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ツイッター和歌集(1)  作者: 多谷昇太
落選和歌集シリーズ

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52/57

花鳥風月

〔※前出の和歌とダブるものが数首あります〕


早春の光のしじまたろやかにゆれる窓なり絵とも響きとも


あしひきの山にぞ春はすぐれたる雪に萬作身に早春賦


ああいいな春の川辺に佇めば彼岸ごとしも亡母ははとゐませり


いざ行かんやさしき瀬音ひびかせて川とつどへば弾くまいぞゑ


春雨にあらはれたるにや気の澄みて田畑みどり異界のさやけさ


主婦ひとり夫子つまこをつれで川堤つつみゆく春をあぢはふ但馬皇女ひめとぞ

※但馬皇女、古代における近代女性とも云うべき女性


花後光名のみの春をぬくむなり吉野のほほを朱をにも染めゐ


白梅としだれ桜のあて姉妹春風かぜにさや舞ひ我さしゑまふ


陰陽の陰のさくらとみえしかばあてなる花を咲き散らすらん


老桜ひさしきなれのひと世かなふりてあふげばなほ誉めやまず


神木は見目よき味よきいにしへゆ梅の木ならでなにかあるらむ


散れや舞へ川面におちて雅なれゆくみずならば花のかざらむ


五月雨に身をぬらしつつ静かにぞ咲くを夢見る紫陽花の芽や


雨あしの筆のくはしさえもいはず描きあげたるはあぢさゐの家


川沿ひにミルク色なる家しありあぢさゐ尽くしや雨が描きゐる


このすがた!たれか手折らん摘まみなん総身棘なる鬼薊嬢かな


ひまわりの凄まじきかな枯れすがた末路と云はじ精いっぱい生きた


雲井よりのぼりきたれる十三夜偶さかならぬ示現とぞ思ふ    

※十三夜、ここでは樋口一葉の寓意とする。雲間よりもの知り顔に十三夜、わたしこと弱虫爺の気張るを照らす。


かたびらに夜雲しつらへ畏みとあらたまりたり中秋名月


ゐまち月ひとつの星をともなひて中空かかるはさは娶れとや


中秋の名月翔ける日本狼ほろびしもの巻かれ人らにやよ吼えなむや


日の本の狼男ルガルーなれば咆哮こゑ高しよみがえりの歌朗々満月


夕日うけ団地のパラボラ輝けば満月ごとし、ん!?上り行きたる!


田沼町、北へ逃れて見る月ぞあやしく冴えて犬奴が吠える


これはまた今宵の月のふかきことうすぐもいくへかかりていみじう


常闇にあきたる通孔あなか中の月塵底人のあふぎみるがね


えもいはず責めさいなむ塵芥見ずや空たかくなほ澄める月


猛暑はつるしるしともがな名月やむせる夜道に鈴虫の鳴く


うぐひすと聞かばうぐひすホケキョとあてばさも聞こゆのちの世いかに


雁ならばわれに違はぬ一羽来ぬしがらみもたずがよろしかりとぞ


弁当それおこせ七つの子らのまつらむを人のみ食むかとカラス泣くなり

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