ベンおじさん 5
俺リーン・ルノエスはアンおばさんの家を出発し、ビート・ウッド王国へ向かっていた。
道中でベンおじさんの話を聞けることになった。
ベンおじさんは水神様が無くしたドラゴンハートについて聞いていた。
「無くしたって…水龍は怒ってないんですか?」
「どうだろな。水龍は俺がドラゴンハートと分けた時から大人しくなっちゃったからね。言い返してくるようなことはないんだよ」
「そうですか…」
「でも、さすがに見つけないと可哀想だからね死ぬ前までには見つけてあげるつもりだよ」
ベンさんはその話を聞き少し疑問が生まれた。
「それっていつから探されてるんですか?」
「どのくらいだろうな。ワシが58の時だから15年くらい前の話かな」
「15年!?」
ベンさんはそんな長く探しているのかと驚きを隠さなかった。
「じゃあ、このダンジョンを15年探し続けていると…」
「そうなるな。早いもんでそんなに経ってるとは」
ベンさんはあまりにも長い月日をここで過ごしている水神にどうにか力になってあげたいと思い一つの提案をした。
「もし水神様がよろしければ、僕にそのドラゴンハートを探す手伝いをさせてください」
「いいのか?」
「ええ!もちろんです。しかし、一つお願いがありまして…」
「どんな願いだい?」
「僕に魔法を教えてください!」
「そんなことか!よいよい。何でも教えてやる!」
「ありがとうございます」
その日からベンさんは毎日そのダンジョンへと足を運んだ。
「おはようございます!今日もよろしくお願いします!」
「元気だね!今日もよろしく」
ベンさんは最初の3時間ほどダンジョンの中でドラゴンハートを探索を行う。
「今日もドラゴンハート見つからなかったですね…」
「15年探しているからね。そんな簡単には見つからないよ」
いつものように全く見つかる気配はなく、午後から水神様から簡単な魔法を教えてもらっていた。
「ベン、君は水魔法だけはできるが他は本当に何も使えないんだな」
「はい。お恥ずかしながら…」
「いやいや、ワシと少し似てると思ってな!ワシも実は水魔法くらいしか相性がいいのがなかったんだよ」
「そうなんですか?」
「ワシが水神と呼ばれるようになったのは水龍を倒したからというのもあるが、元々は水魔法しか使えない残念な人間だったのだよ」
「残念だなんて!水神様はすごい方です!」
「ありがとな…しかし、ワシは国を滅ぼしたことなどないし、皆が思っているような強者ではない。水龍が滅ぼした国をワシが勝手にやったと勘違いした奴らに、濡れ衣を着せられただけなんだよ」
「でも、やっぱり水龍を倒せるだけの力があるってことですし、水神様はやっぱりすごい人です」
「倒せたのは相性のいい魔法が使えたからだよ」
「相性のいい魔法?」
「あぁ、今日から教えようと思っていた魔法だ」
「そんな魔法が…」
「白魔法については前に教えたな?」
「はい。大体は理解しました」
「今日はその白魔法“ホワイトソード”について説明をしよう」




