プログラム言語
第2章☆プログラム言語
中学の技術でプログラム言語が取り扱われ始めてまだ日が浅いが、直也たちは教育現場で実際に学ぶ立場だった。
プログラム言語は、大人たちより、これからの子どもたちに必要とされるのだ。
「高校に行ったら、Pythonを学びたいなぁ…」
直也は調べものをしていて、そう思った。
「やっぱり」
結子がくすくす笑った。
「なんで?」
「将来あなたはAIに関係する研究者になって、新しい分野の開拓をするからよ。…だからこそ未来から刺客が送られてくるし、それを阻止するために私たちもここにいるわ」
直也はそんなこと、思ってもみなかった。
「じゃあ、もしも、違う進路を選択したら、刺客は来なくなるのか?」
「えっ」
正直、ひっきりなしにやって来るアンドロイドや人間の刺客にびくびく怯えて暮らすのはまっぴらだった。それに、もしそれらが来なくなったら、守ってもらわなくても良くなるんじゃないのか?
直也のこの考えにさすがの結子も息を呑んだ。
「…私は、自分の人生をどんなに変えたとしても、どこかで同じような選択を迫られるときは必ずあると思うわ」
こう言いながら、私たちを必要だって言ってよ!と彼女は内心震える想いでいた。
…トン。
弓矢に似た形状のメッセージ入りカプセルが飛んできて直也の額に吸盤でくっついた。
「なっんだこれ!」
「お姉様からだわ」
結子が手早くメッセージカードを取り出した。
「違う進路選択出来ないみたいよ〜!あたしたちこの次元から消失しないみたいだし。諦めなさーい」
「なっんっで、あの人が知ってるんだよ!」
「さすがお姉様!お見通し」
わあ!と中学生たちは湧き上がっている。
どこかで刺客をばたばた倒してる女が、フフン、とルージュのくちびるに笑みを浮かべた。