先ほどの一撃では分からなかったでしょうから、もう一度射ちましょうか。」
ボルトがレールガンを八重に向かって構える。それと同時に先生が八重に向かって飛び付いた。
先生の方が若干速かった。レーザーは倒れこんだ八重の頭上を過ぎていく。
そして、そのまま後ろにあった建物に命中した。建物に穴が空く。その穴はどこまでも奥に続いていた。
「嘘だろ…いったい、どこまで貫通してんだよ…」
金田が口を開けて穴の先を見ている。
「ちょっとヤバイわね。みんな、逃げなさい。ここは私が食い止めるから。」
静先生が俺たちの前に立ちはだかった。先生はポケットから一枚のカードを取り出した。
「来なさい。ラムウ。」
先生が呼びかけると、カードが光だして、光の中から一人の老人が現れた。
「静ちゃん。今度は何があったのかい?」
老人が髭をさすりながら言う。
「ちょっとヤバい状況なのよ。とりあえず、あいつを倒してちょうだい。」
「ふむ。あいつか、わしと同じ匂いがする。奴は雷使いじゃな。」
ボルトが高笑いした。
「傑作だ!私が雷使いだからラムウを召喚したのか。バカだな。ラムウごとき敵ではない。
私の真の力を見してあげよう。絶望を味わいなさい。」
ボルトが手を天に掲げると、空が暗くなり雨雲が現れ始めた。
「降りよ雷。雨のように無数に分かれ敵を討て。」
その言葉を合図に天から雷が落ちてくる。しかも、1つではなく次々に。
それを見たラムウがホッホッホと笑う。
「児戯じゃな。雷よ、我に集え。集い敵を討つ矢となりたまえ。」
すると、雷はラムウの周りに集まるように落ちて、次第に大きな光の矢に変型した。
ラムウが矢を引き絞る動作をすると、矢もそれに連動して動き、ボルトに向かって放たれた。
ボルトはレールガンを構え、引き金を引いた。レールガンの光と光の矢が激突した。
激しい光が辺りを包み込む。そして、光が消えた後もラムウとボルトは平然と立っていた。
「みんな、今のうちよ。私もあまり時間を稼げそうにないから、アポカリプスに着いたらすぐにGODに行って。
後、八重、確か銃を持っていたわよね。これを使って。」
先生が八重に予備の弾倉を投げた。八重がそれを受け取り、銃に装填する。
「先生、1人じゃ無理です。私たちも…」
先生は首を振って、俺たちのことを急かした。
「いいから速く!GODの完成まで時間が無いの!」
俺たちは顔を見合わして、先生の言葉を信じて地図の所に行くことにする。
ダッシュ!一斉に俺たちは走り出す。走る走る走る、ひたすらに足を動かし、その場から離れようとする。
ボルトがレールガンを向けてくる。それをラムウが察知し、手から雷を出す。
ボルトが雷を避け、その隙に俺たちは狭い路地裏へと入り込む。
何回も壁にぶつかりそうになりながらも俺たちは足を止めない。
そして、ボルトは俺たちを見失った。
「想定通りですね。やはり、あなたは子供たちを守るために残った。
私にとってあなたは邪魔なんですよね。ただ、トラベルが居たから本気の力を出せなかった。
ここからが本番ですよ。」
ボルトが手を合わせる。そして、手を開くと手と手の間に雷が生じていた。
そして、それを空中に投げる。そのとたん、空中の暗雲が唸り始めた。
「裁きの雷。ジャッジメント!」
声と同時に暗雲から巨大な雷がラムウへと落ちる。ラムウがそれに耐えようと対抗呪文を唱え始める。
が、ボルトの方が一枚上手だった。ラムウはうめき声をあげて倒れた。
「ふん。口ほどにもない。」
ボルトがラムウを見下す。
「ラムウが一撃で!?あなたは一体どれほどの力を…」
静先生の顔から笑みが消える。それを見たボルトが笑う。
「だから言ったでしょう。これが私の本気なんですよ。
さて、終わりにしましょう。さようなら、静。」
ボルトが静先生に向かって手から雷を出し、投げつける。
そして、雷が静先生の胸を貫いた。
その頃、俺たちはアポカリプスの所についていた。そこには一軒古い商店があった。
「ここが…アポカリプス?」
八重が首をかしげた。それもそうだ、こんな古くさいがシャッターの閉まった商店がアポカリプスなんて思えない。
「そうだ。ここがアポカリプスだ。」
突然、声がした。その方向を向くとやつがいた。そう火向がいた。
「まだだ。まだ終わらねえ。絶対にお前らは殺す。」
俺は悪態をついた。
「二度あることは三度あると言うが、まさかお前に三度会うとはな。
いいぜ。相手してやるよ。来いっ!」