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10億円寄付したら優遇転生してもらえました。  作者: ブロッコリーは芯のほうがうまい
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才能の使い方

 俺リーン・ルノエスは友人のアーサー・カリバーの魔法適性を確認していた。


 アーサーはかなりの魔力を持っているにも関わらず、5属性全ての魔法と相性が悪く、米粒程度の魔法しか出せていなかった。


 しかし、アーサーは努力でこの問題を解決するらしい。


 俺もそれに賛同し、これから頑張っていくのだった。

 アーサーと俺はひとまず部屋に戻ることにした。




「リーン達、思ったより遅かったわね!」


 クララは水魔法で出した水を星の形にする練習をしていた。



「上手にできてるね!」


「本当は回復魔法以外やりたくないけど、リーンがいろんな魔法を練習すると魔力が上がるって言うからよ」



 魔力は使えば使うほど、複雑になればなるほど増えていくらしい。

 しかし、魔力は使わないと減っていくというものもある。



 感覚としては筋肉に近いと俺は思っている。


 筋トレはすればするほど筋肉量は増えるし、トレーニングを変えて鍛える場所を変えれば、全身の筋肉量で見ると増えている状態になる。また、トレーニングをサボったりすると筋肉は落ちていくからだ。



「実際いろんな魔法を使ってきた結果、クララの魔力はかなり向上してるよね!」


「そうね!最初はほんとに少ししかなかったもんね」


 そんなことを話していると、またアーサーがクララに見惚れていた。


「アーサー!」


「あぁ!ごめんごめん」



 本当にアーサーはクララのことが好きなんだな。


 そんなことを思いながら、先程のアーサーの魔力測定の結果をクララに伝えた。


「そっか〜、5属性の魔法使えなかったんだ…」


「はい…」


 クララが残念がっているのをみてアーサーも残念がっている。


 さっきまで米粒程度の魔法で大盛り上がりしていたやつとは思えない。



「じゃあさ、白魔法と黒魔法の相性が良いもの見つけたらいいんじゃない?」




「その手があったね!」





「白?黒?何それ…」



 俺はすっかり忘れていたが、この世界には5属性の魔法とは別に白魔法と黒魔法の2種類がプラスである。


 黒魔法は全然知らないが、白魔法なら何個か知っている!


 俺は早速アーサーに白魔法と黒魔法について説明し、白魔法をいくつか試してみることにした。



「まずはヒールからやってみよう!」

「クララ、復習も踏まえてアーサーに教えてあげて」


「はい!やってみます!リーン先生」


「リーン先生だなんて珍しい。ちゃんと教えてね」


「は〜い」


「じゃあ、アーサー!見ててね」



「は!は!はいー!」



 アーサーは気絶まではいかなくなったが、まだ緊張してしまっているらしい。


「じゃあ、ちょっと失礼して…ウィンド」


「ちょっと!リーン!」


 俺は自分の腕を少しだけ切った。


「ヒールしてもらうんだから、問題ないでしょ!」


「もう!リーンのバカ!適当にそこら辺の木とかでやればいいでしょ!?」


「下降りるのめんどくさいだろ。あと、人を治す方が魔力が必要になるんだぜ!」



「もう…本当に…」

「ヒール」



 クララの手は白く光だし、俺の腕の怪我を治してくれた。


「本当に上手になったね!」


「そ、そう?」


「うん!本当に!跡形もなく綺麗に戻ってるよ!」


「褒めてくれて…ありがとう…」





「じゃ、こんな感じでアーサーもやってみようか!」



 俺はそういうとまた腕を軽く切ってみた。


「お、おう!」

「ヒール!」



「…」



「ヒール!」



「…」



 これに関しては本当に才能がないのか、光のカケラすら感じることができなかった。


「…クララ、治して」



「うん」


 結局クララに治してもらった。


 気を取り直して次の魔法に挑戦してみることにした!



「じゃあ次はサーチアイだ!」



 しかし、これも全くと言っていいほど発動する気配がなかった。


「こんなにできないなんて…逆に才能なのかもしれない」


「すまないなリーン…」



 とうとうあの元気なアーサーが落ち込んだしまった。



「いや!まだもう一つあるよ!」


「おぉ!それは!?」


「身体強化魔法だ!」


「おぉぉ!それはぜひ取得したい!」


「やってみよう!」



「まず、俺がお手本を見せるからよく見てて…」

「…ストロング!」



 俺の体は白く光出した!


「す!すごい!」


「普通に使うと1.5倍になるんだが、この魔法には段階があって2倍3倍とあげることができるんだ。でも、4倍以上は相当魔力がないと使えないらしいんだ」


「そうなのか!ぜひ俺もやってみたい!」



 実を言うと俺は4倍の身体強化まで使うことができる。


 この魔法は倍数が上がれば上がるほど白い光が薄くなる。


 3倍にするとほぼ見えないが、4倍は使っていることすら悟られないレベルで薄くなる。


 もはや透明だ。


 実はその原理を利用してアーサーとの稽古中にも使ったことがあるが、ややこしくしたくないので黙っておくことにする。



「じゃあアーサーもやってみよう!」



 アーサーは今まで以上に集中していた。





「ストロング」




 アーサーがそう言った瞬間だった。



「まぶし!」



 アーサーの体が凄い光に包まれた。


「眩しすぎる!」


 アーサーは身体強化魔法"ストロング"との相性が半端なく高かったようだ!



「す、すごい!体中から力が溢れ出るようだ!」

「リーンこれすごいよ!」


「そうだね!これは相性がバッチリみたいだね!」



 自分の元々の力を倍にしてくれる魔法だけ使うことができるなんて、アーサーはどこまでも脳筋体質なんだな。


 俺はそんなことを思いながらアーサーに適正がある魔法が見たかりホッとしていた。



「すごいじゃん!アーサーくん!」


「あ…ありがとう!」


 クララからも褒められてアーサーも嬉しそうだ!



 なによりなにより!




「でもこんなに光が強いってことは魔力の消費もすごそうだね!」


 クララに言われたが、確かにそんな気がする。



「おい、アーサーそろそろ解除した方が…」


「うぉーーー!!俺は最強になるぞーー!!」



 アーサーは俺の話など全く聞いていない。



「おい!アーサーもうそのへんに!」




 バタン








 アーサーは魔力の使いすぎで倒れてしまった。


 まぁ、何はともあれアーサーの才能が無駄遣いにならなくてよかった。

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