マイダディ イズ バッド
俺はブレイバリーの世界にリーン・ルノエスとして転生をした。
早1ヶ月経とうとしている。
リーン・ルノエスとしてこの世に誕生して早1ヶ月が経っていた。
まだ視界は若干悪いものの、耳と頭はいいらしくほとんどの言葉を理解していた。
両親の話を聞いて一つわかった方がある。
どうやらこの家にはあまりお金がないらしい。
なぜだ?
俺は幸運レベルが高いはずなのに、なぜか生まれる家は貧乏ときた。
「タマちゃんなんか間違えちゃってるんじゃないの〜」
そんなことを考えていたら急にドアを叩く音が聞こえた。
「ドンドンドン」
すごい音だ俺以外の赤ん坊なら泣いていたぞ!
そう思っていると父クーラスが扉を開けた。
「なんだいなんだい、急に人の家のドアを壊すつもりか!」
落ち着いているがどこか怒っている様子のクーラス。
「失礼する」
そこには中世ヨーロッパの騎士が着るような鎧に身を包んだ茶色い髭のおっさんがいた。
「私はリグ・アームズ。国王陛下の名によりこの土地をお譲りいただけないかとの相談に来た」
「どういうことだ?説明してくれ」
父とリグさんの話はこうだ
ルノエス家が国に下ろしている野菜の魔力が高く、食べた者の魔力が上昇し基礎能力が上がったらしい。
その理由はどうやら土地自体の魔力が高くここに住むだけでパワーが上がるということだ。
「なるほど、最強だ」
しかし、クーラスは悩んでいた。
自分の妻であるヘアラとの思い出が沢山詰まった家だ
そう簡単には渡すことはできない。
「すまないが、やはり譲ることはできない。」
「そうですか...しかし、国王の名ですからな。」
リグさんもいい人らしく困っていた。
2人が悩んでいるとヘアラが2階から降りてきた。
「何があったの?」
「実は...」
ヘアラは話を聞き、少し怒っているのではないかと思うような顔で口を開いた。
「リグさんいくら出せるんですか?」
「畑はかなりの大きさがある金貨100枚は出してもらえるでしょう」
「なるほど、その金額では無理ですね。その3倍は出していただかないと困ります」
ヘアラがすごい金額をふっかけているということだけは赤ちゃんの俺でもわかるぜ。
さすがマイマザー!!
「ちょっと私の一存では決めかねます...しかし、お譲りいただけるのであれば 前向きに返答できるように国王に掛け合ってみます。」
こんな一般市民から取り上げるのではなく、こちらの意見を尊重してくれるなんて、俺はいい国に住んでいるな。
とは言え、やはりすぐには決めることができる金額ではないため、またリグさんがきてくれるそうだ。
「ありがとうございます。またすぐに来ますので少々お待ちください」
そう言ってリグさんは家を出て行った。
「ヘアラあの金額本気で言ってるのか?」
「本気も本気よ!」
「金貨300枚なんか手にしたら俺ら貴族になっちゃうぞ」
クーラスの発言でなんとなく思っていたものが確信に変わった。
やはりヘアラはとんでもない金額を要求していたようだ。
「そんなことないわよ!私は本気」
「金貨300枚手に入ったらこの子を安心して育てれるし、お金はある分には困らないでしょ」
「確かにな...ま!持ってくるわけないか!」
そういうとクーラスは大きく笑っていた。
しかし、俺はその逆を考えているかのような笑い方をしているヘアラの方が気になっていた。
「もし持ってきたら、いい家を作りましょ」
「そうだな!はははは!」
そして10日が過ぎたある日。
大きな馬車とその護衛たちがゾロゾロとうちの家にやってきた。
クーラスは泡を拭きこの世の終わりのような顔をしていた。
一方でヘアラは悪い笑みを浮かべていた。
「やっときたわね」
母はやはり来ることをわかっていたようだ。
タイトルはふと思いついたアーティストのオマージュですが、この話ではほぼ使い物にならない父親という意味としてタイトルをつけたんです。