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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

タワシワヨコニモノウイイナ

作者: 松本 星

就職で新スタートを切るみなさんもぜひ気をつけてもらいたい。

安すぎる物件にはなにかあるかも?

ぜひ新生活のあなたに読んでいただきたい新生活ミステリー。

中には事故物件でも告知していない物件もホントにあるんですよ?気をつけてください。

春。誰もが一人一人、新たな未来をスタートするこの季節。


さやか「ねぇやばくなーいこの物件」

ひかり「ヤバすぎでしょ。都心で2万で家具付きー?」

さやか「ねっ!いいよね!ここ他の人に取られる前に契約しよー」

ひかり「ちょっと待って!よく考えてみなって」

さやか「だって駅にも近いし2万って」

ひかり「絶対なんか訳ありだってー」

さやか「前の住人が家具などを置いていったため新生活に金欠のあなたも安心で生活できます。って書いてるよ。観覧数60人超えてるし先越される前に契約しとかないと」

ひかり「やめた方がいいと思うけどー」

さやか「見学自由らしいからひかりも一緒に行ってみようよ」

ひかり「みにいくのはいいけどー。」


1週間後

私たちは東京へ行き、不動産を尋ねてさっそく友人のさやかと問題のマンションへ向かった


さやか「みてみてー!こんなに家具も揃ってて。パソコンもあるー!」

不動産の木村さん「あー、パソコンは初期設定に戻して前のデーターも削除してあるので個人情報なども十分気をつけています。安心していいですよ」

さやか「12階でも周りのビルが高いからあまり見えないねー。こんな高いビルだらけじゃ天の川も見えないね」

ひかり「どこにいたって天の川は滅多に見えないよー」

さやか「前の住人さんこんなに家具置いていって大丈夫なのかな」

木村さん「今は家具も次々新しくなるから他の方々も置いていく人多いんですよ。こっちで処分してるものも多いです」

ひかり「部屋もこんなに広くて家具も揃っていて都心なのにこんなに安値でいいんですか?」

木村さん「新生活応援キャンペーンですから」

さやか「ひかりも就職決まったらここで一緒に住もうね!」

ひかり「えっ?私は別に」

さやか「えー、そしたら家賃も1万円ちょっとで済むのに」

ひかり「そっちかい」

私の心配をよそにさやかはその場でニコニコと本契約を交わし、敷金を支払い、たった10日で引っ越して行った


引っ越して行った次の日、さやかから電話がきた

ひかり「はい!もしもし?」

さやか「げんきー?」

ひかり「って、昨日会ったでしょ?」

さやか「そうだった!なんか私ここに来てから凄い体調も良くてますます元気になったって感じー?」

ひかり「ホントにー?それは良かったよ」

さやか「しかも不動産からのはからい?ってやつ?15日間分の家賃はいらないんだってー」

ひかり「そ、そうなんだー。」


1ヶ月間毎日毎日電話をかけてきた

それはもう元気だしこっちが口を挟む暇ないくらい喋りまくり明るくて元気な声で電話は続いた。その電話がぴったりと来なくなった。

電話が来ないまま3ヶ月も続いた。

その間に地元で就職をし、今も実家から通っている私です。

私は、さやかに彼氏ができたのか、それとも仕事が忙しくて疲れ切っているのかどっちにしても心配になり私から電話してみた

でも、出ない



とりあえずLINEしてみた。するとすぐに既読になった。

既読 ひかり「元気?最近忙しいの?」

さやか「なんでいつも電話出ないの?」

既読 ひかり「えっ?」

さやか「毎日電話シテタノニ」

既読 ひかり「電話?着信履歴には残ってないよ」

さやか「シテタノニ イツモ」

既読 ひかり「えっ、私気づかなかったのかな。ごめんね」

さやか「イイヨ 許死て、アゲル世」

既読 ひかり「なんか誤字?多いね」

さやか「タワシワヨコニモノウイイナ」


私は正直気味が悪くなった。

夜中だったけど

さやかの両親に会いに行ってLINEも見せた


さやかママ「私達にも3ヶ月くらい連絡が無いのよ」

ひかり「なんか鬱病かなにかになっているんじゃないかと思って」

さやかパパ「変な男に引っかかって薬物依存とかになってるんじゃないか?だから毎日電話してるなんていう妄想を」

ひかり「もしそうならほうっておく訳にもいかないし、1度会いに行こうと思うんですけど、もし良ければ一緒に行けませんか?私一人じゃちょっと」

さやかパパ「俺は元々反対だったんだ。胡散臭い家賃のマンションなんて。地元で就職ぐらいできたってのにわざわざカッコつけて遠くまで行って」

ひかり「止められずにすいませんでした」

さやかパパ「分かった俺が行く。ひかりちゃんには迷惑かけられない。俺一人で十分だ」

ひかり「いえ、私も会えるまで心配なので行きます」

さやかパパ「あんなふうに育てた覚えもないし、厳しくしたはずなんだけどな。友達にまで心配かけるなんて1回殴ってやるか」

さやかママ「やめて!そんなことより今すぐ連れ戻してくださいあなた」

ひかり「お願いします」

さやかパパ「急だけど明日にでも行こう。会社には事情を伝えておく。ひかりちゃんはいつ行く?」

ひかり「分かりました。仮病使います」

さやかパパ「じゃあとりあえずひかりちゃんは家に帰って準備してきて欲しい。朝8時にうちに来てくれるかい?新幹線でいこう」

さやかママ「私は聖(弟=コウキ)と待ってるわ。時間通りに学校通わせないといけないし」

さやかパパ「あぁよろしく頼む、ママは家を守って居てくれ。さやかが帰ってきたらすぐに暖かい部屋で暖かいご飯を食べれるように。君は家にいるべきだ」


さやかママ「分かりました。ありがとう」

私が家に帰ったのは夜中の1時を過ぎていた。たいして寝たような気がしない。

昨夜寝ていた両親には朝になってから説明し、会社には7時頃に電話をかけると朝8時に慌ただしくさやか宅に向かった


さやかパパとバスで駅へ向かい、新幹線で東京に向かうと、電車に乗り継ぎ、私が行ったことがあるマンションに行った


まずはポストを確認すると三日分くらいの広告などがたまっている

部屋番号をうち呼び出すが中からの応答はない。

マンションの管理人に電話すると

マンション管理人「またか」

と小さく言ったのは聞こえた

最初拒否されたが親だと伝えると渋々管理人が出てきた

エレベーターの中で「ココ最近家賃の支払いもなかったので身内の方に連絡しようと思ってたんです」

そして部屋の前に着いてベルを鳴らすが応答がない。

管理人が鍵を持ってくると言うので待っている間、私は嫌な予感がした。

たまたま部屋の近くに住んでる人が帰ってきた


ひかり「あっ!すいませーん」

住人さん「はい、こんにちは」

ひかり「こんにちは、おひきとめして申し訳ないです。私今度ここに引っ越そうと思ったんですけど家賃はいくらですか?」

住人さん「14万6千ですよ」

ひかり「ありがとうございます」

住人さん「あら説明なかったんですか?」

ひかり「パンフレットどこかに落としてしまって」

住人さん「あら、そうだったのね」

ひかり「はい。どうもすいませんでした」

しばらく待っていたら管理人が戻ってきた。


開ける前に

ひかり「ちょっと開ける前にいいですか?」

管理人「はい?」

ひかり「すいません、1度管理人室に案内してもらえませんか?」

さやかパパ「ひかりちゃん、今それどころじゃ」

ひかり「今日なら仕事してるじゃないですか?普通ならその時間です」

さやかパパ「具合悪かったら?」

ひかり「ちょっとだけ。またすぐ戻りますから」

さやかパパ「俺はここで待つ」

ひかり「公男さん(さやかパパ)もです」

エレベーターの中でも嫌な予感が消えず私の後ろにもう一人いるような気がした

管理人室に入ると

ひかり「最後に中澤紗也加を見たのはいつですか?」

管理人「実は私は管理人といっても交代制なので引越してきた当日に挨拶を交わした程度なので」

ひかり「他の方に連絡取れます?」

管理人「いや、ちょっと」

ひかり「私たち3ヶ月も連絡取れないんです、3ヶ月前の最後に話したこの時間の1時間前からの防犯カメラ見せてもらってもいいですか?」

管理人「いや、プライバシーに関わるのでちょっとそれは」

ひかり「広告などがたまった場合管理者側が処分とかする事あります?」

管理人「滅多にはないです」

ひかり「ちなみに中澤の部屋意外の方の家賃先程あなたを待っている間聞いたんですが14万って伺いました。中澤だけ何故2万で部屋を貸しているんです?」

管理人「2万?いいえ?しっかり14万頂いていますよ」

さやかパパ「変だな」

ひかり「さっき最初にここに入れてもらう時"またか"って聞こえたんですけどその言葉の意味はなんですか?」

管理人「あっ、独り言です」

ひかり「すいません、やっぱりお部屋連れていってもらってもいいですか?」

管理人「分かりました」

部屋に着き、扉をあけるとすごい異臭で目や鼻が痛い。

電気はとめられているようなので壁つたいあるきにカーテンを開けて窓を開けた


さやかの姿はないけどクローゼットが異様に臭う

開けてみると


さやかパパ「さやかーーーーーー!!!!!」

ひかり「さやか」

真っ赤にそまった洋服たち、真っ直ぐ睨むように目を開けたまま座る

さやかがいた


鍵もかかっていたため私は管理人を見たが血を見ただけで嘔吐していたので違うだろう。


15分後、警察が到着した

実況見分や科捜研などが明らかにしたのは死後約2ヶ月半から3ヶ月だそうです

私がLINEを見せた時

警察は昨日今日死んだとはありえないという。

さやかは携帯を手に握っていた。でも電源は切れていた。

警察でさやかの携帯を充電し、確認するもLINEの履歴はなかった。でもこの言葉は私とのLINE履歴に残されていた

"タワシワヨコニモノウイイナ"


検死では複雑骨折とアバラを損傷。頭蓋骨陥没骨折、手や足には縛られていた様子があったらしい、防犯カメラにも怪しい人物も写っていない、怪しい人物を見たものもいない。


不動産は事故物件を隠蔽したことで逮捕。

その取り調べで明らかになったのは

5年ほど前からこの部屋に住んでいた男性が行方不明で現在も分かっていない。その後この部屋に住む住人が次々と謎の死を遂げているか行方不明。その14万の支払いも不動産は関与しておらず中澤という名前で支払いされていたが遺留品のキャッシュカードなども履歴には残っていない。


その後この部屋が使われているかどうかは不明


私にはLINEの時にすでに分かっていた。

タワシワヨコニモノウイイナ=ワタシワコノヨニモウイナイ


私に伝えるためにこの世に残る魂が私に訴えたのだろうと

彼女の魂は私にずっと電話を掛けてきていたのだろう。



タワシワヨコニモノウイイナ

簡単だったかな?

タイトルだけで謎が解けた人にはつまらなかったかもしれないですね。素人なのでお許しください。


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