フッ軽女神。
俺山岡 源【やまおか げん】はスマホを使って寄付をしていのを最後にどうやら死んでしまったらしい。
「ど、どうも」
「やっと目が覚めたようね」
「はい...」
目の前には翼の生えた白髪の美女がいた。
「私は転生の女神タマです。あなたは死ぬ間際に善良な行いをしたことにより転生ボーナスをえることができます。」
「タマちゃん...え!転生ボーナス!?」
「うるさい」
女神はタマちゃんという名前らしい。猫につけるような名前で思わず笑ってしまいそうだ
タマちゃんが若干不機嫌になりつつ話を進める
「いろんなタイプの転生が行えますがどんなのがいい?」
「どんなのって種類あるんですか?」
「まずは転生する先を選んで」
どうやら転生する先がいくつかあるようだ。
「魔法を使えるような世界にいくことはできますか?」
「行くことはできるけど...おすすめはしないよ」
「いやいやなんでですか!楽しい世界に俺いきたいです」
「魔法を使えるのは楽しいけどさぁ〜、あんた地球出身でしょ?」
「なんか口調変わった?」
タマちゃんはどうやら無理をしていたようだ。
『あんた』なんて言い方してきているのだ、日頃から敬語など使っていないのに頑張ってくれていたんだ。
俺はそう思いながら心で頷いた。
「地球出身の人はことごとく後悔してるよ」
「なんでですか?絶対楽しいでしょ!」
「あんたのいる世界ってのは文明が進んでだいぶ楽な生活してるのよ」
「でも魔法を使えるなら問題ないと思うんですが」
魔法のある世界だ多少のことは魔法で解決できるだろうと思った。
しかし、甘かった。女神の話を聞いて俺は話を理解した。
「魔法を使える世界はほとんどのことを魔法で完結させようとしてるの。そしてみんな記憶を消して転生するから楽しいだなんて思わないわ」
あ、記憶消される系か、確かにそれはきつそうだ。
「記憶を持ったまま転生はできないんですか?」
「できるよ、ただ条件が厳しいの」
「条件?それってなんですか?」
「1億の寄付よ」
「なるほど寄付ですか、、、」
「1億?!?!」
え!?
たか!!
しかし、ここで俺はなんとなくわかった。
「ってことは俺は?」
「あんたは10億寄付したでしょ?だから色々もらえるわよ」
やっとここまで話が進んだと言わんばかりの口調でこちらを見るタマちゃん。
すまんね、俺は死んだばかりだ許してくれ。
「で、」
「結局魔法の世界はおすすめしないけど、どこに行く?」
「他には何がありますか?」
「元の世界に行くこともOK、寄付金1億につき1つ願いが叶うから、10個願いが叶うわよ〜」
タマちゃんはもうお友達感覚で話してくる。
「大企業の跡取り息子にもなれるし、超ラッキーマンにだってなれるんだから!」
「本当ですか?!」
俺はどうやら凄いことを手にしていると実感し始めた。
10億寄付することができたあのスマホに感謝。
いろんなことを考えたが俺の心は決まっていた。
「魔法の使える世界ならどこでも行ってみたいです」
「あっそ!ならここにしなさい」
「剣と魔法の世界ブレイバリーよ」
「ブレイバリー?」
「生きていくには大変だけどあんたならどうにかなるでしょ」
「どんなスキルが必要ですか?」
「どうにでもなると思うけど、魔法使いたいなら魔力多めの方がいいんじゃない」
「ならそれで」
わりと軽いノリで話が進んでいく。
「あとは限界突破かな」
「なんすかそれ!グ◯◯◯ガンてきな?」
「よくわかんないけどそんなのよ!普通の人は魔力を伸ばすのに限界があるの、それをなくす感じ」
「おぉ!素晴らしい!あとはなにかいいものありますか?」
「運気を上げとけば?」
「確かに事故で死ぬとかいやですからね!じゃあ運気もあげてください」
「どのくらい上げとく?」
「事故死しない程度で」
「そっかそのくらい運気あげるのは中々大変だから3億分くらいかかるけど大丈夫?」
「問題ないです」
俺は迷うことなどなかった。
中途半端な運で14億当てたのに結局豪遊することもできずに死んでしまったのだ。
次の人生はそんな終わりを迎えたくない。
でもあれだな。
10億円分寄付して死んだおかげで実質繰越みたいなこと起きてるからまぁまぁ運はいいのか?
いや使えてないんだからよくないか。
彼女もできなかったし....
「は!」
「女神様。あと僕の次の人生はイケメンにしてください」
俺は生前、彼女というものに運がなかった。
低所得というのもあるがひたすらにモテなかったし
バイトのJKの匂いをクンカクンカすることくらいにしか俺にはできなかった。
今度はクンカクンカするんじゃなく彼女が欲しい!
「イケメンってどんな感じのイケメンよ」
「イケメンってその人の主観でしょ?」
「金髪で目がクリクリ二重で小顔だけど高身長、ちょっと筋肉質で鼻は高く眉毛がキリッとしてる感じで!」
「あ!あとあそこもそれなりに大きくしてください!デカすぎない感じで」
タマちゃんは若干ひきつった顔をしながらも了承してくれた。
「あとさっき話してて必要だと思ったので、記憶を持ったまま転生したいです」
「余裕あるしありだよねぇ〜」
記憶を持って転生するというのはよくあるネタだがここまでも転生の恩恵として必要な要素だとは考えなかった。
あの話がなければ記憶も持たずにただイケメンに転生してしまうところだったのか....
まぁそれでもいいけど。
「俺はこれだけ叶えて貰えばもう充分です」
「あらそう?あと4億円分は使わなくてええの?」
「大丈夫です!」
「そうなのねなら1億円分使って私とたまに会話できるようにしてあげるよ」
「あ、ありがとうございます」
「話す時に残りの3億円分のギフトつけてあげるから」
なんとこのタマちゃん。繰り越しもしてくれる女神らしい。
なんて素晴らしい人なんでしょう
「これで大丈夫そうです」
「そうね!次の世界も楽しんでね!」
「はい」
「行ってきます!」
こうして俺はブレイバリーという世界に転生した。