誘拐事件
俺リーン・ルノエスは2つ上の友人、クララ・ナーポの洗礼の儀式を見にきていた。
優秀なクララが誘拐されないかと心配していたところ、別の子が誘拐されてしまった。
目の前で人が攫われてしまったが、助けるべきなのだろうか。
俺は自分で追いかける理由がないと思ってしまったため、神父のアボさんといつぞやの冒険者ギルドのお偉いさんに報告をしておいた。
「クララお待たせ!」
「あの攫われた子大丈夫かな?」
クララはあの男の子が心配らしい。
優しいのはいいが少し嫉妬してしまう。
「もし何か手掛かりがあったら報告するくらいでいいんだよ!僕ら子供だし!」
「そうかな…」
何故かクララがすごい心配している。
しかし、実際子供がどうにかできる問題ではない。
大人に任せるのが一番いい解決策である。
あまりにもクララが心配しているので、俺は母ヘアラに相談してみた。
「そっか〜、子供だけじゃ危ないもんね」
「うん。だからクララには諦めてもらいたくて…」
「よし!じゃあママと一緒に探そっか!」
ヘアラからの謎提案をされてしまった。
「ママね、人とか探すの得意なんだ!」
「え!でも、攫わられた子の名前も僕らわかってないし…」
「あの子、たぶんカリバーの家の子でしょ!」
ヘアラは既にあの男の子のことを知っているらしく、尚更ノリノリになっていた!
「面白そうだし、犯人探そうか!」
母の一声で捜索が始まった。
色んな人に聞き回っていると、それっぽい情報が入ってきた。
「さっきスキンヘッドの男が大きい荷物をフードを被った背の高い人に渡していたわよ」
有力な情報だ。
俺たちはすぐ、その取引をしていた場所へ向かった。
「ここらしいんだけど…いないわね」
ヘアラはまだノリノリで探している。
「あ、あの人…」
クララが何かを指さしている。
俺はその指の先を辿り見てみた。
「あ…」
そこには呑気に酒盛りをしている誘拐犯2人がいた。
「あいつらだ!」
ヘアラはそれを聞くと途端にそいつらに向かって走り出した。
「おぅりゃー!」
バコーン!
ヘアラは高く飛び
そして
盗賊2人にドロップキックをくらわせた。
「カリバーの息子をどうしたの!」
スキンヘッドの胸ぐらを掴んでヘアラはキレ気味に質問をしていた。
「あ…あいつなら…」
「さっさと言わないと奥歯から順番に抜いていくわよ!」
独特の脅迫をヘアラはしていた。
「あいつならもう売っちまったよ…」
「誰に!?」
「ヴァンパイアロードだよ」
どうやらこいつらはあの男の子を魔族に売ったらしい。
魔族の中でもヴァンパイアの一族は奴隷にする黒の魔法を使う種族らしく、急がなければカリバーの息子が奴隷として闇市に売られてしまう。
と、遅れてきた冒険者ギルドのお偉いさんが言ってた。
「それなら、私が行くわ」
ヘアラはすでに助けに行く気満々だった。
「クララちゃん安心してね!私がしっかりと助けてくるから」
そういうと、ヘアラは私服のまま助けに向かったのであった。




