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14-6 クライン家の反転攻勢



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そして、翌朝。


クライン家のダイニングでは、朝食の席に着いたロイズ一家が、揃いも揃ってぼーっと宙を見つめていた。


「…ねぇ、お母様。私たち昨日、あの可愛い部屋でお茶会をしていたはずよね?でも、どうして今朝になったら、違うお部屋で寝ていたのかしら」


アリーシアが眠そうに目をこすりながら、隣のエレノアに話しかける。ノエラの眠り薬は余程強力だったらしく、まだ抜けきっていないようだ。


「お母様も、よく覚えていないのよ。あなたはいつお部屋にいらしたの?」


エレノアはさらに、隣のロイズ伯爵に話しかけるが、伯爵も苦い顔で頭を押さえていた。


記憶がないうえ、二日酔いで頭痛がするらしい。


「いや…どうやら私も、酒を飲んでいるうちに眠ってしまったようだ。気が付いたらベッドに寝ていて、朝になっていた」


そんな中、クライン家の主、セルジオが悠々とダイニングに姿を現した。


「やあ皆さま、今日は晴れ渡る良い朝ですな。昨晩は良く眠れましたかな?」


「辺境伯殿、お早うございます。お陰様で、家族全員ぐっすりと」


苦笑いでそう応えるロイズ伯爵を前に、セルジオは全てを知りながらもけろりとして笑顔を崩さず。


「それは良かった。さて、早速朝食にいたしましょうか」


セルジオが席に着くと、侍女たちが続々と皿を運んでくる。


「…あの、セレン様は…?」


おずおずと尋ねるアリーシアに、セルジオはにこりと微笑んで。


「ああ、せがれは野暮用で、少し遅くなるそうです。料理が冷めないうちに、先にいただきましょう」


その言葉に、アリーシアは少し残念そうに俯いたが、気を取り直して運ばれてきたパンやスープを口に運び始めた。


こうして、朝食を食べ終える頃になってようやく、ロイズ家の面々の眠気も覚めて来たようで。


伯爵は、セルジオに身体を向けると。


「ところで、辺境伯殿。今後の話を進めたいのですが」


「今後の?」


食後のコーヒーに口を付けつつ、セルジオがきょとんと瞬きする。伯爵はずいっと身を乗り出すと。



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