ペット
俺リーン・ルノエスは1匹の子犬を連れ帰ってしまった。
家に犬アレルギーの執事さんがいるため、明日にはどうにかしないといけない状況だった。
すると、夢の中で見たことのない神様が子犬を別の何かに変えていた。
そして、目が覚めると子犬の代わりに白いハムスターがいたのであった。
俺が目を覚ますと昨日まで子犬だったものがハムスターに変わっていた。
俺は驚いていたもののこのハムスターを飼えるではないか?という期待でいっぱいだった。
コンコンコン
「失礼しますリーン様。そろそろご友人がお越しになられる時間かと思います」
「おはようセンさん!これ見て!」
「おや?これは…」
もしかしたら、犬アレルギーだけじゃなくて動物アレルギーがあるかもしれない…
俺は緊張しつつセンさんにハムスターを見せた。
「チュウ…」
「とても可愛いネズミですね!どこかで捕まえてこられたのですか?」
よかった。
どうやらハムスターは問題ないらしい。
「この子昨日怪我を治してあげて…飼うって言ったら止める?」
「いえ!昨日の子犬さんはアレルギーがありましたので、少し乗り気には慣れませんでしたが、ネズミでしたら問題ありません!」
「よし!」
俺はガッツポーズをして喜んでいた。
「しかし、奥様や旦那様にも確認された方がよろしいかもしれませんね」
「そうだね!後で聞いてみる!」
俺はそういうとハムスターを肩に乗せて、玄関を飛び出していた。
バタン!
扉を開けると、ちょうどノックをしようとしているアーサーがいた。
「おぉ… びっくりした」
「おはようリーン!剣の稽古をしようではないか!」
「剣の稽古ね、でもその前にこの子見て!」
俺はハムスターを飼えるかもしれないことが嬉しくて、アーサーに見せていた。
「なんだこいつは?」
さすがに昨日の子犬と言っても信じてはもらえないだろう…
「昨日捕まえたんだ!可愛いでしょ!」
「このネズミ、食べるのか?」
この世界の人はハムスターという概念がないのか?みんなネズミと言ってくる…
まぁいい
俺はこのハムスターを飼えるかもしれないことをアーサーに自慢したいだけだ。
「食べないよ!でも飼うことができるかもしれなくて!ウフフ」
「そうか、リーンにも動物の友達ができるのだな!嬉しいのであればよかった!」
なんやかんやアーサーがいいやつなのはわかってきた。
こいつはわりと俺の喜んでいることを推してくれる。
アーサーの変な性格だった最初の頃の印象はもうなくなろうとしていた。
「では、そろそろ剣の稽古だな!」
そうだった…
剣の稽古という若干逃げ出したい朝のメニューが俺の生活には追加されていた…
「そうだね…やろっか…」
「どうした?元気がないぞ!」
アーサーがそう言うと家の扉が開く音がした。
「リーンその子がアーサー君かい?」
そこにはクーラスがいた。
「おはようございます。アーサー・カリバーというものです。リーンの親友です」
「そうかそうか、よろしくな!」
俺は気付かぬうちにアーサーの親友になっていたらしい。
「俺はリーンの父親だ!よかったら俺も参加させてくれ!」
「はい!ぜひご一緒に!」
そういうと、なぜか3人での稽古が始まった…




