私の子、天才です
俺リーン・ルノエスはドラゴンのある世界と知り魔法を習得すべく練習をしていた。
しかし、それを母ヘアラにバレてしまった。
殺されてしまう...誰か...助けて...
母ヘアラに魔法を使ったことがバレてしまった。
それはいい
それはいいんだが...
今俺は壁際まで追い込まれている。
母が人を殺すような覇気をまとって近づいてくるのだ...
「マ、ママ...?」
「リーン、この水 あなたが出したのね?」
「い、いや...」
「嘘をついても無駄よ」
「え...」
「ママは見たらわかるのよ。正直に話しなさい」
「ひ、ひぇ〜」
俺は話してしまった。
本が読めるようになっていたこと。
魔法の本を勝手に読んだこと。
そして、本の魔法に書いてある5属性の魔法全てを使ったことを...
「ご、ごめんなさい」
「リーン」
「はい」
「5属性魔法全て使ったの?」
「は、はい!」
「ほんとに?全部使えたの?」
「う...うん」
そう聞くと、ヘアラはすぐに俺を抱えて一階のリビングでくつろいでいるクーラスのもとへ向かった。
「パパ、大変よ!!」
「どうした!?」
クーラスは不審者でも入ってきたの思ったのか、険しい顔をして臨戦体制に入っていた。
気が早すぎる。
さすが!もと英雄!と、いじってやりたい気持ちだが、俺にも余裕はない。
ヘアラは真剣な顔をしてクーラスを見つめている。
「この子、魔法が使えるの!」
「え...」
「ママ落ち着いて、リーンはこの前一歳になったばかりだぞ」
「嘘じゃないわ、リーンが水魔法で桶に水を溜めていたの。魔力の痕跡もあったから間違いないわ」
「ほ...ほんとに?ほんとに!」
両親空気が止まった。
やはり良くないことをしてしまっていたらしい...
もしかしたら捨てられる?
いやいや、流石にそれはないか。
でももし捨てられたら...
そんな不安はすぐになくなった。
「すごいじゃないかリーン」
「えぇ!もう、ほんと天才よ!さすが私の息子だわ」
「何言ってんだ俺の息子だからだろ」
「パパが変なこと言ってるね〜」
「おいおいやめろよ〜」
俺の心配していたことが嘘だったのかと思うくらい2人は喜んでくれていた。
「あとこの子文字も読めるみたいよ」
「マジかよほんとに天才だな!」
隠し事が色々バレてきている。
転生してきたということだけは絶対に言わない。
俺はそう心に決めた。
ヘアラはそのあと俺が5属性魔法全てを使えることをクーラスに話し、今後について相談していた。
さすがに歴史上最速で魔法が使えたのが3歳なのに1歳になったばかりの息子が使えるようになったのだ。
普通に考えたら危険である。
「誘拐される危険も考えて魔法の家庭教師はあえてつけずに教えていこう」
「そうね。何かあってからじゃ遅いわ」
「私がある程度教えれるように頑張る」
ヘアラは魔法レベルは高いらしいが人に教えるのが苦手と言っている。
「あと絶対に外で魔法を使わせないようにしましょう」
「そうだな。前の家と違ってここは人も多い」
「わかったわねリーン」
2人が口を揃えて言ってきた。
流石の俺でもわかっている...
たぶん。
ヘアラは元々魔法を子供達に教えようとしたこともあったが、教えるのはどうやら下手らしい。
なぜだ、こんなに強そうなのに...




