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10億円寄付したら優遇転生してもらえました。  作者: ブロッコリーは芯のほうがうまい
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剣の心得

 俺リーン・ルノエスは無駄に元気でバカなアーサー・カリバーと友達になってしまった。

 アーサーは友達と剣の稽古をするの以外の考えがないらしく、俺は朝6時からの稽古をさせられてしまった。

 やっと終わったと気を抜いていた俺は、お昼過ぎに窓の外から素振りをしているアーサーを見つけてしまった。

 アーサーはこちらを見て素振りを続けている。


「元気すぎる…」


 俺は呆れていた。


「リーンは素振りをしに行かなくていいの?」


 ティア先生が若干笑いながら言ってきた。


「午後からできるとは話したけど、想像よりも早く来てますね…もうちょっとゆっくりご飯食べましょう」


 アーサーは素振りをしながら待ってくれているようだし、とりあえずゆっくりご飯を食べて時間稼ぎをしていた。


「ミートソースうま!」



 ご飯を食べ終えてしまった俺は仕方なくアーサーの元は向かった。


「お待たせアーサー、待っててくれたみたいだね。ありがとう」


「気にするな!いい練習時間になった!」


 こいつはどこまでいっても剣のことしか考えていないようだ。


 というか、一つのことにしか集中できないタイプなのかもしれない。


「午後といっても長いからさ、剣の稽古以外にも何かしようよ」


「リーンは何かしたいことがあるのか!?」


「ん〜」


 本当は特に何かしたいことがあるわけではないが、剣の稽古ばかりされたら倒れてしまうからな…


 それっぽい遊び…


「あ!森に山菜でも取りに行こうよ!」


「山菜?リーンは山菜が好きなのか?」


「ん〜…そうだね!好き」


 この世界で食べた記憶はあんまりないが、好きと答えておくことにした。


「それなら行こう!」


 アーサーが聞き入れてくれてよかった…


 俺はほっと息を吐いていた。


「では山菜取りの時間も考えて3時まで稽古ができるな!」


「まじで…?」



 ゆっくり食べたけどまだ1時だよ?!



 俺はまた剣の稽古2時間コースが始まった。



 クソーーー!!





 しかし、午後の稽古は思っていたものと違った。


「午後は剣の心得について説明をする!」


「うっす!」


 どうやら座学らしい。


 俺は庭の芝生に正座していた。


「リーン剣を使う上で大切なことはなんだと思うか?」


「ん〜強くなることかな?」


 この世界の武士道のようなものだろうか…


 俺はこの世界についてはそんなに知らない…ティア先生に教わっている最中だしな。



「リーン、それは正直重要ではない!」


「そうなんだ」


 興味がないと言ったら嘘になるが大人しく聞くことにした。



「剣の心得は大きく3つある」


 そう言うと3つの心得を教えてくれた。

「1つ、振るう相手を間違えない。これは守るべき相手、家族や市民を傷つけるような行動をしないこと、という意味だ」


「2つ、礼節を尊重する。剣士は礼儀がしっかりできていて、初めて一人前になれる。」


「3つ、直向きに努力をする。どんな天才でも努力のできない者は成長できない。英雄クーラスですら毎日剣の素振りを1万回しているという噂だ」



 こいつの性格はある意味武士道を真面目に受けてきたからこうなってしまったのか…


 1と3の心得は割とできていると思うが、2つ目の“礼節を尊重する”に関してはちょっと間違った方向にいっている気がしたが、今は黙っておこう。


 あと、たぶんクーラスはそんなに素振りわしていない…



「そっか!忘れないようにするよ!」


 色々思っていたが俺は剣の心得とやらを学び終わり、一安心していた。


「じゃ!山菜取りにいこうか!」


「よし!では話も終わったことだし!剣の素振りをしよう!」


 俺の話はやはり聞こえていないようだ。


 剣士の心得にうっすら都合の悪いことは聞こえないようにすると記載されているじゃないか?!


「午後は横向きの振り方をしっかりやっていこう!」


 アーサーは3時までしっかりと剣の稽古をつけてくれた…

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