山菜取り
俺リーン・ルノエスは最近友達になったアーサー・カリバーに剣の稽古をみっちりさせられた。
こいつは剣のことしか頭にないのか…
そんな彼をなんとか説得できた俺は今山菜取りに家の裏の森に来ていた。
俺リーン・ルノエスは家の裏にある森に来ていた。
「お!これはイデだ!こっちはササハ!すごいこっちには!」
この世界の山菜は本でしっかり予習済みだ!
俺は沢山取れることが楽しくて夢中で山菜探しをしていた。
「なぁリーンこれは食べられるのか?」
「それは毒キノコだね、人間ならすぐに死ぬよ」
「ならこれはどうだ?」
「それは痺れ草だね。食べると一日中体が痺れて動けなくなるよ」
「そうか、ならこれは!?」
「ちょっと待っくれ!もしかして、食べれないことがわかってて聞いてる?」
「そんなことはない!真剣に探している!」
アーサーが持ってくるものはどれも毒があるものばかりだ!
さすがにここまで毒のものばかりピンポイントで見つけてくるとわざとやっているのではないかと疑ってしまう。
「ごめんごめん!わざとかと思っちゃって、あとそれは窒息草だから食べたから喉が腫れて、息ができなくなるよ」
「そうか、なら捨てておく」
俺は一旦辺りを見渡してみた。
「すごい…」
俺はどんなに探しても毒のある植物を見つけれないのに、アーサーが探すと毒のものしか出てこないのだ…
変なの
とりあえず俺は気にしないことにした。
「アーサーは山菜取りとかしたことあるの?」
「俺はこーゆーのはしたことはない。いつも剣の稽古をしているからな!」
「そっか…山菜取りは楽しめてる?」
いつも剣のことしか頭にない奴が山菜を取るのが楽しいのか…俺はふと気になってしまった。
「そうだな…リーンと一緒にできているから楽しいぞ!」
キャーー!
この子ったら俺を落とすつもりなのかしら?!
アーサーがそんなことを言ってくるとは思わず俺は驚きのあまり心が乙女になっていた。
「それならよかった!」
「リーンは楽しめていないのか?もしあれなら剣の稽古にするか?」
「いや!大丈夫だよ!これかなり楽しい!ずっとできるね!」
動揺しすぎて若干カタコトになってしまっていたが、なんとか誤魔化すことができた。
返答次第では今からまた稽古をさせられる羽目になっていたのか…
危ない危ない…
「あとリーンの家からかなり離れてしまったが大丈夫か?」
「それは安心して!ほらあそこだよ!」
「ほんとだな!」
俺の家はわかりやすくデカい為、多少遠くからでも見つけることができる。
「でも、もうそろそろ暗くなっちゃうし帰ろっか!」
「そうだな」
俺たちは家に帰ることにし、拾った山菜を集めていた。
すると奥の茂みからなにかの鳴き声が聞こえた。
クゥ~ン…
「リーン下がれ!」
アーサーはその音を聞いた瞬間に稽古で使っていた木刀を取り出し構えていた。
はやい…
俺はアーサーのあまりの動きの速さにびっくりしていた。
クゥ~ン
クゥ~ン
しかし、あの鳴き声は弱っているような鳴き方だ…
「アーサーちょっと待ってて!」
「おい!リーン!」
俺はその茂みの奥の生き物を見てびっくりした…
そこには
とても綺麗な白い毛を待つ
子犬がいた。




