真実
俺リーン・ルノエスは誘拐され牢屋に監禁されていた。
俺はペットのヴェルの力を借り牢屋から抜け出した先でパールという少女とボルス・ポルスという少年の2人が監禁されているのを見つけた。
2人を助け出した時、あのクソネズミが出てきて、パールを人質にとるのであった。
しかし、俺にはいい作戦が思いついていた。
俺は今ネズミと戦っていた。
俺は影の世界でパールを人質に取られていたが、あることに気がつき、クソネズミに風魔法で攻撃をした。
それを見たネズミは俺の予想通り目の前にある影の窓に飛び込んでいった!
「なんだこれは!」
ネズミが向かった先には…
真っ赤に燃える炎が部屋中に点在していたのである!
「テメェの仕業だな!」
クソネズミはボルスを前に腕を組んでいるハムスター[ヴェル]を睨んで叫んだ!
「チュウ!」
「この!ただのネズミが!」
このクソネズミがヴェルに気を取られた瞬間、俺はクソネズミの足元の影からパールの足を引っ張り、影の世界に連れ込んだ!
「やばい!ガキが!」
「チュウ!」
俺がパールを影の世界にひっぱり救い出した瞬間、ヴェルは炎をクソネズミに向かって飛ばそうとした。
「あぁ!クソどもが!」
そういうとクソネズミはどこからかマジシャンのように黒いマントを取り出し、覆い被さるようにマントを投げた!
「ご主人様!そっちに行きました!」
ヴェルの炎がそのマントを燃やすとネズミは消えていた!
マントを被ることでネズミは影を作り、シャドーダイブを可能にしていた!
「考えがあまいですね!影の中に入ればこっちのものです!」
ネズミは俺を嘲笑うかのようにそう言った。
「うるせードブネズミ!」
「なんだとクソガキ!」
俺はネズミを挑発すると、最初に俺が閉じ込められた部屋の影に飛び込んだ!
「ふふふ、自ら仲間のいない部屋に飛び込むなどやはり子供だな!」
ネズミは俺が入った陰の窓に急いで飛び込んできた。
「ヴァル!やれ!」
「チュウ!」
俺の掛け声と共にヴェルが“ポイズンブレス”を使い俺が最初にいた部屋を毒の霧で充満させた!
もちろん俺はヴェル達のいる部屋にパールを引き連れて逃げ込んだいた。
「こんな魔法影の中に入れば…」
「させるか!クレイ!」
俺は影の中に逃げようとしていたネズミを土魔法でガチガチ固めてやった。
「くそ!動けない!」
ヴェルの魔法の毒はある程度動く方向を決めることができる。
ヴェルは俺が土魔法で固めているネズミの周りに毒の霧を濃くするように動かし、俺たちの方には一切こないようにしていた。
さすが!聖獣と言ったところだ!
「クッ…クソガキーがー…」
ネズミはその言葉を最後に息を引き取った。
俺とヴェルは毒で息を引き取ったネズミを一応燃やし、灰にしておいた。
「これでもう安心だね!」
俺が2人にそう言うとパールは喜んでいた!
「すごい!本当に倒しちゃってんだね!」
「まぁこいつのおかげだけどね」
「チュウ!」
「すごいね!このネズミちゃん!」
「チュウ!」
若干ネズミと言われたことが嫌だったのか、ヴェルが怒っているような気がした。
「ヴェル、落ち使って!」
「チュウ!」
「その子はヴェルって名前なの?」
「そう!こいつは俺の可愛い家族のヴェル!よろしくね!」
「チュウ!」
「そうなんだね、ヴェルくんよろしく!」
「チュウ!」
「ついでにコイツはネズミじゃなくてハムスターっていう種類になるんだ。間違えるとショックを受けるみたいだから、気をつけてくあげてくれ」
「そっか…さっきはネズミって言っちゃってごめんね」
「チュウ!」
パールとヴェルは少しだけ仲良くなれたような気がした。
「なぁ、リーン…早くここから逃げないか?」
ボルスにそう言われ、俺たちは出口へと向かうことにした。
移動しながら俺はさっきボルスが言いかけていたことを聞くことにした。
「さっきボルスはあのネズミに攫われたわけじゃ無いって話してたけど、一体誰に攫われたんだい?」
「俺は父さんの同僚の人に攫われたんだ…」
「お父さんの同僚?!」
俺は驚きつつもボルスに話を聞いた。
事件が起きたのは2日前
ボルスはいつものようにのように家の畑に水をあげていた。
その日は母が買い物に行っていたこともあり、家にはボルスしかいなかったようだ。
そんな時にいつも父と仲良くしている同僚の人が突然訪れ、ボルスのお父さんが大怪我をしたので、家族を連れてくるように頼まれた。と言われ、その同僚の言われるがままついて行ったらしい。
ボルスのお母さんはもう現地にいるから大丈夫だと言われたこと。そして、いつも父と仲良くしていた同僚のお兄さんだったこともあり、ボルスは信じきってしまっていた。
また、バルスのお父さんの仕事内容は言えないようだが、それなりに稼ぎがあり危険な仕事をしているようだ。
その後その同僚とやらが用意してくれた馬車で移動をしていた。
しかし、進んでいく中でその父の同僚が急に驚き出した。
“お前はなんで眠らないのだ”と。
ボルスは何を言われてるのか全くわからなかったが、その発言の後その同僚に殴られ、気がつくと、ここに繋がれていたようだ。
「なんて酷い話だ!」
子供を容赦なく殴るような男だとは…最低だ。
そんな話を聞いてると、パールが驚いたような顔でこちらを見ていた。
「そう言えば…私もお父さんの同僚の人だった…」
「なんだって?」
「君って、ペリアさんの娘さんだよね…」
「そうよ?」
どうやらボルスはパールのことを知っているようだ。
しかし、ペリア?どこかで聞いたような気がする。
「私のお父さんはとっても強いんだけど、モンスターに怪我を負わされたと聞いて、その同僚の人について行ったの。お母さんは元々別の仕事に出てたけど、もう先についてるって…」
おかしい。
どうもおかしいぞ…
この事件は同じ人物による犯行のように思える。
俺は何かとてつもない違和感を感じていた。
ペリアと言う名前、どこかで聞いたような…
「あーーー!!!」
「そうか!君達は3人組の騎士のお子さんなんだ!」
俺は違和感の正体に気がついた。
パールのお父さんはあの金髪のイケメン騎士アラス・ペリアだ。
そして、ボルスはおかっぱメガネのポルス・パーシルの息子…
「あれ?ボルスくんのお父さんってポルス・パーシルさんであってる?」
「あぁ、あってる…」
俺は若干の違和感を覚えた
「家の名前がポルスって言ってなかったっけ?」
「普通の家だったら俺の名前はボルサ・パーシルになるんだが、俺の家は特殊な家系で苗字が父親の名前になるんだ。母親はパーシルだが、俺はパーシルではなくポルスってことになる。正確に言うと過去の親父たちの名前全てが名前になるんだが、長いから自分の親の名前を苗字とするってことになってるらしい」
「なるほど、そんな理由があったんだ…」
ボルスは若干長めのトークでしっかりと名前の由来を教えてくれた。
でも、
これで確定した。
犯人はあいつだと…
「その人って…」
俺がそう言おうとした時
奥から誰かが近づいてくるのを感じた。
それは
俺が死んだと聞かされていた
俺が助けて貰えたと勘違いしてたやつ
そう、そいつは死んでなどいなかったのだ。
「やぁ、リーンくん」
「そうだと思っていましたよ…」
「エザルア・サンタさん」




