実は聖獣
俺リーン・ルノエスは森で助けた子犬が付いてきたことを驚いていた。
子犬はとても可愛らしくどうも飼えないものかと、交渉を続けたが、全て惨敗に終わってしまった。
そんな時、俺はいいことを思いついてしまった。
俺は名案を思いついていた!
アーサーに飼って貰えばいいんだ!
「明日アーサーに頼んでみるな!」
「クゥ〜ン」
子犬は何かを察しているのか俺から離れることが寂しいらしい。
「なんて可愛いヤツなんだ!」
俺は気がつくと子犬のお腹を撫で回していた。
「ハッ!ハッ!ハッ!」
子犬は昇天しそうなくらい喜んでいた。
「か…かわいい…」
とりあえず俺たちは一緒のベットで寝た。
明日起こしに来てくれるセンさんには申し訳ないが、こいつが可愛すぎたのが悪い。
「ゆるせ、センさん…」
若干の申し訳なさを持ちつつ俺は寝ていた。
夢の中で不思議なことが起きていた。
俺は女神様と会う時と同じような空間を少し遠くから見ている。
「改めて見ると真っ白のように見えるけど、若干うっっっすい黄色というような空間なんだな」
「ん?よく見るとこれクッションか?こんなのあっただろうか?」
そう思っていると目の前に1人の白髪のおじいさんが現れた。
背は高く目は少し垂れ目で白い髭を生やし、髪の毛も長いようだ。
しかし、てっぺんの部分は意外に丸く禿げている。
たぶん神様だろう。
俺は心の中でハゲカッパというワードが頭に浮かんだが、静かにしておこう。
俺が静かにしていると今日出会った白い毛の子犬がゆっくりと歩いてきた。
すると神様が話始めた。
「聖獣の子供がどうしてここに…」
神様は驚いていた。
どうやら異例の事態だったらしい。
「ワウワウ、ワウ」
「なるほど、君はあのリーンという子と一緒にいたいのかい?」
「ワン!」
「そうか、でも彼の執事がアレルギーらしいからな、君は犬のままでは無理みたいだ」
「ワン!」
「君が望むなら君の姿を変えることができるぞ?やってみるかい?」
「ワン!」
「そうか、なら君の姿を変えてあげよう…」
「ワオーーン!」
子犬は遠吠えをするように吠えていた。
そこに神様の力なのか子犬は白い光に包まれてどんどん小さくなっていた。
気がつくと朝になっていた。
「あれ…?」
俺は一緒にベットに入っていた子犬を探していた。
しかし、どう見てもベットにはいない…
俺は夢の中の記憶で子犬がさらに小さくなっていったことを思い出した。
「まさかねぇ〜」
俺はまさかとは思いつつ、布団をめくった。
「まじか…」
そこには真っ白な
ハムスターがいた。
「チュウ!」
俺はしっかりと夢を思い出していた。
「お前元々子犬だったのか?」
「チュウ!」
「ってか、おれの言葉理解してる?」
「チュウ!」
ハムスターは小さい体で頷いていた。
「もしかした、昨日神様に会ってた?」
「チュウ!」
やはりあれは夢ではなかったのか…
「あれ?ってことは、君って聖獣なの?」
「チュウ!」
「すご…」
俺はどうやら聖獣をペットにしてしまったらしい。




