表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
パラレル  作者: Foo
3/16

2ー1

やっと方向性が見えてきた(?)


このカオスな物語も次の話ぐらいには方向性が見えそうです。



静先生が突然オーブの通話機能を使った。


「もしもし!もしもし!……」


先生は電話をきった。


「つながらない。何かが起こっている…」


先生は何かブツブツと言いながら考えた。そして、何かを決断したのか、突如テーブルを叩いた。


「みんな。私は仲間の所に行って現状の確認をしてくるわ。


それで、君たちにお願いがあるの。君たちには国立中央図書館に行ってもらいたいの。


そこで、他のマジックスクールのEクラスの生徒と落ち合ってほしいの。


本当は私も一緒に行くはずだったんだけど、事情が変わったから。


そのかわり、表にあるスカイボードを使っていいわ。


それじゃね。」


先生の体が光って消えた。瞬間移動したみたいだ。


(スカイボード?確か薄い板に座席がついてる乗り物だよな。


かなりマイナーだったような気がするけど。)


「行っちまった。」


金田が呟いた。


「これから、どおすっかな。」


「とりあえず国立中央図書館に行くしかないんじゃない。


それに、あそこに行けば禁書が読めるからマシンについて何か分かるかもしれないわ。」


八重がそう言って外に向かった。俺と金田も顔をあわせた後、外に向かった。


外の庭には先生の言った通り、青色のスカイボードが置いてあった。


「さあ、みんな乗って。」


八重がスカイボードに乗り込む。俺と金田もあとに続いて乗った。


(何か忘れている気がするんだよな。何か重要なことを。)


俺の疑問はスカイボードが浮上した時解消された。


(思い出した。確か、あれは5年前、俺が小学6年の頃だ。


八重がスカイボードを親に買ってもらったからって一緒に乗せてもらったんだ。


その後の記憶が曖昧だけど、かなり生死の境をさ迷った記憶がある。)


「飛ばすからね!」


八重のかけ声を合図に俺たちは風になった。体感時速は200キロ。


本来、時速60キロぐらいしか出さないはずなのに、八重は200キロは出していた。


いくら魔法で体が守られているからって、このスピードは…無理だ。


「助けてくれ~」


金田の悲鳴が周りの景色と共に後ろに流れていく。



「前、前、前を見てくれ~」


金田の言う通り、目の前にはビルが建っていた。八重が不気味に笑う。


「ふふっ。いくわよ、垂直ダウンヒル!」


文字通り、スカイボードが垂直に高度を上げた。ビルとギリギリのところを通過する。


そして、金田も白目をむいてダウンした。俺も金田のように気絶できたらどんなに楽か。


しかし、俺の思いは届かず俺は気絶することもなく国立中央図書館に到着するまでの間、生死をさ迷った。




「到着したわよ。」


八重が急ブレーキをかけた。当然、200キロも出していたわけだから、その衝撃も半端ない。


前に投げ出されそうになるのを俺は必死にこらえた。そして、金田のことも座席に押さえつけようとしたが…


無理だった。金田は宙を舞った。それを見た八重が笑った。


「よく飛んだわね~」


グシャ、金田の空中浮遊は終わった…


俺はかわいそうで目を伏せていた。なのに八重はしげしげと金田のことを見る。


「う~ん。これは死んだかしら。かわいそうに、あなたのことは忘れないわ。」


八重が手を合わせる。金田が飛び起きた。


「勝手に殺すなよっ!」


「ああ、生きてたの。それはどうでも良いとして。」


「よくねえよ!」


金田のツッコミを八重は冷たく無視する。


「さっきのセリフ、確か前に私が言ったのと似てるわね。著作権の侵害ね。」


八重が金田に向かって手を出した。金田がその意味が分からず頭をひねった。


八重が、こんなのも分からないのと、ため息をつく。


「慰謝料よ、慰謝料。300万くらいでいいわ。」


「何でだよ!むしろ、お前が支払うべきだよ!俺のこと殺そうとしたじゃん!」


八重が意味が分からないわ、という顔をしている。どうやら自覚症状はないらしい。


そうして、結局は俺がケンカの仲裁をすることになる。


「もう、そこら辺にしとけ。早く国立中央図書館に入ろう。」


「それもそうね。全く金田のせいで無駄な時間を過ごしたわ。」


国立中央図書館は改めて見ると、すごい建物だと痛感させられる。


まず、高さがすごい。全長は150メートルは簡単に越えている。


そして、全て壁や窓がガラスで作られている。きれいなんだけど、少し怖い。


そして、俺たちは入口に向かったけれど入口のドアは閉まっていた。


「しまった。今日は休館日だわ。どうしたものかしら。」


俺は一歩前にでた。


「おいおい、俺の能力を忘れたのか。瞬間移動の魔法を使えば良いだろ。」


八重が首を振る。


「無理よ。ここにはテレポート防止の魔法がかかってるわ。瞬間移動系統の魔法は使えないわ。」


「でも、やってみる価値はあるんじゃないか。」


金田が話に割って入ってきた。


「そうだな、やってみるか。2人とも俺の腕を触っていてくれ。」


2人が俺の腕に触れたのを確認すると、俺はテレポートした。


八重の話とは違い、テレポートは成功した。俺たちはなんなくと、中に入った。


俺たちは周りを見回した。中には人は誰も居なく、不気味な雰囲気をかもしだしている。


「あ~あ。中に入ってしまったわね。これで私たちも犯罪者か。」


「全くだ。金田、この責任は重いぞ。」


俺たちのボケに敏感に金田が反応する。


「何でだよ!テレポートの魔法を使ったのはトラベルじゃん!」


「提案したのが、あなただから。」


八重が冷たく切り捨てる。


「提案しただけでかよ。てか、お前らは一回ごとに俺を、いじんないと前に進めないのか!」


八重が口に人差し指をあてる。


「図書館ではお静かに。」


「いや、誰もいないし別にいいじゃん。そんなことより、禁書欄に行こうぜ。」


「そうね。そうしましょう。こっちよ。」


八重が前に向かって歩き出した。俺たちもそれについていく。


しばらく歩くと八重が、あるドアの前で止まった。そのドアには立ち入り禁止のマークがついている。


それに構わずに八重がドアを開けた。ドアの先には階段があった。禁書は地下にあるらしい。


そして、階段を降りるとドアが1つだけあった。


「ここで暗証番号を入力すれば禁書欄に入れるわ。」


八重がドアの横のオーブに指を伸ばした。けれど、何かに気づいて動きを止めた。


「もう、暗証番号が入力されている。いったい誰がやったの。


それに入口の所だってテレポート防止の魔法があるのにテレポート出来た。


誰かがここに侵入しているの?」


「まあ、いいじゃん。中に入っちゃおうぜ。」


金田が勝手にドアを開けて入ってしまった。仕方ないので俺たちも後に続く。


中は奥行きが分からないほど、本棚で埋め尽くされていた。


本はどれも古そうな物ばかりで、ほこりがすごかった。


八重が俺たちを手招きしながら、どんどん中へ入っていく。


そして、しばらく進んだ後立ち止まって本棚を眺めた。そして、一冊の本を手にした。


「ここよ。ここにマシンについての禁書があるわ。ちょっと調べてみて。」


八重が手に取った本を読み始めたので、俺たちも適当に本を取って中身を調べた。


そして、三冊目の本を取ったときに俺は本の一部のページが破り取られているのを見つけた。


その部分は、ほぼ破り取られており、読める所は一ヶ所しか無かった。


そこには、GODと大きく書かれていた。


「おい、八重、これを見てくれ。」


八重が本を覗きこんだ。


「GODって書いてあるんだけど何か分かるか?」


八重は少し考えこんだが、首を横に振った。


「残念だけど分からないわ。たぶん、マシンの一種だと思うけど。」


俺は少し肩を落とした。


「そうか。そっちは何か分かったことは?」


「そうね。何となくだけど、サイエンスとマシンについて分かったわ。


サイエンスは簡単に言うと、『なぜ?』を念頭においた学問みたい。


例えば、私たちは火の魔法や私たちが息を吸うのに酸素が必要なのは知っているわね。


サイエンスは、そこから酸素は『なぜ?』必要なのかを考えるのよ。


そうな感じに、全てのことに対して疑問を抱いて、それを解決していくのがサイエンスみたい。


そして、疑問が解消されて分かったことを知識や技術として利用し、造られたものがマシン。


もっと詳しいことは、この本をもう少し読まなきゃ分からないけど。」


パチパチ、八重の話が終わった後に誰かが手を叩く音が聞こえた。


音は奥の方から聞こえていて、だんだんと近づいてきた。


「相変わらず、良い頭だね八重さん。君の解説は全て合っているよ。」


声とともに姿を現したのは火向炎だった。どう考えても、ここには居るはずのない人間だ。


「あなたに褒められても嬉しくないわね。


それよりも、ここに居るってことは、あなた一般人じゃないわね。」


八重が火向を睨む。火向は睨まれているのを気にせずニヤリと笑った。


「その通りさ。俺は軍人だ。しかも、魔法連合国家のな。」


火向は右肩を俺たちに見せつけた。そこには、魔法連合国家のマークがついていた。


俺たちは思わず身構えた。それを見た火向が笑う。


「現状が分かったかクズども。もう、自分を偽ることはねえんだよ。


いつも思っていた。いくら任務のためとはいえ、お前らクズを殺せないんだからな。


トラベル以外は最悪は死んでも良いと言う命令がでたんだよ。


さあ、今すぐ死ね!」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ