うるせぇやつ
俺リーン・ルノエスは先日の事件をきっかけに父に続いて、母もかなり強い経歴を持っていることがわかった。
今日はそんな母とティータイムをしてのんびりすごす予定だ…
今日もいつもと変わらず午前の勉強タイムを終わらし、母ヘアラと午後のティータイムを過ごしていた。
俺はこのティータイムを気に入っている。
「今日はお紅茶と焼きたてのチョコクッキーを用意いたしました」
このメイドさんはミル・クルトさん料理はもちろんだが、お菓子作りをさせると天才的な才能を持っている。
「いただきまーす」
俺はチョコクッキーを一口たべた。
すると雷が落ちたかのような衝撃をうけた。
「うっんま!」
自分の舌を疑うレベルでうまい!
バニラクッキーをベースとしたクッキーはできたということもあり少し柔らかい印象。口に入れるとしっかりとした生地だった物がふわふわと溶けていくのを感じる。
しかもクッキーに散りばめられたチョコチップがアクセントとなり、柔らかい生地とは非対称にしっかりとした硬さで歯触りをよくしてくれる。
さらに!
チョコチップは中にも入っており、中のチョコはチョコソースかのようにドロドロに溶けている。
これがまたうまい!
「幸せ〜」
「ほんとミルが作るお菓子は天才的ね!」
ヘアラもミルが作ったお菓子が大好物らしくとても喜んでいた。
そんな優雅な午後を過ごしていると1人のお客さんが来たようだ。
「リーン様に可愛らしいお客様がお越しになられております」
執事のセンさんが呼びにきてくれた。
俺は可愛いお客様と言われてクララの方だと思い急いで表に向かった…
「クララ!おまた…せ?」
そこには偉そうな顔をしたアーサー・カリバーがいた。
「おいお前!この前俺を探すのを手伝ってくれたみたいだな!その行動を讃え俺の子分にしてやる!」
ガチャン!
俺は勢いよく扉を閉めた。
「センさんあの子供は追い返しておいて」
「いいんですか?」
「気になさらず」
そういうとセンさんは困りながらも追い返してくれた。
「助けてもらったくせに、なんで生意気なガキなんだ!」
俺は少しイライラしつつティータイムに戻って行った。
…
次の日
また俺のティータイムを邪魔する奴が来た
そう
アーサーである。
「お前昨日はなぜ扉を閉めた!今日こそ俺の子分にな」
俺はアーサーの話を遮るかのようにまた扉を閉めた。
「センさんあとはお任せしました!」
俺ははスキップをしてティータイムに戻った!
今日はアップルパイを作ってくれていた!
「シナモンの香りが食欲をそそる〜」
…
そしてまた次の日
こりもせずまたアーサーが来ていた。
「おいお前!何度でも俺は来るぞ!俺の子分になれ!」
さすがに3度目ともなるとイライラがやばいと思った俺はちゃんと戦うことにした。
「君アーサーだよね」
「そうだ!6歳で魔法を使える天才少年だ!ワッハッハッハ!」
笑い方が完璧にバカなやつだ…
「君の子分になろうなんて思わないし、助けた相手にそれは失礼だってこと理解した方がいいぞ?」
「俺はちゃんと感謝をしているぞ!だから、子分にしてやると言ってるのだ!」
「子分ってのは君より下になってなんでも言うことを聞けって意味にもなるし、助けた相手に対して言うべきことじゃない。君みたいに失礼なやつの子分になんか絶対ならないよ」
「難しいことを言っているようだな!では子分にならないというなら友達になろうではないか!」
「友達かぁ…」
「ま!考えておくよ!じゃ!」
俺はそう言うとスキップをしてティータイムに向かっていた。
今日は大好きなチーズケーキ!
そう思い庭に行くと、そこにはアーサーがいた。
「おい!リーンくん!助けてくれた女性は君の母だったのか!なおさら友達になろう!」
そう言いながらアーサーは俺のチーズケーキを食べていた。
「絶対許さん!」
それから俺の悪夢のような日々が始まった。




