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ドラゴン転生  作者: 附箋
1章 新たな世界
7/16

投稿が遅れて本当に申し訳ありませんでした。


今回とても短いですが打ち切るつもりはないと言う意思表示だと思ってください

細かいことは活動報告にてご確認していただければと思います

 「カルマーこっちもー」

 「はいはーい」

 「カルマさんこれもお願いできる?」

 「お安い御用」

 「カルマやこの取れたての野菜をお食べ」

 「それ俺が作ったやつだから!一番最初に俺が味見したやつだから!」


 俺の予想ではこんな事になるとは思っていなかった。もっと長期間をかけてやることを予想していた。村人たちと喧嘩をして俺を追い出そうとするやつばかりになって、でも何人かは俺に賛同してくれてみたいなお約束を期待していた。


 それがどうだ。たった二つの魔法で真っ白おさらばだ。むしろ次はこれ次はあれと引っ張りだこである。


 どこで選択肢を間違えた?魔法を唱えたところで間違えていたのか?もっと前から?確かに認められるのと嫌われるのじゃどっちがいいかなんて問うまでも無いけど。

 それでもこう・・・・・・なんか釈然としないな。


 クリーンとハーベストか。この人たちにとってはありがたく自分が使えたならどれだけ良かったのだろうかと思う。しかし今の俺はちょっと残念に思っている。


 確かにおいしい食べ物を食べれるようになるのだから俺も喜ぶところなのだが。俺的には切磋琢磨あったりした方がせっかくの異世界なのだからやってみたかったってのが本心。


 せっかくの異世界なんだからなんて言いまくってるとそのうち痛い目に合いそうなんだよな。それでもそれもまたと思ってしまう俺は毒され過ぎなんだろうか?流石に命の危険がある場合はそんなことを言わないけど。てめーの命だけじゃなく他のこれからできるであろう仲間たちの命も。


 そうだな。今回のことはある意味じゃ命にかかわってくる話なんだよな。食べるものが全く無いわけではないが決して栄養が足りているわけでもない。今は何とか食いつないでいるようだが。


 オークやリザードマン。俺はまだこの2種族に会ってはいないがこの村の一員なんだ。この2種族はそれぞれ山と川、自然の恵みを取ることができる。この2種族から自然の恵みを貰って何とか生きてるって感じだ。

 だがそれも長くは続かないだろうな。絶対にいつかそこが尽きる。だからこそ人たちは栽培しているのだが、この世界と言うかこの村ではそれすらできていなかった。


 オークもリザードマンも食べることが困難になっていくそして待ち構えるのはここを離れて他に移るか飢餓で死んでゆくか。ソフィアちゃんたち人間なら死んでゆくしか選択肢はない。あるとすれば他に移動している途中に魔物に食われるかぐらいだろうか。

 何故か?簡単だ。そもそも栄養が足りていないのだから力なんか出るはずもない。今この村の人間たちはこうして立って生きるのが精いっぱい程度しか食べれていない。


 他に移ると言っても当てがあるわけでもない彼らはうかつに動けば逆に命取りになる。しかしオークたちは話が別だ。それなりに力はあるはずだ。会ったことがないからわからんがゲームでは初心者殺し程度には力を保持していた。だがそうしない理由がある。


 ドランの命令だ。この村の事を託されている。この村をこの村の人間を助けることを。正直な話意味が分からない。ゲームをプレイしているときに俺はこんな村を作った覚えはないし人間にかかわらず敵対するものは倒し何もしない奴は放置、それが俺のプレイスタイル。大体みんなそうだろう。意地の悪いやつは弱いやつを倒して高笑いしていたり何もしてない奴に因縁付けたりしてたが。


 話がそれた。やっぱりこの世界はどこかゲームと違う。最初のほうから思っていたが基本はドラゴンノヴァでそこからチョコチョコとオリジナルが入っている。だからこそ知っているようだけど知らない。クローラは一応うろ覚えではあるが覚えている。ゲーム中のサブストーリーで仲間になったんだよな。


 クローラ率いる天狗族は最近この村に来たばかりの筈だが既に村の人間たちから慕われている。ちょっとつんけんしている様に見えるが実はかわいいタイプだったり?


 「・・・・・・」


 クローラがこちらをにらみつけている。


 「何か変なことを考えていなかったか?」

 「イイエトンデモゴザイマセン」


 あまりにも的確に突っ込んでくるものだから思わず片言になってしまった。まさか本当にこんな特殊能力を持っているものが居ようとは!


 新しい発見に嬉しい反面いざ自分が見透かされる側になるととても心臓に悪いものである。本で読んでいる分にはこいつやるな!ぐらいにしか思わなかったけどあいつらこんな気持ちしてたんだな。


 「さて、あらかた終わったかの?」 

 「うん!ありがとうカルマ!」


 ソフィアちゃんがいい笑顔でお礼を言ってきた。その笑顔だけで特に疲れてもいないし魔力も使ってないが消費した体力、魔力が回復していくような気もした。もしかしたら魔法なのかもしれない。女神の微笑みという回復魔法なのかもしれない。


 この笑顔のためならいくらでも働いてやろうじゃないかそんな気さえ起きてくる。はっきり言ってソフィアちゃんはめっちゃかわいい。元の世界にいたアイドルよりもかわいい。

 なんかかわいいを詰め込んで間違った方向に行った可愛さがある。間違ってんならかわいくねーじゃねーか。前言撤回、普通にかわいい。


 「結構収穫も出来たしこれをもってオークやリザードマンの所に行こうと思うのだけれど」

 「え、それは」


 何か言いよどむソフィアちゃん。何かいけないのだろうか?実は中があまりよくは無いとか、オークは野菜食べないとかそういう?


 「オークが住む山はオーク以外にも魔物がいる」


 ソフィアちゃんの変わりにクローラが答える。


 「その心は?」

 「オーク以外は人間を食料としか思っていない、それにたちが悪いのがそれなりに力を持っている」

 「それの何が?」

 「われわれ天狗はここを離れられん」


 ははーん、つまり人間じゃあ食われるだけだと。でも俺人間じゃないんだよな、ドラゴンなんだよな。


 「しかしなぁ」

 「定期的に食料を渡しに来てくれる、そのときに渡せばよかろう」

 「次来るのいつ?」

 「前に来たのがカルマが眠っている間だから・・・・・・半月ぐらいかな」

 「いってきます」


 最初はクローラの案に賛成してもよかったのだがソフィアちゃんの一言により却下されました。なんかソフィアちゃんが悪いみたいな言い回しになっているがそうじゃない。

半月なんて待っていられません。すぐそこの山だし俺人間じゃないし一人で行けば多少暴れても問題ないだろう。


 え?暴れたら駄目?そんな!俺の楽しみを獲らないで。


 「ま、何とかなるっしょ」


 とかる~い気持ちで野菜を手にオークの元へと行くのであった。




 「ま、何とかなるっしょ」


 「誰がそんな事を言ったのか、ぶち殺してやる」


 過去の俺に対して殺意が芽生えているのには理由がある。近くの山に住むオークの元へと野菜を持って出かけた俺だが山のどこらに住んでいるとか全く聞かずに出てきてしまった俺は迷子になり、その間虫系のモンスターにしきり襲われた。


 強さだけで言えばてんで話にならないが精神的ダメージが半端なかった。SAN値チェック入るよこれ。10D10で10以下なら成功で正気度20減って失敗で90持ってかれるよ。もうこんな事されたら完全にプレイヤー側ぶち切れだからね。どう頑張っても正気度持っていこうとするその考えがとても人間のすることとは思えない!


 あ、相手本当に人間じゃなかった。しかしこの場合人によりけりなのでは?虫が好きなやつなら・・・・・・逆の意味で正気を失いそう。興奮的な意味で。


 考えても見て欲しい。全長1mはある蜘蛛を。数個ある目でこちらを見て口を動かしている蜘蛛を。創造してみて欲しい。黒くつやめく体を持ちすばやく動き、見た目とは裏腹に意外と柔らかく気付いたら家に進入していて皆からGという愛称で親しまれているやつが、速さ等をそのままもしくはそれ以上にして大きさは何と3mの奴が団体行動をしている所をロロロロロロロロ。


 はぁはぁ、思い出しただけで吐いてしまった。くっ、俺はよく気絶しなかったな。褒めてもいい、寧ろ褒めるべきであろう。もちろん全部消し炭にした。


 そしてそんな超高等な精神攻撃を掻い潜ってやっとこさオークの集落であろうところに着いてエミール村の者だと話すと。


 「あ?嘘をつくならもっとましな嘘をつきな」

 「いや、嘘じゃなくてね?」

 「あの村の人間以外は近寄ってくんじゃねぇとっとどっか行きやがれ」


 何て歓迎されて快く、そのオークの頭めがけて魔法をぶち込みそそくさと村に帰るのであった。


 はぁ、何も何とかなってないんだよなぁ。このまま帰るのも嫌だな。かと言ってオークはたぶん怒り狂ってるだろうし。


 ガサガサ


 「!?」


 木が揺れる音がして俺は心臓が跳ね上がるのを認識した。またやつらが来るのか!?また俺のSAN値を持っていこうというのか?これ以上俺を苛めようというのか!?



「……?こいつは」

 

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