名前
やっと更新です
人間の姿になった途端目の前が真っ白になり意識を失い目が覚めたらまた見知らぬ場所になっていた。目を開けて最初に視界に入ってきたのは知らない屋根だ。
まさか自分がこのセリフをいう日が来るとは思わなかったが。それにしてもここはどこだ?先のようにまた一人なのだろうか?
それとも他に人が居たりするのだろうか?何よりなぜ人型になったときにあんな事が起きたのか。疑問は次々と生まれてくる。消えては増えて増えては増えて。最初はやっぱりそんなものだろう。それをどうやって解決していくのかが楽しい。
ま、ゲームならの話何だよなぁ……。悲しいけどこれ、現実なのよね。
さて悲しい現実を受け止めつつ体がどの程度動くかを確認しますかね。まずは手。
グッパーグッパーと開いては閉じてを繰り返す。単純だが自分の手が自分の意志で動かせるかどうかを試すのには一番いいと思う。これだけできればとりあえず私生活には問題ないくらいだと勝手に思ってる。
手は動かせれたので今度は腕を確認。手首を回してみたり腕を曲げたり上げたり下げたり。とにかく腕を動かすこのとできる範囲で動かしてみた。若干のしびれはあるものの動かすことには問題なさそうだ。
俺が体が動くか確認をしていると、グーという音がお腹のあたりから……いや思いっきりお腹からなった。つまり腹ペコなのだ。しょうがないと言えばしょうがないのだが。だってこっち来てから2日は飲まず食わずなんだぜ?気を失っていた時間がどの位あるか知らんがそれでも2日も何も胃の中に入れなければ腹も減る。まさか人型になったことによって気を失ったのは腹減りのせい?
「あれ、目覚めた?大丈夫?」
知らない声が聞こえた。それは俺に向かって言っているようだ。俺を心配してくれている声、その声は優しく俺に問いかけてきていた。
目が覚めたと言えば目はばっちり覚めている。大丈夫かと問われればそれは今調べている最中だと言える。そのことを伝えようと思っているのだが口から出た言葉は全く違ったものだ。
「誰?」
誰、そう相手は何者なのか。自分を心配している声なのだから敵ではないと思いたいがそれが演技じゃないという証明はない。油断させといてと言うやつだ。
だが、待てよ?俺は気絶していたんだよな?だったらその間に殺すなり身ぐるみはぐなりすればいい。はぐようなものは持っていないけど。
「いきなりね」
まぁいいわとその女はため息をついて名乗ってくれた。
「ソフィア・エミール。このエミール村の村長の娘よ」
ソフィア・エミール?エミール村?聞いたことのない村だ。……否?なぜかエミールという名に引っ掛かりを覚える。初めて聞く名前の村なのにその村を最初から知っているかのような感覚。
変な感覚だ。知らないのに知っている。知らないのは俺であって知っているのはこの世界のドランノヴァなのだろう。死人、人じゃないから死竜?の記憶なんて正常なのかわからないが。正常じゃないからこんなにあいまいなのだろうか?
それにしても村か。見た感じ相手は人間だ。娘と言っている通り女だな。男の娘と言う可能性もあるが可愛ければ問題ないよね?
髪は茶でストレートのロング。目は茶色。日本人みたいだなという感想が出てくる。異世界なのだからもっとこう派手な髪の色のやつが出てきたりするだろうかとも心の奥底で思ってみたのだが。
しかしあれだ、そこらのアイドルよりかわいいな。化粧はしているのだろうか?そもそもこの世界にそんなものは存在しているのか?まぁそれでも厚化粧してかわうぃいいって言っている可愛くない奴と比較したら可哀想なくらいかうぃい。
比較対象がおかしいせいかあんまり可愛く聞こえない。
ソフィアちゃんの可愛さを説明するのはとりあえずおいておこう、今はそんなことよりもっと聞かなくてはいけない事試さなくてはいけないことがある。
「エミール村?」
「知らない?ドランノヴァ様が作られた村なのよ?」
「ドランノヴァ……」
やはりドランてめーの名が出てきたな。これでこの村を知っているような感覚の正体が確証した。この記憶はとても曖昧で記憶と言ってもいいものなのかとても不安だがドランの記憶なのだ。しかもこいつが作った村だと?だったら知ってて当然だろうが。
俺の事を様呼びか。村を作っただけはあるがもしかしてソフィアは人間ではないのか?魔物なら従う理由もあるし様をつけるのも分かるが。
「知らないの?」
俺が少し思案に入ろうとしていた時ソフィアから話しかけてきた。知らないのかと。知らないと言えばある意味じゃ嘘になってしまうな。俺の記憶ではないがドランノヴァの記憶がある。だが記憶があるというほどの情報は無い。むしろ皆無と言った方がいいかもしれない。
そんな記憶の状態で果たして知っていると言えるのだろうか?答えは否だと思う。だからこそ俺は知らないと答えよう。ただ普通に知らないと答えても信じないだろう。自分で言うのもなんだがドランノヴァの名を知らないやつはいないほどだと思う。ゲームをやっていた時は初心者を除いて大体の人に俺の存在は知られていた。けれどそれはプレイヤーにであってNPCにも知られているとは限らないしそもそもここはゲームではない。
結局のところ普通に知らないと言っても面白くないから何か面白い言い訳ないかなと探している。え?何故そんなことをするのか?自分の好きな……好きだったゲームの世界に自分の作ったキャラとしてこの世界を堪能できるんだぜ?だったら少しでも楽しい方に向けたいやろ?
「……」
「……そう」
俺の沈黙を肯定と取ったのかソフィアは少し悲しげな表情をした。やめてほしい。俺の一時の冒険心と言うのか悪戯心と言うのが働いたせいでそんな顔をするのはやめてほしい。罪悪感が半端ないんです。今すぐに嘘ですごめんなさい知ってますと言いたくなっちゃうでしょおおおおおお。
「何故そんなに悲しそうな顔を?」
「えっ。そんな顔してた?」
「ああ」
ソフィアと言う娘はなかなか人の事を自分の事のように悲しんだりすることのできる娘らしい。俺だからまだそんな程度に思うだけだがひねくれ者はただの偽善だというのだろう。てめーの事でもないことにてめーの事のように悲しむなんてただの偽善だやめろ、虫唾が走る。そんなことを思ったりするのだろうか。
あれ?今俺が既に思ってね?例えとして言ったけどそれが出てくる時点で俺も思ってね?ソフィアのその行動に対して偽善だと思ってね?
帰ってくることのない問いをしても何の意味もないが今までの自分では思いもつかなかったことであろう言葉がすっと思いついたことに対して驚きを隠せない。今までの俺なら偽善と言う言葉すら思いつかなっただろう。……俺がドランノヴァになったことによりそっちの考えも思いつくようになったしまったと言う事か。
「何かわかることはある?」
ソフィアは俺に問いかけてきた。悲しそうな顔についてはこれ以上突っ込まない方がいいだろう。ソフィアが話題を変えてきたのだ。変えてきたというより戻したという方が正しいのか?まぁいい。何かわかることがあるかの答えとしては。
「いや。何故ここにいるのか自分が誰なのかもわからない」
「そう」
実はちょっとはわかってるからぼろが出ないように言葉を選ばなきゃいけないという遊びが始まっていることは俺だけの秘密だ。
「それにしても名前がわからないのは不便ね」
「そうかな?」
「ええ。だってあなたを呼ぶときになんて言えばいいの?」
「今みたいにあなたでよくね?」
「・・・・・・」
何か怒らせるような事を言ったのだろうか?顔を赤くしてプルプル震えだした。かわいい。素直にかわいいと思うの。元の世界でこれをやってかわいいと思えるような人は一人としてあった事がない。むしろ殴りたくなるやつならいっぱい居るのだが。
お前がそのしぐさをして誰の特になるんですかね?と問いたくなる。問いただしたくなる。誰の得にもならないだろうと。少なくとも俺には特どころかSAN値もってかれてるんだよと。
だがソフィアちゃんは俺にとって得だ。プラスだ。持っていかれたSAN値を回復させてくれる。むしろ庇護欲まで駆り立ててくる。これが父性?
「そういうのは・・・・・・夫婦になってからって決めてるの」
「oh!」
なんて純粋ピュアガールなんでしょう!言いながらもじもじしてさらに顔を赤くしていやがるぜ。見ているこっちが恥ずかしい。恥ずかしすぎる。何だこれ新手のイジメか?俺へのイジメ?否むしろ俺がいじめている感じ出ているけど大丈夫?ここで誰か入ってきてめんどくさい事になったりしない?
「そうか。ならだめだ・・・・・・な?」
なんとなく納得いかない。というよりも俺はちょっと共感できないので疑問系になってしまった。しょうがないよね?今までそんな経験無かったし相手いなかったし。画面の向こうにはたくさんいたけども?それが何か?プレイボーイでしたよ?
悲しい。言ってて悲しいよ。うぅ・・・・・・。
「どうしようね名前」
「んー、俺は別にどうでもよくないですね!」
どうでもいいと考えていたが考えが360度回転して?ん?360度?1回転してんじゃん。結局どうでもいいってことじゃん。違う違う180度だ。
なぜ180度考えが変わったか、理由はとてもSimple is best。ソフィアちゃんが怖かったからです。どうでもと言った瞬間俺を殺さんばかりの殺気をかもしながら睨んできた。ソフィアちゃんがすごく怖い顔をしながら睨んでいます。
防御力がとても下がった気がする。
「ええ、どうでもよくない」
「イエス!」
どうでもいいが似非英語が出まくっててル○大柴みたいになってる気がする。もしくはシン○ジラとか言うゴジ○じゃ無くても良かったんじゃないかなと思った映画に出てくる石原さ○みが演じていたあの役みたい。
名前とか一切覚えてないですし?俺の中ではあれなかった事になってますし?覚えていなくても当たり前だよね?誰に言い訳してるんだ俺は。
さて真剣に名前を考えなくてはいけない。そうしなければ俺の異世界生活が始まって即効でデッドエンドになってしまう。それも名前をめんどくさがったのが理由で。村人の娘に。
笑えない。何だその死因は。絶対にいやだ。そんなゲームがあったらやってみたくなるけれども現実世界では絶対にいやです。死んだらそこで終わりですよ?コンティニューないんですよ?
だが俺はボキャブラリーがとてもとても乏しいのでありきたりな名前ぐらいしか思いつかないのですよ。それこそ俺の名前の『きょうや』とか『ゆうき』、『なおや』『ゆうた』『ゆうや』。全部日本名義なんだよなぁ。完全にこの世界には似合わない。
なら外人か?『キャサリン』これは女だ。『ボブ』ヘイ!ボブ!『マイク』『アレックス』おめーらは教科書に帰ってな!『エレン』イェーガー?そんなものと一緒にするんじゃない!最新エレン先生は美人だぞこのやろう。俺の世代でも俺だったら英語がんばってた。
よし絶対俺が名前を考えてはいけないな。変なのになってしまう。
「ソフィアさんが考えてくれるとうれしいかな」
心の中ではちゃん付けだが流石に会ったばかりの得体の知れないやつにちゃん付けはいろいろと危ないと思うのでさん付けである。いつか呼び捨てまでに持っていこう。
「え?そりゃ私も考えるけど。でも自分で考えたほうが気に入る名前付けれるんじゃない?」
「俺が名前付けると皆暖かい目で見てくる可能性があるのでいやです」
「どんな名前をつける気なのよ・・・・・・」
どんなってそりゃボブとかマイクとかだけどとは言えない。言ったところでなんか案外と肯定されそうで怖いんですぅ。何が悲しくて英語の教科書に出てきそうな名前なんか付けるかよ。英語の教科書大好きか!
俺はだいっ嫌いです。見るだけで吐き気を催します。英語とか見たくもないね!とか言ってると小説とか以前に私生活が出来なくなってしまうので教科書が嫌いってことにしましょう。実際そうだし。
英語が嫌いなんじゃない英語の教科書が嫌いなんだ。英語は苦手なだけなんだ。と誰に言い訳をしているのか知らないが俺は自分の名前を自分でつけたくないという事が伝わってくれればうれしい。伝わるわけないだろいい加減にしろ。
「んーと、そうねぇ」
ソフィアちゃんが必死に考えてくれている。必死って程でもないか。なぜ名前を考えるだけで命を張るのかとなってしまう。
俺は絶対にしません。名前を考えるだけで命なんか賭けていられるかよ。命軽すぎだろ。
「カルマ、なんてどう?」
「え?」
「気に入らなかった?」
やばい聞いていなかった。名前に命賭けるとか命軽く見すぎだろとか思ってたら名前聞いてなかった。どうしようソフィアちゃんがものすごくシュンとしている。なんかこれはこれでかわいいからもっと見ていたい気がするけれど我慢しよう。
「ああ、いやちょっと考え事していて聞いてなかっただけで気に入らなかったとかそんなんじゃ」
「本当?」
「ほんとほんと!」
「もうっ!ちゃんと聞いててよ」
口では少しぷりぷりと怒っている感じで言っているが顔はすごくほころんでいる。自分が考えた名前が気に入らなかった訳ではないとわかった瞬間これである。何この子襲いたい。
だってさっきまでシュンとしてたのに今は笑顔なんですよ?ものすごい笑顔なんですよ?反則ですわーこの変化球は反則すぎですわー。
「ごめんて。それでなんて名前?」
「今度はちゃんと聞いてよ?案外恥ずかしいんだから」
「おう」
「カ・ル・マ」
一言一言俺に聞かせてきた。今度こそ聞き逃さないようにソフィアちゃんも気を利かせてくれたのだろう。なんていうかちょっとドキッとした。『な・い・しょ』みたいな感じで言われたので心にきたわけですよ。ただ名前を決めてもらっただけなのにこの心に来る感じ完全にソフィアちゃんに恋しちゃってますわ。一目ぼれしちゃってますわ。
そんな一目ぼれしちゃったソフィアちゃんにカルマと名付けてもらいました。しかしカルマとはまたなかなかかっこいい名前をつけてくれたものだな。けどカルマって業って意味じゃなかった?そもそも業が行為という意味で。
もう分けわかんないな。てかソフィアちゃんがそんな事わかるわけないだろ。ソフィアちゃんが頭悪いとかじゃなくてこの世界にはそんな意味合いないだろうし。普通に名前として考えてくれただけだろう。それ以外に何がある。むしろその意味を知っていて付けたのならばちょっと苛めにあっている気がしなくもないがあながち間違ってもないのがなんともいえない。
「カルマ・・・・・・いい名前だ」
「ふふふ、そうでしょ!」
俺がカルマという名前をほめたらソフィアちゃんはまるでフンス!とでも言いそうなくらいドヤ顔を決めていた。ちょっとしラッときました。いくらソフィアちゃんといえどドヤ顔はイラッとくるな。そこまでもんじゃないだろと突っ込みたいが決めてもらった側なので何も言いません。
それにこんなにもキラキラしている子に対して何か言えるような心は持ち合わせていないんです。ほら目もキラキラしている。もっとほめて欲しいのだろうか。けどこれ以上ほめるとなんかめんどくさそう。
こうなに?この名前付けたの私だから!考えたの私だから!みたいな?ソフィアちゃんがそんなキャラかどうかはさておいてなんとなくそんな臭いを感じる。
どうしたものかと考えているとお腹がグーとなる。確か起きたときにもなっていた。てか俺まだ起きてからそんなに時間経ってないよね?ご飯まだ食べてないよね?なのになんで既に名前決めるところまで話し進んでるの?早く進むのはいい事かもしれないけどおなか減りすぎてどうかなってしまいますよ。
「あ、おなか減ってるよね。今用意するから待っててね」
「お願いします」
さて今日から俺はカルマという名前でこの異世界で生活していく事になるようだが。正直な話すっごいわくわくしてる!
次はいつになるのやら