エピローグ☆オーパーツ
エピローグ☆オーパーツ
「結子!」
「お姉様!」
直也が声をかけたのに、結子ときたら梨華の方に向かって安堵の表情を浮かべた。
「そりゃ、頼りになるのは梨華さんだけどさ」
いじいじ。
「何やっとる!」
すぱこん。JJが直也の頭をはたいた。
「あの真ん中のアンドロイドが、司令塔よ。ついでに未来とつながってるトンネルの次元発生装置も持ってるわ!」
「とうとうお出ましか」
JJがつぶやいた。
「直也!」
「はい、梨華さん!」
「私たちは未来へ帰るわ」
「えっ!?」
「あの装置を奪回して、時空の穴を閉じるの。あなたは、あなたの思う通りの選択をして」
梨華はアンドロイドたちを一網打尽にした。結子が、紛れていた未来人の男を香りで昏倒させて、JJが次元発生装置を手に入れた。
「さあ、行きましょう」
梨華の言葉に、JJが昏倒している男を抱えて次元のトンネルを発生させた。
「待って、お姉様」
結子が直也の元に駆け寄り、ブローチ状になっている発信機を手渡した。
「これで、いつか私たちと連絡がとれる日が来るから」
「い…いやだ!」
「えっ?」
「行くな!」
直也は結子の手をつかんで離そうとしなかった。
「しょーがないわね。JJ、行きましょう」
梨華が無情に指示した。
「そんな!お姉様!私をおいて行かないで!」
「未来でまた会いましょう。結子!あなたと私、未来で恋のライバルになるのよ。せいぜい負けて泣かないように直也に気に入られることね!」
「ちょっと待て!」
直也と結子の声がハモった瞬間、次元のトンネルが閉じてしまった。
「いつまでも落ち込んでないで、これからの事を考えようよ」
「うるさい。ほっといて」
「小鳥遊結子」
「なによ!」
「守ってあげる」
「!?」
「せめて梨華さん達と再会するその日まで、僕がこの時間軸で君を守るよ」
「……莫迦!」
わんわん泣いている結子を直也は抱き寄せた。
「これって、オーパーツだよな」
発信機のブローチを眺めて呟く。
「オーパーツって、その時代に存在するのがおかしい物体のことでしょ?」
「うん」
確かに、未来との遭遇があったのだ。直也は心の底で必ずいい未来にしてやるぞと誓った。