真っ暗な部屋
俺リーン・ルノエスは町で出会った少女ベディを追いかけ、教会の地下牢にいた。
俺はそこで弱ってしまっている子供達を見つけ、ベディと協力し脱出することを計画した。
しかし、脱出をするにしても敵にはヴァンパイアロードの手下だけではなく、悪魔が出てくる謎の部屋があるらしい。
俺は最悪の結末を避けるべくその部屋をなんとかしつつ、ベディ達はヴェルといっしょに脱出してもらうことになった。
俺はベディ達をシャドーダイブで影の世界へ逃すと階段上の部屋へと向かった。
「ここが、その部屋か…」
どうやらこの部屋にはベディの言うとおり、たくさんの荷物が置いてある。
普通の人ではここに階段があることに気が付かないだろうな。
俺はベディに言われた通りに階段を見て左側の壁の右端に立っていた。
「これを押せばいいんだよな…」
どう見てもただの壁にしか見えない部分を俺は押してみた。
「あれ…」
しかし、その壁はただの壁としか思えないほど全く動かない。
俺は力を入れてもう一度強く押してみた。
ゴゴゴ…
すると、その壁はゆっくりと奥に動き出した。
どうやら床に転がっていた鉛筆が扉に詰まっていたようだ。
俺はその鉛筆がまた扉に挟まらないようにポケットにしまい、その扉を左にスライドさせるように動かした。
すると、そこには真っ暗な部屋が存在していた。
俺はその部屋に入り真っ直ぐ進んだ。
大きな人だと横向きになりながらじゃないと通れない道を5歩ほど進むとUの字に曲がるようになっていた。
これはただの部屋に一枚の壁を作って通路のようにしているだけのようだ。
「変なの…」
俺はそのまま道を進むと入ってきた扉の真隣の壁に辿り着いていた。
「ここもか…」
俺はその扉も言われた通り押し込み左へとスライドした。
部屋の扉が開くと、反対側の扉が閉まり光が一切ない部屋にたどり着いた。
「なんだ、全く見えないな…」
「ファイア」
俺はその部屋に入る前に火魔法で小さめの火をだした。
「なんだこれ…」
俺が照らした部屋には床一面に大きな魔法陣が描かれていた。
「これって…」
俺はティア先生に教わったことを思い出していた。
「リーンこの世界にはたくさんの魔道具なんかがあり、手をかざすだけで魔力を吸い取ることができる物があることは説明しましたね」
「はい!魔力測定器なんかがそうですよね!」
「そうです。実はそれを使った罠なんかも魔族は作り上げてると言われています」
「へぇ〜」
「魔力のあるものがそれを踏んだり、触ったりするだけで魔法が発動し、危険な場所へ転移。トラップの発動になることがあります」
「壊すことや解除することはできますか?」
「基本的に魔法陣はしっかりと完成しているものでないといけないので、魔法陣の一部を破損。つまり消してあげることで無効化することができますね」
「なるほど。あと、トラップの種類はどうやったら見分けることができるんですか?」
「見分け方は正直難しいです。触ったときの光り方で発動する種類が違うと言われています…」
…
「これは、ティア先生が言っていた魔法陣に違いない」
俺はその魔法陣を壊すことにした。




