ギルドの食堂
俺リーン・ルノエスはボルス・ポルスとパール・ペリアを引き連れ、レインフォレストという町に来ていた。
お金に困っていた俺たちはこの町で出会ったアン・クルトというおばさんに助けてもらい、少しの間おばさんのお手伝いをすることが決まった。
そしてそのお手伝いの時間までの休憩中、俺は猫のような耳の生えた、首輪を付けた獣人族の少女に出会っていた。
今俺たちはギルドの食堂で働いていた。
食堂では様々な料理が常に注文されている。
それをアンおばさんがすごいスピードで作り上げていく。
「なんて早さだ…」
俺達はというとおばさんのサポートをしていた。
ボルスは皿洗いを
パールはウエイターとして料理運びを
そして、俺はお会計をしていた。
「リーン、きついよー!」
「これ終わったらそっち手伝うから!」
「洗い場も手伝ってくーれー」
「終わり次第行く!」
お店は凄いスピードでお客さんが来ている。
ちょうど夕方あたりからギルドの仕事を終えた冒険者が、腹をすかせて集まってくるのだ。
「ふぅ〜、やっと終わった」
22時ごろになると、お客さんもだんだんと少なくなっていっていき店を閉めてくれた。
「まだ終わってないわよ」
そこから俺達は洗い物を終わらし、モップで食堂を綺麗にした。
俺はお金の計算ができることから会計を任されていたが、今日の売上の計算までさせられていた。
「疲れた…」
「もう動けない…」
「明日朝の10時から13時までのお昼時間も働いてもらうから!よろしくね!」
「はーい…」
俺達は用意してもらった部屋で死んだように寝ていた。
次の日
俺は目を覚ますと両隣に違和感を感じていた。
「なんだ…」
「おはようリーン…ふわぁ。。」
「どうしたんだリーン…」
どうやら寝ているうちに2人が俺のベットに忍び込んでいたようだ。
あまり気にしていなかったが、用意してもらった屋根裏の部屋にはちゃんとベットが3つ並んでいた。
「なんでちゃんとそれぞれのベットを用意してくれてるのに俺のベットに来るんだよ…」
「なんか、寒くて…」
パールは顔を赤くさせながら寒いと言っている。
どう見ても暑そうだけどね!
「僕はなんでここで寝てるんだろうね」
ボルスはどうやら寝ぼけていただけのようだ。
「まぁいいや、今日も頑張ろう!」
俺達は今日も食堂の仕事を頑張って終わらせ、お昼休憩をしていた。
「なんでアンおばさんは1人で回せてたんだろ…」
「お客さんが言ってたけど、アンおばさんは忙しくなると分身するらしいよ!」
「分身!?」
「分身!?」
俺とボルスが声を合わせて驚いていた。
「本当に分身するかはわからないけど、それくらい早いらしいよ」
「そうなんだ〜」
ボルスはなぜか納得していたが、俺は本当に1人でこのお店を回していたということを知り驚いていた。
「アンさんすご過ぎ…」
そんなことを話しながら俺達は各自で休憩を取ることになった。
「私達は部屋で休んでる…」
「そっか!なら俺はちょっと外に出てくるよ」
「わかった〜気をつけて〜」
俺はボルスとパールを置いて昨日の少女を探していた。
「トランスレーション…」
俺はヴァルと話をするために翻訳魔法を使った。
「なぁヴェル起きてるか?」
「チュウ!何かありましたか?」
「昨日の獣人族の少女のことなんだが…」
俺はあの少女を探しつつ、ヴェルに獣人族について聞いた。




