悪あがき
俺リーン・ルノエスは教会に囚われていた子供達を助けだしていた。
子供達をシャドーダイブで逃した後、この事件の犯人であるヴァンパイアのキートとの戦いが始まった。
俺はキートにデカい雷魔法をぶつけていた。
「さすがに、倒せたか…」
そんなことを言っていると瓦礫の中からキートが這い上がってきた。
「このクソガキが…ぜってぇ…ゆるさねぇ!」
キートはボロボロになりながらなんとか立ち上がっているという状況だ。
「やばい!」
俺は天井から攻撃をした影響で、今地面に向かって落ちている。
このままだとキートに真正面から攻撃されてしまう!
「クソガキがーー!」
キートが地面を強く蹴り、俺が落ちてきている方へと飛び上がってきた!
「サンダー!」
雷をキートへ向かって飛ばしてみるも全て避けられてしまう。
これはいよいよ本気でやばい…
「いや!まだいける!」
「クレイラップ!」
俺は土魔法を使い体の周りを覆った。
「そんな土の塊で防げると思ってんのか!」
キートはそういうと、拳で俺が作った土魔法の塊を壊した!
「やっと捕まえ…」
「な?!…いない!」
しかし、そこには何もなかった。
「どこ行った!」
「確かにこの中に入っていて他には逃げ場はなかったはず!」
そう、俺は今影の中に逃げていたのだ。
以前クソネズミがヴェルの炎から逃れるためにマントを使ったシャドーダイブの緊急避難技を真似したのだ。
土魔法で体を覆う事で一瞬でも影ができてしまえば、シャドーダイブを使い影の世界へ逃げることができる。
「出てきやがれクソがきーー!」
俺は影の世界から相手の様子を伺っていた。
やはりあいつはベディが言っていた通りあまり強くはない。
ヴァンパイアロードの手下と言うくらいだからもう少し強いものを想像していたが、これなら俺1人でなんとかなりそうだ…
俺はそんなことを考えながら相手の動きを見ていた。
こいつ、後ろの羽のせいか後ろがガラ空きだ…
「くそ!」
「あのガキ、どこに行きやがった!ラッズみたいに急に消消えやがって!」
だいぶイライラしてるな。
もしかしたら、今がチャンスなのかも知れない。
俺はキースの後ろの影から出てきた。
「ウィンドカッター!」
俺は風の斬撃を飛ばした!
「うぁ!ゔぅ…」
不意打ちが効いてるのかかなりのダメージを与えた。
最後にもういっちょ。
「ファイアーボール!」
ドカーン!
教会の中で行われているとは思えないほどの爆発音と共に、キートは丸コゲになっていた。
「これで一安心だな!」
俺はヴァンパイアロードの手下を1人で倒してしまったのだ!
我ながら力が強すぎることに引いてしまう。
「ゔ…うぅ…」
まだ、キートに意識があるようだ。
俺がそう思った時だった。
バタン!
教会の扉からさっきベディ達と逃げたはずの子供達が入ってきたのだ。
「ははは、いいとこに来た…おい神父!子供達にこいつを殺すように命令しろ!」
「ぁ…その…こどもを…殺せ」
「はい!」
子供達は何かに取り憑かれたかのように俺の方に向かっていた。
「くそー!ストロング!」
ドン!
俺は拳を強化し、キートにトドメの一撃をぶつけた。
「子どもたちにこんなことをさせるなんて…この悪魔が!」
俺はこちらに向かってくる子どもたちに狼狽していた…




