白と黒
とうとう家庭教師ティアに魔法を教えてもらうことができたリーン
魔道具や魔族の存在をしりワクワクしている。今日は何を教わるのか!
ティアに白魔法を教えてもらうべく、庭に移動をした。
「せんせい、しろまほう、たのしみ」
「任せてください!それではまず最初に」
「ウィンド」
「この木を少し削りました」
「ここを治してみようと思います」
「ヒール」
ティア先生が唱えると黄色く輝く光ががずれた部分を元に戻していく。
「す!すごーーい」
俺は大興奮だ!
治療魔法を覚えれば、冒険だって簡単にできてしまいそうだ。
「次は身体強化の魔法をお見せしますね」
「ストロング」
そういうと先生の体は白く光りだした。
通常よりも1.5倍の身体強化になっているらしい。
また、さらにパワーを上げることも可能で2倍3倍とできるが、魔力の消費も激しいようだ。
「じゃあ次で最後にしますね」
「はい!」
「これは魔力の痕跡を見ることができる魔法です」
「あ...」
びっくりしてしまい思わず声を出してしまった。
この魔法は以前ヘアラが俺の使った水魔法を使ったのがバレた時の魔法だ。
「どうかしましたか?」
「い、いえ。何もないです」
「そうですか、ではいきますね」
「サーチアイ」
ティア先生が唱えると先生の両目が白く光っていた。
間違いないヘアナが使っていたのはこれだった。
「この魔法、リーン様から見たらただ目が光ってるだけですね」
「ティア先生。ぼくのことはリーンでいいですよ様はつけないでください」
「いやいや、僕は雇われの身ですし、様をつけなければ」
「ぼくはリーンってよばれたいです」
「...わかりました」
先生に様をつけられるのは気持ちの悪い物だ、これで心置きなく質問もできる。
「ティア先生!ぼくさっきのらまほうつかってみたいです!」
「そうですか、ではやってみましょう」
先生は笑顔で答えてくれた。
そして、俺は'サーチアイ'を簡単に習得することができた。たしかにさっきの木から白い糸が先生に伸びていた。しかし時間が経つにつれ、魔法糸の繋がりは薄れていっていた。
先生の話によると魔法は使った後、一定の繋がりを持ったまま痕跡を残すらしい。
そんなこととは知らず、魔法の練習をこっそりやっていたと思うと自分が少し恥ずかしく思えた。
「白魔法はこんなところですね。部屋に戻って黒魔法の説明をします」
「はい!」
部屋に戻った俺は黒魔法についての勉強が始まった。
「黒魔法は魔族が作った魔法とお伝えしましたが、人間がそれを使うことはあまり良しとされていません」
「くにが、きんしにしてるの?」
「いえ、禁止というわけではありません。国によっては禁止の魔法もありますが、基本はモラルの問題という感じですね」
なるほど、どんな魔法があるかわからないが使っていいのか。
この世界そーゆーところはゆるいな...
「まず有名な魔法をいくつか紹介します」
「1つ目が奴隷の魔法です」
「なにそれ...」
「魔族が人間を奴隷にするために作り出した魔法です。発動条件や魔力の問題からなかなか使える人はいませんが、一度奴隷になった者は魔法を解いても簡単にまた奴隷にされてしまいます」
「こわ...」
「しかし、これは動物にも使うことができるため禁止にしていない国が多くありますが、人間に使うことはこの国では禁止されています」
世界はゆるいがこの国はまともだな。
ビートとかいった国王を少し見直した。
その後もいろいろな話をしてくれた。
魔法とは不思議な物だ、しれば知るほど面白い物だ。




