異世界転生
俺の名前は信条暁彦、高校三年生。
やりたいこともなく、夢もなく、進みたい進路させない。
勉強はもともと出来ていたので、適当にいい大学に入ってサラリーマンでもするのだろう。
家に帰ったらゲームして、眠くなったら適当な時間に寝る……そんな毎日。
そんな俺にも好きな人がいる、学校のアイドルの北条さんだ。
まあ友達もいない、コミュニケーションもまともにとれない俺には付き合うことなんて夢のまた夢だろう。
そんなことを考えていながら、帰っているとき、一台のトラックが女の子に突っ込む。
体が自然に動いた、助けようとしてるのだ、そんなカッコいいことを出来るような人間ではないのにな。
「危ない!」
女の子を突き飛ばして、俺はトラックに引かれた
体はピクリとも動かない、地面にはゾッとするような血、どうやら女の子は助かったようだ。
「良かった、無駄死にじゃなくて……」
「信条君! なんで私なんかのために……」
驚いた事に助けた女の子は北条さんだったのだ。
「北条さん……」
「喋らないで!今救急車が来るから……」
「助からないよ、自分でも分かるんだ……」
「そんなの嫌だよ……」
北条さんは僕の方を向いて泣いていた。
「北条さん、俺……」
「信条君何?」
「信条君……なんて言おうとしたの……」
「私信条君の事が好きだったのに……こんな終わり方なんて酷いよ……」
俺は死んだ、天国とかあるのかな、悪いことはしてないしそれに最後に北条さんを助けたんだ、地獄には行かないだろう。
眩しい……天国か……
「勇者様!お気づきになられましたか?」
なんだここは?
全く見慣れない場所、日本じゃないな、どこだここは?
「ここはいったいどこですか?」
「勇者様ここはアルベルク城です」
「どうか魔王を倒しにこの世界をお救いくださ
い」
何を言ってるんだこの人たちは、俺が勇者様?
これってもしかして異世界転生なのか……?