君の魔法
俺リーン・ルノエスは初めての友達クララ・ナーポを失い、悲しみに暮れていた。
しかし、クララは神父のアボット・ライエントさんの力により元気な姿に戻っていた。
そして、今クララからお話があると呼び出されていた。
今俺はクララに話があると言われ部屋で2人きりになっている。
この世界の俺はイケメンだからな...
俺は告白される覚悟ができていた。
「あの...リーン...」
「うん...」
なんとも言えない緊張感がある。
ここまで来ると逆に俺が告白した方がいいのか?
そんな余計なことを考えているとクララが話し始めた。
「リーンってさ、魔法使ってたよね」
「?!?!」
やばい。
魔法を使えることがバレている。
「え...あ...え?」
告白されると思い込んでいた俺は動揺を抑えらず否定すらうまくできていない。
「私、見たの」
刑事ドラマのような証言が始まってしまうのか...
「リーンが私をヒールで治してくれてたんだよね...」
「う...うん。」
もう隠すことは無理だと思い、俺は認めてしまった。
「私ね…意識が無くなって行く中で、リーンが体を治してくれてたのなんかわかったの...それで、リーンにお願いがあるの…」
「私に回復魔法を教えて!」
クララは真剣な眼差しで俺の方を見ている。
俺はできるだけその気持ちに答えてあげたいと思っているが、実際問題魔法を使えるようになるのは一般的に10歳からと言われている。
それを俺と同じくらいのクララが使おうというのだ。
難しい問題だ。
魔法を使いたい気持ちはわかるが、魔力が芽生えていない為そもそも使うことはできないのだ。
「クララって今魔法使えるの?」
「使ったことない!」
「じゃあ、魔法を使うのは難しいと思うよ...」
「そんなのわかんないじゃない!」
「魔力の発動にはね、そもそも魔力が芽生えてないといけないんだよ。一般的には10歳になったら使えるって言われてるし…」
「でも、リーンは使えてるじゃん」
「俺は珍しいパターンというか…」
「そうだ!」
俺はティア先生が魔力を測定するために使っている魔道具を思い出した。
「ちょっと待ってて!」
そう言うと俺は先生の部屋に行き魔力測定器を借りてきた。
「これでたぶんわかると思うよ」
これは四角形の箱に何枚もの魔法陣が書かれている板が入っている。
触ったものの魔力量に合わせて、だんだんと上から下に向かって魔法陣が光るというものだ。
魔力がなければそもそも光もしない。
「これに手を当ててみて、もし光るようだったら魔力がある。光らなかったらまだ魔力が発現してないから魔法を教えることはできないんだ」
俺はこれを見れば諦めてもらえると思って持ってきた。
しかし、クララは違った。
ドキドキしているが、自分を信じている目をしている。
「わかった」
クララはゆっくりと魔力測定器に手を当てた。
そして、
なにも起こらなかった。
「残念だけど、やっぱりまだ魔力が...」
そう俺が話すと最初の魔法陣が少しずつ光始めた。
「まじか...」
俺は言葉を失っていた。
「やったー!やったー!」
「これで魔法教えてくれるんだよね!」
「う…うん…」
俺はクララに魔法を教えることになった。




