悲しみの涙
俺リーン・ルノエスはアザゼルから逃げ出し、パール・ペリアとボルス・ポルスの2人を引き連れ、ある町に辿り着いていた。
食べ物を求め教会へ向かおうとしていた俺たちはそこで1人のおばさんと出会う。
俺たちはそのおばさんにご飯をご馳走してもらうことになり、家まだ着いて行った。
そこである新聞の記事が目に入った。
それは俺にとって絶望的な内容だった。
俺は新聞を読み、悔しさでいっぱいになっていた。
「クソ!…」
「リーンどうしたの?何か嫌なことでも書いてた?」
クララは俺のことを心配して声をかけてくれた。
「ごめん」
「ごめんねクララ」
俺はクララを抱きしめていた。
「ど!どうしたの?リーン…」
「いったい新聞に何が書いてあったの…?」
俺は何も言えなかった。
「あら、何か面白い話でも書いてあったの?」
俺が下を向いているとおばさんが料理を運んできてくれた。
「おばさん!この新聞に何が書いてあるの?これ読んでからリーンが元気なくて…」
「ちょっと、見せてごらん」
おばさんは俺から新聞を取り読み上げ始めた。
「なになに…ビート・ウッド王国の三銃士であるボルス・パーシルと“アラス・ペリア”の遺体がサンドオブサッドネスで発見された」
「え…」
「おばさん、今なんて…」
「ビート・ウッド王国の三銃士の2人の遺体が見たかったんだって。可哀想に…どうやら魔族の仕業らしいよ」
「そっか…教えてくれてありがとう」
パールは悔しさと悲しさをぐっと堪えていた。
「パール!俺が絶対お前を家まで連れて行ってやるから!」
ボルスが力強い目をしてパールを励ましていた。
「うん。でも、私大丈夫よ!」
パールはボルスにそう言われるとさっきまでの表情がなかったかのように明るく振る舞っていた。
「ごめんね、パール。ちゃんと伝えてあげればよかった」
「いいの!気にしないで」
俺はちゃんと自分の口から伝えるべきだったことを後悔した。
その後、おばさんのご飯が出てきた。
本当に残り物なのか?!
と、思うほどたくさんの料理が出てきた。
「いただきます!」
「いただきます!」
「いただきます…」
俺とボルスはお腹が空き過ぎていたこともあり、ご飯に夢中になっていた!
「うま!」
「なんだこのご飯!」
「この肉うんま!」
「おいしいね…でも、私もうお腹いっぱいになっちゃった!ちょっと外で顔洗ってくる」
パールはパンを1口食べるとそう言い残し、走って外へ出た。
「パール!待って…」
「いいよ。あんた達は食べてな!おばさんが見てくるから!」
「ありがとうございます…」
俺がパールを追いかけようとするとおばさんがパールを代わりに追いかけてくれた。
「パール…大丈夫かな…」
「大丈夫。パールはペリアさんの娘さんだもん」
「そうだな…」
俺はボルスにそう言われ、妙に納得してしまった。
ボルスが乗り越えたようにパールも自分の父が無くなったことを受け入れようと頑張っている。
今俺が行くのはかえって邪魔になるな。
そう思い俺はご飯を食べ続けた。
…
俺とボルスが食べ終わる頃、パールが帰ってきた。
「2人とも心配させてごめんね…」
「なんのことだい?」
「僕たちはただご飯を食べてただけですよ」
俺たちがそう言うとパールは沢山擦って真っ赤になっている目でにっこりと笑っていた。
「ありがとう」
俺達は空気の読める奴らだからな!
当然のことだ!
バシン!
そんなことを思っているとおばさんに叩かれてしまった。
「ませた子だね!」
「すみません」
俺は何故か謝ってしまった。
パールはそれを見て大きな声を出して笑っていた。
少しでも立ち直れたならよかった…
俺は少しだけ安心していた。




