旅立ち
俺リーン・ルノエスは教会に奴隷として囚われていた子どもたちを救出し、アンおばさんの家に帰ってた。
そして、そこから2週間ほど暮らしたのであった。
俺たちは今、荷造りをしていた。
「パールそっちにランタンと毛布入ってる?」
「うん!ちゃんと入ってるよ!」
「おっけー!ボルスの方には水と食料入ってる?」
「うん!パンと干し肉とか入ってるよ!あと水も大丈夫そう!」
「よし!ならこれでいくか!」
コンコン
「はい」
扉を開けるとそこにはベディがいた。
「どうした?何かあった?」
ベディは何かモゾモゾした様子で下を向きながらこちらを見ていた。
「あの…リーン」
「なんだい?」
「私も一緒についていっちゃダメ?」
俺は予想していなかった言葉を言われて困惑していた。
「着いてくるって言っても…アンおばさんみたいに見てくれる人はいないよ?」
ベディには申し訳ないが、アンおばさんが見てくれる今の環境はかなり奇跡が重なって生まれているものだ。
俺たちのビースト王国へきてベディがしっかりとした引取先が見つかるとも思えない。
「私おばさんに相談したの。刺したらおばさんがね…」
「ビースト・ウッドには私の娘が働いているから、あんたを見習いとして雇ってくれないか聞いてみるよ!」
「って言ってくれて、昨日返事が来たの」
「それにはなんて?」
「雇い主の方が息子を亡くしてしまったから、少しでも明るくなるなら是非うちに来てくれって…」
俺たちが話しているとアンおばさんも部屋に入ってきた。
「リーンのいないところで勝手に話を進めて悪かったね。もし、リーンがいいって言うならうちの旦那も連れてっていいから、ベディを頼まないかね」
ベディを連れて行くことはなかなかリスクのあることだが、アンおばさんの旦那ベンさんが旅についてきてくれるというのは俺としてもかなり助かる話だ。
断る理由などないな。
「ぜひお願いします!」
「やったー!」
ベディは声をあげて喜んでいた。
そんなにこの町から出たかったのか…
「これでリーンと一緒にいられるね!」
ベディは満遍の笑みで俺を見ていた。
「そうだね!」
ベディは俺と一緒にいると安心できるらしくここ2週間も一緒に寝てあげることが多かった。
俺を父親のように慕っているのかな?!
ま、それはないか。
俺の方が年下だし。
そんなことを考えながら俺たちは準備を終えていた。
…
「それじゃあアンおばさん。お世話になりました!」
「あぁ、またおいで!待ってるからね!」
「はい!」
「あ、後これ…」
おばさんは小さい袋を渡してくれた。
「これは?」
「ちょっとしたお守りだよ」
「ありがとうございます」
おばさんからもらった袋は少ないがしっかりした重さを持っていた。
「それじゃあ、今度こそ!」
「あぁ、また来ておくれ」
「行ってきます!」
俺たちはアンおばさんの家を出発した。




