奇跡の出会い
俺リーン・ルノエスは元聖獣のペット、ヴェルに黒魔法を教えてもらったが、動物と話せず何も教えてもらえないことに気がつき、悲しみに暮れていた。
そんなときティア先生から動物と話せる魔法が存在することを教えてもらった。
しかし、先生はその魔法を忘れてしまっており、【ノアの夜明け】という本に記載があるらしいことを知った。
なんとかして手に入らないものか…
俺はティア先生と食事をしながら悩んでいた。
「どうにかして、“ノアの夜明け”は手に入らないものか…」
「そうねぇ、かなり珍しいものだし…」
俺と先生が話していると母ヘアラが来た。
「リーンもうご飯を食べ終わったら買い物に行くけど、一緒にくる?」
俺は本の情報が欲しいが全く手掛かりもない状態だ。
もしかしたら、商店街にいけば何か手がかりがあるかもしれない…
そう思った俺はヘアラについていくて行くことにした。
「今日は見たことない商人の人が多くいるみたいね!」
「そうだね!珍しいもの売ってる!」
商店街には沢山の商人が街にやってきていろんなものを売り捌いている。
動物や爬虫類などを売るもの、肉や魚を売る店、巻物や本を売っている店なんかもあった。
「本?!?!」
俺は本屋を見つけていた。
「母さんあそこの本を売っているお店行きたい!」
「いいわよ!お母さんはあっちで家の新しい絨毯を見てくるからね!」
「はーい!」
俺は走って本屋に向かった。
本は縦に何冊も重ねられている。
「すごーい!」
「子供1人か、うちはお前みたいなガキが読めるような本は置いてないよ!帰れ帰れ!」
「まぁまぁそう言わず!」
俺は店主が面倒臭そうにしていることなどお構いなしに【ノアの夜明け】を探していた。
「ん〜、やっばりないかぁ。」
「無いならさっさと帰りな!」
俺は諦めて帰ろうと立ち上がった。
その時一つの本が目に入った。
「おじさん、その机の下に敷いてる本ってなんて本?」
「あぁこれか…この机、足の長さが若干違うみたいでよ。高さの調節に使ってるんだ!この本表紙も剥がれてるし、売り物にはならないからな」
なるほど、表紙のない本か…少し気になるな
「ちょっと見せてください!」
「やだね!」
クソ店主め!
子供だからって舐めやがって!
「おじさん!これをつければもっとしっかりした足になりますよ!」
俺は手の中でこっそりと土魔法で机の足につけるのにちょうどいい感じの物を使った。
「なんだこれ?これどうしたんだ?」
「さっきそこで拾ったの!」
ぱっと見たかんじではただの石にしか見えないからな、たぶんバレないだろ!
「おぉ!こりゃいい!窪みにフィットして高さが安定しやがった!」
「いいもん拾ったなガキンチョ!」
「それあげるから代わりにその本見せてください!」
「あぁこれか!いいよやるよ」
「え?!いいんですか?!」
俺は謎の本をゲットした。
貰ったはいいもののこんなボロボロの本だ、違う本ならアーサーにでもあげるとしよ…
俺は本を開き、一ページ目を読んだ。
「これは…」
俺は言葉を失っていた。
その本は俺が欲しいと思っていた。
ノアの夜明け
そのものであった。
「こんな奇跡ってあるんだ…」
俺は欲しいと思ったものがこんなに早く手に入るとは。
俺は女神のタマちゃんに感謝をしておいた。




