年上のお姉さん
俺リーン・ルノエスは初めての友達クララ・ナーポとを助けたことをきっかけにとても仲良くなっていた。
そんなクララに魔法を教えてくれと頼まれた俺は魔力があるかを確認するため、魔力測定器を使った。
諦めてもらうために使ったのに、クララは既に魔力が発現していた。
俺は今、衝撃を受けていた。
目の前にいる同い年くらいのクララが、すでに魔力を発現していたからである。
この世界では10歳から魔法が発言すると言われており、俺と同じくらい。つまり3歳くらいで魔力が発現するというのは大ニュースである。
しかし、これは喜ばしいことかもしれない。
自分1人が特別というのはどこかで孤独を感じなければいけない。
そういう意味ではクララの存在は大きい。
「すごいよクララ!」
「えへへ。」
クララはとても嬉しそうであった。
しかし、俺は勝手に友達と名乗っているが、クララのことをそんなに知らない...
そう思った俺はクララに色々質問することにした!
「クララ!色々質問とかしてもいいかな?」
「うん。」
「クララのお母さんは今どうしているの?」
「お母さんは2年前病気で死んじゃった。」
「そっか。嫌な質問をしてごめんね」
一発目の質問から無神経なことを聞いてしまった。
流石にアホすぎて反省だ。
友達とはいて、いきなりこんなことを聞くべきではなかった。
「ううん。大丈夫」
「今はアボさんの教会に住んでいるんだよね」
「うん」
あの事件でクララの父ダスは死んでしまった。
ダスを殺したのは俺ということもあり、少なからず申し訳なさを感じていた。
「ごめんね、俺がお父さんを…」
「謝らないで!あんな親、生きてたら本当に殺されてた。リーンは私を守ってくれた」
「…ありがとう」
俺はクララの言葉で少しだけ気持ちが軽くなった。
気持ちが昂っていたとはいえ人1人殺してしまったのだ、普通のメンタルではない。
「リーン。本当に私は感謝してる。気にしないで!」
「わかった」
最初に出会った頃はこんなに人のことを考えれるような子ではなかった。
クララは知らないうちに大きく変わっていのだ。
「じゃあ、別の質問するね!」
「うん!」
クララに感謝をしつつ別の質問を始めた。
「クララって今何歳なの?」
「5歳だよ!」
「え!そうなの!」
勝手に同い年だと思っていたが、どうやら少しだけ上だったようだ。
5歳で魔法を発現するというのは早いのか?正直よくわからない。
しかし、一般的に10歳までにと言われていることを考えると、やはり早い方であると思う。
「5歳で魔法が発現するなんて凄いよ!」
「そうかな…私にはよくわからない」
クララは周りに魔法を使う人も少なかったのかもしれない。
また、5歳で使えるからすごい!というのは俺にその知識があるからこそ思えている部分が大きい。
そう思った俺は魔法発現の平均年齢についてクララに教えてあげた。
「そうなんだ…私には魔法の才能が…」
「そう。でも覚えておいて。魔法は簡単に人を傷つけるんだ。だから、決して悪いことに使わないと誓ってくれ」
魔法は武器と同じだ。
簡単に人を殺すことだってできてしまう。
今のクララがそんなことをするとは思わないが、元々は暴力で解決してしまう癖があった子だ。
'感情的になったから魔法を使った'では俺が困る。
若干ブーメランになることを考えていた俺は少しダメージを受けていた。
「誓う」
「私は決して人を傷つけるために魔法を使わない」
「わかってくれたらいいんだ!」
「じゃあ後はいつやるかだね、アボさんと住むってことは修道女みたいな感じ?それとも教会見習いって感じになってるのかな?もしそうならいつが来れそう?」
「たぶん私は孤児院に入っているだけだから、神父様に許可をいただければいつでも来れると思う」
「そっか、なら毎週日曜日はティア先生もお休みだし、そこで魔法を練習しよ」
「うん!」
俺とクララは次の予定を決めてお別れをした。




