恋
俺リーン・ルナエスは毎週行っているクララとの魔法勉強会を楽しみにしていた。
するとそこにアーサー・カリバーがやってきた。
アーサーは俺とクララの魔法を他言しない約束をする代わりに勉強会に参加することになった。
そこはクララがやってきた。
俺はアーサーを紹介しようと振り返ると、フリーズしたまま動かないアーサーがそこにいた。
どうやらアーサーはクララに惚れてしまったようだ。
アーサーは“可愛い”と一言だけ発した後、まだフリーズしていた。
「おーいアーサー」
「おーい!」
「…」
「ダメだ全く聞こえてない」
「この子どうしちゃったの?」
クララに紹介しようと思っていたが、これじゃあ紹介にもならないな。
「なんか緊張しちゃったみたいだね」
「そうなんだ…」
俺はアーサーがフリーズしている間に、アーサーがどんなやつかをクララに軽く紹介しておいた。
「この子変な子だと思ってたけど、意外と真面目なんだね!勝手に見栄だけある何もできないバカだと思ってた!」
「それは確かに俺も思ってたよ…」
俺とクララのアーサーへの第一印象は洗礼の儀式での一件しかない。
つまり最悪である。
あれだけ見ているとどこぞのアホ貴族の息子だと勘違いする奴も多いだろう…
「は!ここは!?」
そんなことを話しているとアーサーが目を覚ました。
「あ、意識戻った?」
「俺は何を…」
「さっきクララをみて気を失ってたんだよ」
「クララ…」
「は!!」
アーサーはクララという名前を聞いた瞬間、キョロキョロと周りを確認していた。
「あ!あ…あなたが!…クララさん、ででで、す、か?」
どうやらアーサーは緊張すると喋り方が変になるようだ。
「そうよ!私がクララ。よろしくね」
俺はしっかりと挨拶をしているクララを見て、少し感慨深く思っていた。
出会ったときは挨拶代わりに拳が飛んでくるような子だったのに。
今じゃこんなに…
俺は自分の娘でも見ているかのようなテンションになっていた。
「今日から毎週日曜日は3人で勉強会をすることにしようと思ってるんだけど、クララは大丈夫?」
「リーンが信頼してる相手なら大丈夫よ!」
「よかった!なら僕の部屋に行って勉強会を始めちゃおうか!」
「うん」
「…」
アーサーがクララをずっと見ていたまま、ぼーっとしている。
「アーサー、聞こえた?」
「…」
「アーサー?!」
「お!おう!よろしくお願いします」
たぶん今日は教えても何も入ってこないな。
「じゃあ、部屋に行くぞ…」
アーサーがボーッとしてるのは一旦無視をして、俺の部屋で勉強会が始まった。
「今日は水魔法の使い方と、形の変え方についてやって行こうと思います」
「はい!お願いします」
「…」
「アーサー聞いてるのか?!」
「ご、ごめん。集中するよ」
アーサーは勉強会が始まってもまだクララに夢中だった。
最初の頃こそ俺はクララのことを少し好きになっていたが、ここまでクララのことを好きになるやつを見ると、その気持ちはどっかにいってしまっていた。
「アーサー次聞いてなくても俺は話を進めるからな!わからないって言っても知らないからな!?」
「うん。大丈夫!」
アーサーがクララのことを気になって仕方がないようだが、俺はとりあえず進めることにした。
ある程度やり方を説明した後、実際にチャレンジしてみることになった。
「じゃあ、まず水魔法でウォーターボールを使ってみようか!」
「OK」
「すまないリーン…」
「どうしたアーサー」
「水魔法ってどうやって出すのだ!?」
俺はすっかり忘れていた。
アーサーは今まで魔法を使ったことがなかったのだ。
「ごめんごめん!すっかり忘れてたよ!」
「いや、むしろ俺も早く言えばよかった」
「いやいや、俺が悪いよ!まずは適正チェックをするところからだね!」
「よくわからないが、頼む!」
「じゃあ、クララはそのまま続けて水魔法の操作を挑戦してみて」
「わかった!」
「わからないことがあったらあったらなんでも聞いてね!」
「ありがと!」
俺はクララに自主練をしてもらいつつ、アーサーの魔力適性を調べることにした。




