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10億円寄付したら優遇転生してもらえました。  作者: ブロッコリーは芯のほうがうまい
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町散歩

 俺リーン・ルノエスはボルス・ポルスとパール・ペリアを引き連れ、レインフォレストという町に来ていた。


 お金に困っていた俺たちはこの町で出会ったアン・クルトというおばさんに助けてもらい、少しの間おばさんのお手伝いをすることが決まった。


 今はそのお手伝いの時間までの自由時間だ!

 俺達は町の中心に来ていた。


 おばさんの話にもあったが、道案内の募集をしている人が多くいる。


 この町ではかなり稼げるいい仕事なのかもしれない。



「今からなら今日中にマッドタウンまでいくことができて大銀貨10枚だよ!」



「高!!」



 この砂漠地帯は距離自体かなりあるもののマッドリザードという茶色のでかいトカゲに乗って移動すると1日で往復できてしまうらしい。


 その為、早さを売りにしている所の多くはマッドリザードを利用した移動が多い。


 しかし、これには難点がありマッドリザードは2人しか乗ることができない。


 つまりガイドが乗るともう1人しか乗せてもらえないという悲しい事実が存在している。


 通常の案内だと徒歩での移動となり金額は大銀貨5枚ほどだ。


 その為、早さを求めてマッドリザードを使う人の方が多くいるだろう。




 俺がそんなことを考えているとボルスとパールがはしゃいでいた。



「すごいねリーン!いろんな食べ物や服、本なんかもあるよ!」


「こっちには地図もありますよ!」



「あぁ、色々揃ってるみたいだね!もし、食料がたくさん売ってる場所があったら教えてくれ!」



「はーい!」

「わかった!」


 2人は楽しみながらもお店を探してくれた。




「あ!リーンあそこにたくさんのフルーツ売ってるお店があるよ!」



「ほんとだね!行ってみようか!」



 パールが見つけてくれたフルーツのお店に俺たちは向かっていた。


「はやくはやく!」


「そんなに急がなくても大丈夫…」




あれは…




 パールが急いで向かおうとしているフルーツ屋の前に汚れたフード付きのマントを羽織っている1人の子供がいた。



 あの子、動きが怪しい。



 俺は転生する前コンビニでバイトをしている時、何度か万引き犯に遭遇したことがあった。


 その経験からか、物を取りそうなやつはなんとなくわかるようになっていた。



 あの子、取るな…



 俺がそう思った直後、その子は青いリンゴを一つ手に取りマントの中に隠していた。


 お店の人は他のお客様と話していたこともあり、取られたことに気がついていなかっな。




 その子はバレていないことを確認すると何事もなかったかのように逃げようとしていた。


「2人ともあのマントの子を追いかけるよ!」



「え?!なんで!」

「何かあったのか?」


 俺は状況を読めていない2人を一旦放置し、急いでりんごを取ったその子を追いかけていた。



「君!止まって!」



 俺は走ってその子の前で両手を広げ、通せなくさせていた。


「君、今あのお店で青いリンゴ1つ取ったよね?ちゃんとお金ん払わないとだめだよ!」


「…」


 しかし、その子は俺が前に立っていることなど気にもとめず、無視して立ち去ろうとしていた。



 俺は無視しようとしたその子のフードを咄嗟に掴んだ。



「ちょっと話は終わって…」




 フードが取れると、そこには猫のような耳の生えた少女がいた。



「君は…」



 俺はその子の耳が気になったが、



 それよりも気になったのは



 彼女の首についている




 真っ黒な首輪の方だった。

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