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パラレル  作者: Foo
14/16

4ー2

更新期間が長くなっている気がします。前は、1週間に1回でしたが、今は10日に1回です。


やはり、物語的にも重要なところなので時間がかかってしまいます。ご了承ください。

火向の話しはとてもじゃないが信じることは出来なかった。


「ふざけるな!今までのことがお前の計画通りな訳がない!


俺たちは自分たちの意思でここまで来たんだ!」


金田が吠える。その気持ちは俺も同じだ。納得出来ない。


「納得出来ないのも分かります。それに今まで計画のためとはいえ、あなた方に数々の無礼を働いたことも謝ります。


しかし、事実は事実です。それに私の説明が嘘だとするのならば多くの疑問や矛盾が現れます。


その事を説明できるのですか?」


金田が黙り込む。確かに今までのことは順調にいきすぎだった。


しかし、敵であった火向がこちらの味方であったとすれば説明がつく。


信じたくはないが、信じるしかないのだろうか。


「一つ聞くけど、もし世界を平等にするとしていったいどのようにするの。


簡単には出来ないわよ。政治改革、資産調整、職の普及、問題はたくさんあるわ。」


「さすが八重さんですね。良く考えていらっしゃいます。


その点については大丈夫です。まず、自分らは世界征服をします。


おっと、悪い意味にとらえないでくださいね。あくまでも、世界を平等にするためです。


世界征服をしたのち、新たな秩序を敷きます。それについてはアダムに任せますが。


そして、邪魔をするものは消します。GODを使ってね。


ちなみに、そちらの首相を殺したのは戦争を起こすためなんですよね。


戦争にじょうじて世界征服をします。また、この時点で世界平等の邪魔者も消します。


そうして、全て片付いた後に人類初の世界平等が成り立つのです。」


火向の目は本気だった。話を聞いていた八重の体が震える。


「あり得ないわ!神にでもなった気なの。人が人を裁くのなんて…それはあなたのエゴよ!」


「裁くのアダムです。私ではありません。」


「でも、創ったのはあなたでしょう。いくら、人の心を創っても、人の心は人にしか分からないの!


なのに、人の心も分からない物に裁かれるなんて馬鹿げてるわ。」


「はたしてそうでしょうか。人に判断を任せれば必ず間違いが生じます。だからマシンに任せれば良いのです。


それに、多少の犠牲はしかたないでしょう。人類の平等のためです。」


「その台詞はよく聞くけど、自分自身を犠牲のほうに置いた人はいないわね。」


「それは違いますよ。アダムは自分のことだって殺しますよ。


平等に邪魔だと判断すれば自分のことも殺します。例え、製作者と言えども容赦はしません。


平等でしょう?」


「確かにそれなら平等かもしれないわ。けど、絶対に許されないことよ!」


「なぜ理解してくれないのでしょう。トラベルさんなら分かってくれますよね?」


みんなの視線が俺に向けられる。俺はすでに答えを決めていた。


「分からないね。全部が平等ののなにが良いんだ!


俺はここまで来るのにみんなの力を借りまくった。それは恥ずべきことじゃない。


人それぞれがバラバラな能力を持っているからこそ助け合える。


全員が同じ能力なら、助け合う必要も無いじゃないか。繋がりが無いじゃないか!


みんな違うからこそ意味があるんだよ、楽しいんだよ!


お前がしたいことは、ただの世界の私物化だ。お前は神になりたいだけだ。


俺はお前には協力しない。」


火向が残念そうにため息をつく。


「あなたなら分かってくれると思いましたが…残念です。


そうなると強制的に従ってもらうしかありませんね。」


火向がポケットから銃を取りだし、俺に向けて引き金を引いた。


俺はとっさのことで反応出来ない。銃からは弾丸ではなくビームのようなものが出てくる。


ビームは俺に当たったが俺は痛みを感じない。


「ご安心ください。このビームに殺傷能力はありません。


ただし、このビームは命中した者の魔法を分析することが出来ます。


後はこれを魔石にすればユートピア計画は成功です。


この銃を後ろのマシンにセットして3分後に魔石が出来ます。


それまでに自分のことを阻止出来たのならば、ユートピア計画は防げますが、挑戦してみますか?」


火向が銃を後ろにあるマシンにセットする。確認音がした後、マシンは音をたてて稼働し始める。


「今から3分間です。本当に世界が平等になるのが間違いならば、自分は負けるはずです。


どちらが正しいのか決めましょうか。」


「望むところだ!」


金田が木刀を魔法で出して、火向に斬りかかる。


しかし、木刀は空を斬った。火向はその場から消えている。


「後ろですよ。」


火向の声が俺の後ろから聞こえる。俺は振り向く。そこには火向がいた。


「なっ!?いつのまに…」


「言い忘れていましたが、自分はあなた方全員分の魔石を持っていますので。


計画の成功のためあなた方のことを監視していたついでに造っておきました。


まあ、他にも魔石を持ってはいますがね。」


「ふざけるなっ!」


俺は火向に向かって殴りかかる。火向は瞬間移動で避ける。そして、火向は元の立ち位置に戻った。


「開けよ次元の裂け目。」


火向の言葉に応じて空中に大きな黒い穴が開く。その中には数えきれないほどの銃が浮かんでいる。


「発射。」


火向の声に応じて銃が発砲する。油断した…俺は死を覚悟した。


しかし、弾丸は俺の元までは届かなかった。


「なんとか間に合いましたか~エアクッションですよ~忘れてました?」


風のおかげで俺は難を逃れた。とりあえずは大丈夫だろう。


しかし、あの銃の壁があるかぎり迂闊に火向には近づけない。


「忘れてはいませんよ。では、レーザー兵器はどうでしょうか。


光は空気を通り抜けます。よって、風さんの魔法は効きませんよ。」


黒い穴から銃身が異常に長い銃が出てきた。


「あなた方に異世界の力を見せてあげましょう。


光学兵器、ゼウスの矛。これに貫けないものはありません。」


火向が銃を構えた瞬間、風が瞬間移動する。移動先は火向の後ろだ。


風の動きを読んでいたかのように火向が体を反転させて、銃の引き金を引く。


光が風の体を貫いた。しかし、風の体から血は流れない。


「そっちは偽物よ!」


上空に浮かんでいる本物の風の叫び声とともに偽物の風が消える。


そのまま、風は上空から火向に突進をする。ゼウスの矛は銃身が長いゆえに近距離では意味を成さないからだ。


風は魔法で強力な追い風を吹かせているのだろうか、人間の限界を越えたスピードを出している。


風が火向を殴りつける。そのまま、火向は地面に叩きつけられる。


が、火向の体が消えた。どうやらだった偽物らしい。


「そちらは偽物ですよ。八重さんの魔石を使わせてもらいました。


言っておきますが、魔石の使い方は自分の方が上ですよ。」


本物の火向が瞬間移動して現れた。その隙をついて、ノウが隠し持っていた銃を発砲した。


弾丸は見事に火向に命中した。火向が肩を押さえて座りこむ。


「甘いですね。僕の魔法を使えばあなたのする行動なんて丸分かりですよ。」


「いやいや、甘いのは君だよ。」


火向が立ち上がった。弾丸に貫かれたはずの肩のの穴は燃え上がっていた。


「自分に物理攻撃は効きませんよ。そちらこそ忘れたのですか?


では、ゼウスの矛の名の由縁を見せてあげましょう。」


火向がゼウスの矛に付いているスイッチを押す。すると、ゼウスの矛は変型を始めた。


形が銃から三ツ又の矛に変わった。柄は金属製で刃はレーザーになっている。


「こう言う訳ですよ。これに貫けない物はない。ゆえに、最強の矛です。」


火向が大きく踏み込んで、金田に斬り込む。金田の肩に矛先がかする。


今度は逆に金田が斬りつける。しかし、火向の体は火に包まれているから効き目はないはず。


が、予想とは裏腹に火向の体は真っ二つに切れた。


「どうだ!木刀に風の魔法で空気をまとったんだよ。これで対等だ!」


火向の体は真っ二つになったものの、すぐに元に戻ってしまった。


「いくら自分のことを切り刻んでも無駄ですよ。自分は火ですから。


ちなみに、この火は酸素を使って燃えるわけではないので、風さんの魔法で空気を操っても意味はありませんよ。」


復活した火向は瞬間移動して八重の後ろに回り込んだ。すでに矛を構えている。


矛が降り下ろされる。八重の体が一刀両断され、消えた。


「偽物?」


火向が辺りを見回して本物の八重を探す。


だが、八重は見る限りはこの場にいないようだ。どこに行ったのだろうか。


火向も探すのを諦めて、標的をノウに変えた。


瞬間移動してノウの後ろに回り込む。それを読んでいたノウも瞬間移動で避ける。


火向は強力な追い風を利用し、ノウに突進する。ノウはぎりぎりで突きを避ける。


そのまま、体をひねり火向はノウを斬り上げる。ノウの髪先が切断される。


ノウが瞬間移動させないように火向は矛を突きだし続ける。


金田が瞬間移動して火向に斬りかかろうとする。


しかし、空中に浮かんでいる銃が急に金田に向かって発砲したために金田は後ろに下がる。


矛がノウに降り下ろされようとする。俺たちは助けに行こうとするが空中の銃のせいで助けにいけない。


まさにノウに矛が降り下ろされようとした時、ノウの目の前に八重が現れた。


八重は盾を持っていた。その盾と矛がぶつかる。


「遅くなったわね。探し物をしていたの。最強の矛があるなら最強の盾もあるはずだと思ってね。


ノウの魔法で調べたら本当にあったのよ。」


「驚きましたね。まさか、そんな考えが浮かぶなんて。


しかし、それは未完成です。残念ながらこの矛の方が強い。矛盾にはなりません。


後、三回ぐらい防いだら壊れるでしょうね。


それに、あなた方のことは監視していたのですよ。あなた方の持っている魔石の数は知っています。


もう残り少ないですよね。対して自分の魔石は特別で100倍に濃縮してあります。


つまり、1個につき100回魔法が使用できるのです。


さあ、いったいどう戦いますか?後1分ですよ。」



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