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10億円寄付したら優遇転生してもらえました。  作者: ブロッコリーは芯のほうがうまい
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扉の向こう側

 俺リーン・ルノエスはネズミに誘拐され、牢屋に監禁されていた。


 俺が攫われる時に一緒にいたエザルアさんは無惨な殺され方をしたことを知った俺は泣き叫んでいた。



 しかし、ペットのヴェルが魔法を使えることがわかり、俺とヴェルは脱出することを決意した。

 俺とヴェルは脱出することを決め、計画と奴の目的について話していた。



「ご主人、あいつらたぶん魔王軍の生き残りです」


「そうなのか?」


「はい。たぶんですが魔王が復活するのが近いのかも知れないです」


 ヴェルは魔王について教えてくれた。


 魔王は何年かに一度復活をする魔族達の王様のような存在である


 一説には999年で復活すると言われているし、99年で復活するとも言われている。


「前に倒したのはかなり前だったことしか覚えてないんですよね」


「そうか、でもよく魔王なんか倒せるやつがいたな!」


「それは勇者のおかげですね!」




 ヴェルによると魔王が復活をする度、女神様が勇者の候補となる人物をこの世界に生み出すらしい。


 魔王軍の奴らはできるだけ早くその候補たちを始末したいと思っているため、今世界で一番強いと思われている英雄クーラスを殺そうと考えている可能性がある。


 しかし、クーラス自体を殺すにはあまりにも力の差がありすぎるため、その息子を人質にすることで自殺してもらおうと思っているのではないかとヴェルは言う。




「なるほど、その可能性はありそうだね」




 俺はその話を聞き、もしかしたら自分が勇者候補なんじゃないか?と思った。


 もしそうなら、女神様にはしっかりと文句を言ってやるつもりだ!俺は別に勇者になどなりたいと思ったことはないのだからな!




 話を戻し、脱出の話になった。


 俺が魔法を使えないことをヴェルに調べてもったところ、理由は2つあった。


 今、俺の背中には謎のお札がついていた。


 これは魔力の回復を止める魔法である。


 そして、この手錠。


 この手錠はどうやら魔力を使うことをできなくさせる魔道具になっているようだ。




 俺は背中のお札をヴェルに取ってもらい、朝方まで魔力の回復を待つことにした。



 ヴェルから魔族は午後の日が暮れた時間の方が活動している者が多くいることを聞いた。


 その為、明け方に脱出をすることにし、それまでは大人しくしていることにした。





 次の日の朝




「じゃあ、ヴェル。この手錠を溶かしてくれ!」



「チュウ!」



 ヴェルが風魔法を使い手錠を壊してくれた。



「よし、これで魔法も使えるな!」


「チュウ!」



「そうだった!トランスレーション!」


 俺は翻訳魔法を使いヴェルと話せるようにした。


 この魔法は効き目が4時間しかなく、ヴェルと予定を決めた後に効果が切れてしまい、相談ができなくなっていた。



「ご主人様!牢屋の柵を溶かすので少し離れてください!」


「わかった」



「ポイズン!」



 ヴェルの毒魔法は強力なとかは力があるらしくこの鉄格子の柵くらいなら簡単に溶かしてしまえるようだ。


「では行きましょう!」


「うん!」


 俺たちはあのネズミが出入りしていた扉を開けた。



 そこには左右に1つずつ牢屋があった。



「ここにはあのネズミ野郎はいないみたいだ」


「ご主人様!見てください!」




 ヴェルに言われ向かって右側の牢屋を見ると、奥に俺と同じように鎖で繋がれている1人の女の子がいた。



「う…ぅ…」



 その少女はムチで打たれたのか体中が真っ赤なみみず腫れになっていた。




「なんて、ひどいことを…」



 俺はすぐさま風魔法で牢屋の柵と手錠を壊した。



「大丈夫かい?」




「うん…」



「すぐここから逃してあげるからね!」


 俺はそう励ますとその少女に回復魔法をかけてあげた。



 


 すると、少し体力を回復したのか、その少女が反対側の牢屋の方を震える手で指さしていた。



「あの子も…友達なの…」



 すると反対側には髪の毛がサラサラな少年がポツンと床に倒れていた。



「やばい!ヴェル!あの子に回復魔法を!」


「了解いたしました!」



 俺の掛け声を聞き、ヴェルは走って柵の間をすり抜け反対側の牢屋にいる少年に回復魔法をかけた。




「こっちは任せてください!」



 俺とヴェルは急いで回復魔法で2人を治してあげた。



「ありがとう。あなたは…天使様?」


「違うよ。僕もあのネズミに誘拐されたんだ」


「そっか…」



 その少女は少し悲し顔をしてしまった。


 ここは俺が励まさないとな!



「大丈夫!僕が君を絶対守ってみせるから!」


「ほんと?」


「あぁ、本当だよ!約束しよう。」



 そう言うと俺は小指を出した。


「何それ…?」


「約束のおまじないだよ」


 俺はこの少女と指切りげんまんをしてあげた。



「ありがとう。信じてる」



 少女の目に光が宿った気がした。




「ああ!任せてくれ!」


 俺はこの子を絶対に助けると決めた。

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