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10億円寄付したら優遇転生してもらえました。  作者: ブロッコリーは芯のほうがうまい
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忘れるのは良くない…

 俺リーン・ルノエスは友人アーサー・カリバーと共に剣の稽古を父クーラス・ルノエスに教わっていた。


 アーサーは6歳にして、かなり剣の腕が立つ少年だった。


 しかし、クーラスの指導の中で俺の方が褒められてしまった。


 アーサーは親バカで褒めていることに気がついてくれているのか…

 俺がクーラスに褒められている時、アーサーは俺の姿をなんとも言えないような顔で見ていた。


「アーサー…?」


「どうかしたか?」


「父さんは息子だから褒めてるんだよ?気にしちゃダメだよ?」


「気にしてなどいない…大丈夫だ」


 心なしか、アーサーは元気がない。



「それにリーン、君は確かにブレていない…」


「いや、そんなことは…」


 俺はなんとなく振っていたこともあり、自分がどんなふうに振っていたのか覚えていない。



 一応もう一回振ってみた。



 あぁ確かに…体はブレていないかった。





「あっ…」





 しかし、これには理由があった…



 俺はサボりたいという一心から筋トレの時にこっそりと身体強化魔法を使っていたのだ。



「リーンは俺より才能がある。しかし、それは俺の努力次第で超えることができる。」


「だから気にするな!」


「アーサー…」



 アーサーはズルをしている俺なんかより、ずっとまっすぐで凄いやつだった。


 でも、ごめんなアーサー。俺めっちゃずらしてたわ!



「なんか…ごめん…」



 俺は小さな声でアーサーに謝り、身体強化の魔法を解いた。



「よし!リーン次はこれだ!」



 クーラスは俺らの会話など聞いていなかったかのようにウキウキで俺にハードメニューを用意していた。



「次はこの錘をつけて剣を振ってみよう!」



「え…無理だけど…」



 クーラスはそう言うと俺の体中にお守りをつけた…



「いや動けないけど…」



「そんなことはない!さっきの剣の半分くらいの重さだぞ!」



 それは俺が身体強化の魔法使ってたからな!


 ごめんね!


 俺は心の中がどうしょうもない気持ちでいっぱいだった。


「どうしたリーンこれくらいいけるだろ!」



「う…うん」



 とりあえず全身の力を振り絞って剣を持ち上げようとする。




「まじか…」



 全く持ち上がる気配などなかった…


 これをアーサーは振っていたのか!


 バケモンだな!



 俺は一周回ったのか笑ってしまいそうな気分だ!



「うぉぉぉ!!!」



 俺は全身の力を振り絞り剣を持ち上げようとしていた!


 もう身体強化など使わない!



「なんとかなれーー!!」



 一ミリも上がらない。




 終わった…




 俺は大人しく身体強化の魔法を使ったことを白状しようとしていた。



「あの…さっきのやつなんですが…」



 すると家の方からセンさんがやってきた。



「そろそろ朝食のお時間となります」


「そうか!ならすぐ行く!」


「よし!リーンとアーサー君。ご飯にしよう」



 助かった。



 センさんまじナイスタイミングです!




 俺は体につけられていた錘を直ぐに脱ぎ捨てた!



「朝ごはん楽しみ〜」



「チュウ!」


「忘れてた…ごめん」


「チュウ!」


 俺は朝の剣の稽古に夢中でハムスターのことをすっかり忘れていた。というかこいつはどこに隠れていたんだ?!


 まぁいい!


 こいつのことをクーラスとヘアラに聞かなければ!



「俺は家にご飯があるので帰ります!」


「ありがとねアーサー!」


「また来る!」



 アーサーはそれだけ言ってすぐに帰って行った。



「チュウ!」


「そうだな!」


 俺はその後、朝食のタイミングでクーラスとヘアラにハムスターを飼っていいか聞いてみた。


 2人は昨日の子犬じゃないなら別にいいか!という感じですんなりと受け入れてくれた。


「よかったな!ハムスター!」


「ハムハム!」


 俺の家族にどこか既視感のある鳴き方をする1匹のハムスターが加わったのであった。

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