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10億円寄付したら優遇転生してもらえました。  作者: ブロッコリーは芯のほうがうまい
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ノアの夜明け

 俺リーン・ルノエスはペットであり元聖獣のハムスター、ヴェルが黒魔法を使えることを知り、教えてもらうことにした。


 しかし、俺は全く気がつかなかったが、ヴェルはそもそも人間の言葉など話せず“チュウ”としか話せないのだ。


 俺は黒魔法を目の前で見せてもらっても、呪文が全くわからないため自分では使えることができないと理解し、枕を濡らしていた。

 俺は寝る前に泣きながら考えていた。



 どうか、ヴェルと会話ができるようになってくれ!


 魔法でも通訳でもいい。


 どうにかヴェルと会話をさせてくれー!



「うぉーーー!」



 俺は泣き叫ぶことに疲れ眠ってしまっていた。



 次の日の朝俺は稽古をしながら一つの考えで悩んでいた。


 女神様に頼んで言葉が理解できるようにしてもらうか。


 しかし、こんなことにギフトを使ってもらうのも勿体無いし…


「ん〜」


「どうしたんだ、リーン!」


 アーサーが悩んでいる俺に話しかけてくれた。



「いや、どうにかしてペットと会話できないかなってね…」



「ペットと会話かぁ。なんかリーンって御伽話みたいなことに憧れてるんだね!」


「そうだね…」


 俺はアーサーにメルヘンチックなやつだと思わられてしまった。




 しかし、御伽話か…もしかしたら、動物と話せる本とかあるのかな?



 俺は色々な人に聞くことにした。



 稽古も終わり、朝食を食べ終えた俺はティア先生の授業を受けていた。



「ティア先生、ちょっと質問いいですか?」


「はい、なんですか?」


「動物と話せるような魔法って何かあったりするんですか?」


 俺はティア先生に直球で聞いてみた。




「一応ですが、あるらしいですよ」


「らしい?」


「はい。これは神話として有名なものが一つあります」


「教えてください!」


 俺はティア先生にその神話というものを教えてもらった。






【ノアの夜明け】


 昔、あるところに1人のノアという少年がいました。


 ノアは生まれた時から動物達にとても好かれている不思議な子でした。


 ノアが大人になろうとしていた頃、ひとつの戦争がおきました。


 それは人間がお互いの土地を取り合うためだけのくだらない戦いでした。


 しかし、その争いで多くの動物達が犠牲になってしまいました。



 ノアはとても悲しみ、悩みました。



 “動物達だけでも助けてあげたい”



 その思いで、ある一つの魔法を作り出しました。



 それは動物とお話ができる魔法でした。



 ノアはその魔法を使い、動物達と沢山お話をしました。



 ノアが魔法で動物とお話をした、次の日の夜から戦争が終わるまで、戦争のある地域の動物達は姿を消しました。


 そして、戦争が終わった日の朝には、動物達は何事もなかったかのように姿を現したのでした。


 ノアはその一件から動物達の神様として 


 動物達から生涯を会えるまで愛されたとさ。




「こんな感じの内容だったと思うわよ!」


「なるほど…で、その魔法ってどんな名前の魔法なんですか?!」



 俺は動物と話せる魔法があると知り、居ても立っても居られなくなっていた!



「なんだったっけな…」



 俺は早く教えてくれと言わんばかりの眼差しで先生を見ている。



「ごめんね、覚えてないや…」



「そうですか…」



 うぉーーー!


 ちくしょーー!



 俺は心の中で叫んでいた。


 やっと掴んだ手がかりだと思ったのに…


 でも、存在はするのか…?



「先生、その魔法存在はするんですよね?」


「はい。一度だけ私も試したことがあったんですが、相当魔力が必要らしいの。それと適性がある人は本当に珍しくて、どちらとも兼ね備えている人がいないらしいのよね」


「なるほど…」


「だからこの魔法は伝説というか御伽話の中だけでしか存在しないそうよ」


「先生はその魔法をどこで知ったんですか?」


「私は魔法学校時代に図書館で1度だけ読んだことがあったのだけど、当時からボロボロだったのと貴重な価値があるとかで王国の車庫にしまわれてしまったのよ」


「そうですか…」



 どうにかしてその本を読もうと思ったがどうやら難しいようだ。


「絵本ならよく売ってるんだけどね、細かく書かれた分厚い本の方は私も学校しか見てないしな…もし思い出せたら伝えるね」


「はい。ありがとうございます」



 俺はどうしてもその本が欲しい。


 しかし、今ではなかなか手に入らないのか。



 クソーーー。



 俺は悔しさを噛み締めながら午前の授業を終えていた。


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