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2.チャンスがあれば

「ワオ~!すごいねいつ!」貴志(きし)はマウスを離した谷崎(たにざき)に興奮して叫んだ:「勝率が1%より低いの「Break the fate」も放せるようになったのか、さすが我が兄弟だね!」


『Fate Breaker』中の戦いは多く分けれており、大体のは勝利すると「you win」の文字しか出てこないが、システムがプレイヤーの勝率が1%未満のときだけ「Break the fate」の文字が出てくる。


「そんな初心者の装備であんなハイレベルの相手と対戦するなら、勝率が1%を超えるほうがおかしいだろ。」谷崎が冷ややかの口調で言った。本来彼はそんな無理をしなくても良いが、なんせ貴志のidだから。しかし、後者もちょっとした金持ちで、少なくとも同等の装備で戦うのは問題ない。


「俺もそう思った。でも兄弟のおかげで俺たちは多く儲かることができた。」貴志は手中の札の三分の二を谷崎に渡した。


 谷崎は貴志からの金を数えたすぐに頭を上げ貴志に聞いた。「ちょっと図々しいけど、もうちょっと貸してくれない?」


 貴志はぽかんとした。「お前普段あんまり金使わんだろ?なんでそんなギリギリなの?」彼は迷いもなく笑いながら手中の金を全部谷崎に渡した。「いつ返してもいいよ。今日やっと打ち返しできてスッキリすることができた。やっぱり兄弟がいると頼りになるものだね。」


 貴志は『Fate Breaker』にハマっているとは言え、技術は普通だ。毎回いじめられると谷崎に手伝ってもらう。いつも今日みたいに勝負に賭け。たまに厄介な相手に遭遇することもあるが、毎回谷崎が順調に勝ってくれて、儲かった金を貴志と山分けする。


「ありがとう。」谷崎が軽く笑った。貴志の手からの金を受け取った。こんな粘りが強いやつに兄弟名乗られるのはたまにうんざりするけれど、この状況では谷崎も彼のことをうんざり思うことができない。


「そういえば逸。」貴志もたまに好奇心を抱いてくれたりする。「お前すごすぎるよ、プロかよ。」


 谷崎は苦笑いした。「お前ネットカフェでバイトして生活を維持するプロはどこにおるの?ここまで貧乏のプロならもう死にかけてるよ?」


「でもお前の腕は全然プロに負けてないよ。」貴志は右手で顎を触りながら思考状態に。「俺も自称プロだって人に遭ったことあるけど、お前の半分も及ばないよ。」


「それはプロでも弱いやつはある。」谷崎はコートを着て、ドアを開けた。

「次は俺の親父にもっと強い|チーム探してあげようか?」貴志は急に思いついた。「それとも俺たちでコンビ組もうか?」


 谷崎はぽかんとした。目の前のバカを見て。

 もし彼らがコンビをするなら、おそらく谷崎が作戦を組んで、貴志はそれをぶち壊されるだろ。


 谷崎が笑った。「次回にしょう。機会があれば。」


 随分前誰かが谷崎に聞いたことがある。もし女の子を誘って飯を食べてる時にこんな応え方をするならもう二度とチャンスはないだろ。男の子からも同じだけど。谷崎がそう思った。

 この世ではことによって非常に簡単で、簡単過ぎてお前はその時目の前のやつは気に入って、それで一緒に天下を取ることができる。簡単過ぎて目の前の女の子が特に輝いて、彼女のために戦うことができる。


 しかしことによって非常に複雑になることもある。複雑過ぎて一生をかけて考えてもお前と一緒に天下を取る人があなたを裏切ることを想像できないだろ。複雑過ぎて全力で追いかけても、輝いてる女の子を追いつくとこができない。それとそれによって失った時間。


 谷崎はもうそんなことを考えない。静かにMoonlightネットカフェから出て、東にまっすぐ向かう。不夜城ネオンの視野から外れた。残ったのはちらほら下街灯だけ、見えない先まで続いている。メインの道から離れて、谷崎は一つの金木犀(きんもくせい)の香りが漂う坂道に行った。樹木の影が揺られて、風が心地よく吹いてくる。ここは前の生死のゲーム世界とは全く違うので、谷崎も少しは冷静になった。彼は長い坂道を越え、古いに街の後ろから二番目の建物の前にインターホンを押した。


 インターホンが二回鳴って、ドアが開けた。谷崎がドアを引っ張って、ゆっくりと二階に上がった。




「遅刻だよ先輩、飯が冷めたよ。」

 ドアを開けてくれたのはちょっと小柄の女の子。ちょっと巻いてる長髪と浮いてる前髪、五官は精巧で誰でも可愛がってくれる子ウサギみたい。しかし、彼女の髪型と顔より、彼女の首にかけている頚椎サポートのほうが目立っている。頚椎(けいつい)サポートは首にかけたバケツみたいに、上は顎に引っ付いて、下は肩を支えている。こうやって頚椎の負担を減らしている。


「ありがとう恋ちゃん。」谷崎はきれいに整ったリビングに入り、テーブルの前に座った。


 香りが漂う豚骨ラーメン、水分がたっぷり下豆腐、それと温かい味噌汁、見るだけでお腹が空く。この期間で谷崎の好みが全部掴むことができたみたいだ。

 谷崎はちょっと気まずそうに指で鼻を触った。「ここまでしなくてもいいよ。」

 だが恋ちゃんは彼をずっと見つめいてる。「何度見ても谷崎先輩はおかしいのだ。普段怠けた様子だけど、ゲームをしているときだけ別人になるのだ。」


 恋ちゃんは谷崎と長い間の付き合いだ。多分、自分はそんな感じの人だって印象だろ。谷崎もそれを悟っている。ゲームの自分はもっと尖ってて、誰にもいい顔を見せない厨二少年だ。でもゲームから離れると、何をやっても怠けてしまうやつになる。


「こんな言われても返事に困る。」谷崎は無力に肩を揺らした。「何せ俺はゲーム以外何もできないクズだ。」


「そんなことないよ。」恋ちゃんは頭を振って、「集金のことも谷崎先輩がやり始めた人だよね。谷崎先輩は手間を省けるなら省ける人で、やらなきゃいけないことは必死でする人だよ。」

 谷崎はぽかんとした。頭を揺らし、「大げさに言い過ぎだろ、認めるのも恥ずかしいわ。飯食べよー。」


 恋ちゃんの料理は一般料理だが、そのわりに安心感が出ている。毎度この味に舌が触れた瞬間、谷崎は全身がリラックスすることができた。この感覚は細くて長い糸は静かに暗黒にの虚空に消えたみたいだ。記憶の明かりを過ぎ去った過去のように。握ると過去に戻れる気がした。


 そうだ、過去。

 懐かしい過去。

 貴志の言葉は間違っていない。谷崎確かにプロチームのだ。昔は。


 その時恋ちゃんの病気はここまでひどくなかった。料理するときも頚椎サポートをつけてなかった。クラブのはじめは貧乏で、都市から離れたちょっとボロいビルに建てられてた。谷崎は毎回外販の弁当を注文する時と荷物を引き取るときに電話で、「道の廃墟は見えたか?そこから入ってきたら良い。」


 恋ちゃん入ってきたばかりの時は自らみんなの食事を持つことにした。理屈からいうと、連盟は連盟で、部員に飯を作るのは普通ありえないこと。でもその時のチームはまだアマのサークルから変わってきたばっかりで、恋ちゃんも嬉しく作って、マネージャーが見逃した。プロチームの訓練は辛い物で、毎日数時間寝るだけ、起きたら一日中パソコンと睨めっこするものだ。


 それ以外、ほどんどはコーチと一緒に対戦のビデオを見るばかりだ。休み時間に、谷崎は恋ちゃんのお手伝いをすることもある。野菜を切ったり、小麦粉を混ぜたりする。彼にとってはちょっとしたリフレッシュだ。たまに訓練が遅くなって、谷崎は下に降りて、コンビニーで食材を買ったりする。窓を通して漏れた光は恋ちゃんの面影が見えた時、彼はとても満足をする。


 廃墟だけど、豪華のバイキングを食べる金もないけど、毎日数時間しか寝れないけど。

 その時は数えきれない灯火の中で、ただ一つ弱い灯りは、谷崎のために輝いてた。


 谷崎の目はわずかに泳ぐ、恋ちゃんの後ろにある写真立てに落ちた。写真の中は谷崎と恋ちゃんと神田が一緒に『Fate Breakerアジア杯』の優勝カップを持っている。恋ちゃんと葉子はが二人のそばに立っている。その時の彼らはステージの中央に立って、空を飛ぶリボンを見ながら喜びを叫んでいた。まるで世界が彼らの物だ。あれも谷崎の人生の中で、最も輝いているときだ。


 これから起きたことはジェットコースターのように急速に堕ちいた。谷崎戦隊は全球試合で北アメリカに負けて、そのすぐに神田は他のチームにスカートされ、恋ちゃんの頚椎も急速悪化した。チームの成績もどんどん悪くなって、解散するまで追い詰めた。


 恋ちゃんは少し眉を中央に寄せ、苦痛の表情をして、谷崎を現実に引っ張り出した。


 非常に微弱でも、痛みだ。谷崎はすぐに手中の箸を置いた。「今夜の薬を飲んだのか?」こいつの性格はいつも他人を思って、痛くても、我慢をするのだ。そして、もしそこまで痛くなければ、恋ちゃんは眉を寄せるなどしないはず。


「まだだね。」恋ちゃんは頭を揺らして言った。


 谷崎は食卓の引き出しから薬を出し、暖かい水を恋ちゃんに渡した。「飲んたら、横になってゆっくり休んで。」


 恋ちゃんの病気はめんどいものではない。頚椎が弱いのと変形により彼女が長い時間座れないだけ。ゆっくり休んで、治療を受けるなら問題ないので。だが、プロのプレイヤーにとってはそれは不可能だ。

 ――これならもう引退するのと何が違うの!


 その時、その小さな少女の顔は、恐怖だった。今でも、谷崎はそれを覚えている。彼女の頑固より、治療も難しくなる。しかし時間を経ち、もう無理ができないところまで来た。今それを治せることができるのは手術しかない。人工材料でそれを修正と強化をすることだ。でも、手術の費用は谷崎を恐れを感じさせた。チームの給料とネットカフェの収入はその数字に届くにははるかに遠い。


「大丈夫だよ。もう少し我慢してたらよい。」谷崎は必死に我慢してる恋ちゃんを見て自分の表情を平和に装った。


「うん、わかってる。」恋ちゃんも頑張って笑顔を見せた。「集金の進度は私の想像よりはるかに早いし、谷崎先輩のおかげだね。」

 谷崎は軽く笑った。自然に話をそらした。

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