ベンおじさん 4
俺リーン・ルノエスはアンおばさんの家を出発し、ビート・ウッド王国へ向かっていた。
道中でベンおじさんの話を聞けることになった。
ベンさんはかつて水神とまだ言われていたポン・セイドに命を救われ、ダンジョンを無事脱出していた。
「そういえば、ポンさんは何でダンジョンにいたんですか?」
「あそこのダンジョンはたまに珍しい鉱石が手に入るんだよ」
「鉱石?」
「鉱石といっても大したもんじゃないがな、物によってはいい小遣い稼ぎになるんだよ」
「なるほど…」
ベンさんはノホホンとしたポンさんを見て何となく納得してしまいそうになった。
「いやいや、水神様が小銭稼ぎなんて…普通にダンジョン攻略していけばもっと稼げるじゃないですか!」
「稼げるのは間違いなく攻略だろうな。しかし、ワシには見つけなければいけない鉱石があるのだよ」
「見つけなきゃいけない鉱石?」
「あぁ、それは龍の心臓“ドラゴンハート”という鉱石…」
「ドラゴンハート!?」
ベンさんは全く聞き覚えのない鉱石に少しだけ興味を持った。
「それはどーゆーところに価値があるんですか?!」
「普通の人からしたら変な形をした綺麗な石くらいにしか見えんだろうな」
「しかし、ワシにはとても価値がある…いや、とても大切なものなんだよ」
「それはいったい…」
そういうと水神様は真剣な目をしていた。
「それはな、ワシが使ったかった魔法“水龍の召喚”が関係しとる」
「水龍の召喚?」
「さっき見せた魔法だよ」
「あぁ、さっきの…」
「あれは元々水龍として生きていたものを魔法で無理やりあの形にしてしまったんだ」
「どういうことですか?」
そこから水神様は簡単に説明をしてくれたらしい。
水龍は雨を降らせる龍として有名だったのだが、ある日一つの国から全く動かなくなってしまった。
そこにはとても可愛らしい少女が1人住んでいた。
龍はその少女に恋をしてしまったそうだ。
しかし、龍が恋に落ちた国は雨が降り続き、最後には国全てが水没してしまった。
そこへ当時冒険者として名を馳せていたポンさんが現れた。
この国の周辺諸国は砂漠だらけになっていた。
それは水龍がこの周辺諸国に降るはずだった雨を全て吸収し、この国に留まることで他の国へ雨が降らないようにしてしまったためである。
ポンさんはこの事件を解決して欲しいと冒険者ギルドから頼まれ、龍を退治することにした。
しかし、龍は不死身の体を持っており思うように倒すことができなかった。
戦いと末最終的にポンさんは水龍を封印する方法を取り、水龍の体から心臓を取り出し石に封印してしまった。
その後、水の体だけとなった水龍はポンさんに悪い心がなくなったと認めてもらうまで心臓を返してもらえない契約を交わされた。
「それ以降ドラゴンハートを大切に待っていたんだが…」
「持って“いた”?」
「いやー!酔った勢いで他のやつにあげちゃって!」
「え?」
「そいつがこのダンジョンに潜った時に無くしたというから探してるんだ…」
ベンさんは水神がただのおっちょこちょいのおじいちゃんだと知り、少しだけため息をした。




