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パラレル  作者: Foo
10/16

3ー4

やっとGODについて種明かし出来ました。話は終わりを迎えつつあります。


どうか最後までお付き合いくださいませ。

「くそったれが!だが、まだ全ての力を使えない訳じゃない。」


火向が銃を乱射する。もちろん、実弾を撃つと引火するため空気弾だ。


しかし、それは無意味に等しかった。空気弾は風の魔法で無力化出来ることが分かっている。


「見つけた、そこだ!」


火向が風の動きを察知して、すぐさま空気弾を撃ち込む。


が、そこに俺たちはいなかった。フェイクだ。風がわざと風を起こして火向を混乱させるために。


そして、案の定に火向は銃を乱射し続ける。そこまでは良かった。


しかし、次に起きたことは完全に予想外だった。あまりにも空気が動いたために煙と小麦粉がどこかに行ってしまったのだ。


辺りから煙が引いてしまったために、辺り一面が見渡すことが出来る。


火向がキョロキョロと周りを見回す。しかし、そこに俺たちの姿はなかった。


変わりにいくつかのオーブが落ちていた。


「やっと気づいたか火向。俺たちはすでにアポカリプスを通った。今はGODに向かってる。


お前は俺たちと話してると思ったんだろうが実際は違う。


俺はオーブの通話機能を使ってお前と会話してたんだよ。焦りで分かんなかったか。


残念だったな。それじゃ、また今度。」


俺は通話機能を切った。火向が天にも届くかのような大声で叫ぶ。


「トラベル!ふざけやがって!待ってろ、今すぐに行く!」


火向がアポカリプスのシャッターに手を添える。すると、手を添えた部分が光り始めた。


「神は人を作り人はGODを作る。」


火向の言葉に反応してシャッターが開いた。中は店ではなかった。


青い壁のような物があった。タンザニアに行く時に使ったゲートに似ていた。


火向がその中に入ろうとした時、上から一枚の紙が落ちてきた。


火向がそれを手に取り紙を見つめた。そこには…


『残念でした。それじゃあねえ~


なお、この紙は自動的に消えないので、ちゃんとゴミ箱に捨ててね。』


火向の体がわなわなと震える。


「ふざけやがって!こんな物!」


火向が紙を破いた。その瞬間、紙が光り始めた。そして、大量の紙粘土が現れて、火向の体にまとわりつく。


火向が慌てて脱出しようとするが、粘土が絡みつくだけだ。


「引っ掛かったな火向。」


火向が声の方、上を向いた。そこには空中に浮かぶ俺たちがいる。


正確には、風の魔法で浮かせた板の上に立っている。


「俺たちがアポカリプスに行ったと思ったんだろう?違う。アポカリプスには行っていない。


そもそも、アポカリプスの使い方も分からなかったし。


つまり、わざとお前を怒らせて、頃合いを見て俺たちがアポカリプスを使ったと思わせたんだよ。


そしたら、お前はアポカリプスを使って俺たちを追いかけようとする。


後はタイミングを見計らって、お前に一枚の紙を見せる。もちろん、お前が怒って破くことも分かってる。


その紙は小切手なんだよ。いや、正確に言おう。まず、小切手に紙粘土と接着剤と書く。


次にノウの魔法を使う。ノウの魔法の特性は、紙に向かって質問すると紙の文面が、その質問に変わると言うものだ。


もう分かったよな。つまり、さっきの紙は小切手だったんだよ。ただし、ノウの魔法を使ったな。


小切手の文面をノウの魔法で、お前をバカにした文面に変えて、それをお前に見せる。


そして、お前がそれを破る。小切手を破ったため金田の魔法が発動する。分かった?」


「ちょっと待て、金田の魔法は本人が破らなきゃ発動しないはずだ。」


「レベルアップしてたんだよ。本人以外が小切手を破っても魔法が使えるようにな。


ちなみに、さっき銃を乱射してたけど、あれは意味ないよ。そん時には空中にいたし。


前にスカイボードに乗ったとき思ってたんだよね。


もしかしたら風の魔法を使えば、別にスカイボードを使わなくても、空を飛べるんじゃないかとな。


実際、飛べたよ。風がそこら辺にあった板を魔法で空中に浮かべて、その上に乗ることで。


さて、そろそろ行かないと。アポカリプスの準備ありがとね。」


俺たちはアポカリプスの中に入った。火向が俺たちのことを追おうとするが、もはや体は動かなかった。


アポカリプスは一瞬で通りすぎてしまった。そして、アポカリプスを通った先にはの風景は見たこともない物だった。


まず、目の前に一枚のドアがあった。そのドアの周りは鉄の壁で囲まれていた。所々、歯車や鉄パイプが見える。


いかにもマシンを作っていそうな感じだ。


「しかしな。よくあんなことを思いついたよな。」


金田が感心した目で俺を見てくる。


「いや、何か急に思いついたんだ。ひらめきと言うのは違う感じがするけど。


俺自身、あんなにうまくいくとは思わなかったし。」


「何かおかしいわ。」


八重が考え事をするような顔になる。


「うまくいきすぎていると思わない?まるで小説や漫画のように出来事が進んでいく。」


金田が首をかしげる。


「そうか?そんなに上手くことが進んでたか?俺にはけっこう辛かったけど。」

「いいえ。十分すぎるほど、うまくことは運んでいるわ。そもそも、私たち全員が生き残っている時点で奇跡よ。」


「そうなのか。まあ、とりあえず中に入ってみようぜ。」


金田が扉の方を指差す。しかし、そこにはすでに風とノウがいた。そして、扉を開け始めていた。


「皆さん。早く入りましょうよ。僕の知的好奇心が押さえられないんです。」


ノウが目を輝かせて俺たちを手招きする。そして、風も一緒になって手伝っている。


俺たちはやれやれと肩をすくめて扉の中に入った。


中も扉と同じようになっているのかと思ったら違った。壁は白色で、壁には何か貼り紙が張ってあるが、いまいち分からない。


天井には等間隔にランプがあり、廊下はとても明るかった。


ただ、俺たちの知っているものとは少し違っていた。マシンなんだろうか。


そして、天井には点々と長方形の箱のようなものが付いていた。金属で出来ているからマシンなのだろうか。


一瞬、監視カメラかと疑ったけど違うと思う。俺たちの知ってる監視カメラはオーブを改造したもので球体だから。


「これを見てください!」


ノウが指差した先には地図が張ってあった。


「この研究所が正解だと思いますよ。」


地図を見ると、ここから近くに研究所があるのが分かった。とりあえず、そこに行くことにした。


少し歩くと難なく研究所に着いた。中は廊下とは違った。


たくさんの机が整理されて並んでおり、机一つ一つにオーブが取りつけてあった。


八重が適当にオーブを選びアクセスする。


「ちょっと待ってね。今、GODについて検索してみるから。」


八重がオーブの上で華麗に指を滑らせる。次々に情報が現れては消えていく。


「見つけた!GODの情報よ!」


八重が画面をじっと見つめる。すると、次第に顔つきが、けわしくなっていった。


俺たちは不安になっていったが八重の邪魔をしないために黙っていた。


そして、少したった後、八重が立ち上がって俺たちの方を見た。


「GODについて良く分かったわ…GODはマシンと魔法の融合。言うならば、第三の力。


GODは兵器よ。史上最悪のね。こいつは、上にいるわ。つまり宇宙よ。


そして、レールガンと魔力探知機を積んでいる。いえ、レールガンなんか比にならないわ。


まず、こいつは魔力探知機でターゲットを探す。この間1秒。


そして、レールガンを撃つ。発射まで1秒。計2秒でターゲット抹殺よ。


そして、一番のポイントがレールガンの能力よ。まず、弾丸は自由自在に魔法により動ける。


そして、弾丸はあらゆる物をすり抜けられる。よって、ターゲットがどこにいても弾丸は命中する。


まさに神の裁きね。防ぎようがないわ。


しかも、先生の情報は間違っていたわ。もうGODは完成している。


何とかしてGODを破壊しなくちゃいけない。そうしなきゃ魔法連合国家は人類虐殺を始めるわ。」


風が首をかしげる。


「いったいどうゆうことですか~?」


「魔法連合国家は魔法能力で人を差別する集団よ。魔法能力がなければ生きる価値がないと言うくらいね。


そして、GODは魔力探知機をを積んでいる。つまり、魔法能力を判別出来ると言うことよ。


そして、絶対に当たるレールガンも積んでいる。


これが意味することは、この機械は魔法能力が無いものを判別し抹殺するマシンと言うことよ。」


俺たちはしばらくの間絶句していた。今までの火向の行動から考えても嘘には思えなかった。


「破壊する方法はないのか?」


俺は八重を問いただす。


「まず、宇宙空間にいるGODを破壊するのは無理よ。魔法使いの中でも宇宙に行ける者は数えるくらいしかいないし。


それに、仮に行けたとしてもレールガンで撃ち落とされておしまいよ。


だから、GODのコントロールマシンを破壊するしかない。


おそらく敵もその事を分かってる。だから、敵の守りは激しいと思う。


けど、私たちしか出来ない。今から人を呼んだんじゃ遅すぎる。


行きましょう。」


八重の問いかけに一番速く反応したのは金田だ。


「いいね。これでGODを破壊したら俺たち英雄か。」


俺はため息をつく。


「まったく。お前らしい反応だな。けど、それも良いな。


みんな。世界を救おうぜ。せっかくのチャンスだ。英雄になろう!」


俺のかけ声にみんなが笑う。


「仕方ないわね。こんなチャンスないもの。」


「英雄になったら何がもらえるかな。」


「私はいつも通り皆さんについていきますよ~」


「今までで最大の問題ですね。いったいどんな解答が待っているのか。」


「行くぞっ!」


俺は研究所を飛び出した。

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