ヘアラ過去編2
俺リーン・ルノエスの母、ヘアラ・ルノエスは洗礼の儀式の後攫われた少年を助けに向かっていた。
一方で俺とクララはアボさんから過去のヘアラについて話を聞いていた。
ヘアラがアボさんとクーラスに初めて出会った時
ヘアラはモンスターだと思われていた!
「うぉーーーー!」
2人は全く意味がわからなかった。
「なんで娘さんは叫ばれているんですか…?」
「それがよくわからないんですが、'時計を取り戻す'と毎日叫び回っているんです」
「なるほど…」
アボさんとマンダー教会の神父様がなんとも言えない空気で話していた。
「おい!君!教会では叫ぶとかじゃないぞ!」
クーラスは謎の正義感から注意をしていた。
「あんた誰?」
「俺はクーラス・ルノエスだ!よろしくな!」
「あっそ…それよりこのハエどうにかしてよ!最近多くて…鬱陶しい」
「ん?ハエか?ならこれで…ビリビリ」
「ちょっと待った!クーラス!」
「サンダーーー」
クーラスはアボさんに止められているのに気が付かずハエを電気で燃やしていた。
「どうしたアボット!そんなに大声出して!」
「あぁ、手掛かりだったかもしれないのに…」
「まぁいい。こっちに戻れクーラス」
そう言うとアボさんは話し始めた。
「たぶんですが今回の犯人は七欲の悪魔の1人"ベルゼフライ"だと思われます」
「マジかよ!アボット!早く言えよ!」
「今回は言わなかった俺が悪い…」
「手がかりが…」
クーラスはハエを殺したことを後悔していた。
「すみません、私はあまり詳しくないので教えていただければ…」
「神父様のクセに魔族のことも知らねぇーんだな」
「…」
「やめなさいクーラス!」
「バカが失礼なことを言ってしまい申し訳ありません」
「いえいえ、それでその七欲の悪魔というのは?」
そこからアボさんの説明が始まった。
「七欲の悪魔とはこの世の欲から生まれたと言われている悪魔です。傲慢、嫉妬、憤怒、怠惰、強欲、色欲。そして、ベルゼフライの暴食。
この7つの欲から人間が生み出してしまったと言われています。
この7つの欲にはそれぞれ代表的な魔族が存在してます」
「ま、待ってくれ!何故そのベルゼフライが取ったと言い切れるんだね!」
「あの時計が一瞬にして無くなったというふうに私はお聞きしております」
「実は以前にも似たような事件があったんです」
「そうなのか…」
「ベルゼフライは大きな建物なんかでも一瞬にして口の中に入れることができるスキルを持っています。今回の一件もそのスキルによるものかと思います」
「なるほど…」
「ご安心くださいベルゼフライは食べているわけではなくお腹の中にコレクションしているだけですから!」
「はい…」
「そいつを捕まえる為に少々お時間をいただきます」
「わかりました」
そう話すとアボさんとクーラスの捜索が始まった。




