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ドラゴン転生  作者: 附箋
1章 新たな世界
2/16

情報収集

私生活がそれなりに忙しいため不定期更新になります

充実はしてないから妬ましい

 ……俺はいったいどうしていたのだろうか?確か記憶が正しければ俺は死んだ。そう、死んだんだ。


 ドラゴンノヴァをプレイした後に小腹がすいたのでコンビニに飲み物と軽食を買いに行ったんだ。そして帰りに対戦相手のキャラに似たような格好をしたやつに殺されたんだ。


 なんか謝っていたが謝るくらいなら殺すなよと言いたかったがもう口もあかないしそもそも直ぐに事切れたんだ。だがそれなら疑問がある。なぜ俺に意志がある?なぜ記憶がある?


 死んだのならば今、俺に意志があるのはおかしい。そもそも死んだ後がどうなるかなんてわからないのだが。存外意志があるのが普通で、ずっとこれからこの状態なのかもしれない。怖いな。


 だがどうする事もできないのが今の状況だ。意志はあるが体の感覚はない。ただ意志があるだけ。それでどうしろというのか。

 せめて体の感覚があれば動かそうとしてみるのだが感覚がないため動かそうにも動かせれない。感覚がなくても動かそうとすることぐらいできるだろという奴がいたら俺の元まで連れてきてほしい。実際に試してもらって見本を見せてもらいたい。


 今自分がどんな体勢を取っているのかすらわからない状態だ。そんな状態でどうしろと?どう動かせと?伸ばしてる時と曲げている時一緒の感覚でやるのかそいつ。場所が全然違うのにそれでもやれるならやってもらいたい。


 俺は一体何に怒っているんだ。いや、怒ってなどいない。そんな馬鹿なことを思っていないと心が如何かなってしまいそうなんだ。既になり始めているとも言えなくもないが。

 はぁあああ。意思があるだけってのは案外退屈でしょうがないものなんだな。何か面白い事ないかな。

 うん?今匂いがした気が。集中しろ集中しろぉ。!やっぱり匂いがした!微かだが土のにおいに嗅いだことはないが決して嫌いではないにおい。


 うん混乱要因を増やしてしまったね。土のにおいはまだ許そう俺は外にいたのだから土の匂いがしても可笑しくないよな?だがこの嗅いだことのない匂いはなんだ?甘くでも甘すぎない。


 花の匂い?しかしあの辺りには花なんてないぞ?うームムム。


 ん?んん?何かだんだんと他の部分の感覚も戻ってきてる?これなら今俺がどんな大勢なのかもわかるぞ!

 ふむふむ尻と背中に圧迫感があり手は下についていて足は太ももに圧迫感在り踵に圧迫在り。つまり俺は何かにもたれかかっている状態で座っている?

 俺は地面に倒れたはずだ。だが座っている。なら俺を刺したやつがあの後俺を座らせた?何のために?では刺されて倒れた俺を発見した奴が座らせた?

 だが座らすのはおかしいだろ。せめて仰向けにするとかそれぐらいにするはず。


 訳が分からない。とりあえず目が見えないのが不便だ。他の感覚が戻ってきているんだ目だってそろそろ戻ってきてもおかしくないだろう。

 動かせるか?……よし動かせる。後は瞼を開けるだけだ。開け!開け!開け!


 そして開かれた瞼から出た目がとらえたのは全くもって見覚えのない廃墟と月が二つある夜空だったので直ぐに目を閉じた。


 待て待て待て待て。なんだ?何がどうなってやがる?俺は今までにどうなってるって何回言った?そうじゃない!俺はこんな景色見たことないぞ?てか何で月が二つある?

宇宙には星が二つある所はざらにあるって聞いたことはあるが俺が生まれたところは一つだけだったはず。

 それとも俺はいつの間にか宇宙旅行をしているとでも?ハハハそんな馬鹿なことがあるかよ。

 よし落ち着こう。いったん落ち着こう。とりあえず目は見えるようになったしほかの感覚も戻ってきてる。後は俺の見知らぬ景色が広がってるだけだ何の問題もない(混乱)。


 とりあえず落ち着いてきたのでゆっくりと目を開けて景色を確認することにした。

 やはり月は二つありそして見たこともない廃墟だった。目の前に廃墟が見えるためここも廃墟なのだろうか?それともまた違うところなのか。


 まだまだ疑問は尽きないが月がというよりこの夜空がきれいなのでしばらく見て心をさらに落ち着けようと思うの。

 きれいな星空。黒い背景に点々と輝く星々。最近では空なんて見上げることがほとんど無くなってしまっていたけれどたまにはいいものだな。

 

 手を伸ばせば掴めそうな月が二つあり俺は思わず手を伸ばす。そしてその手が自分で動かしているのに感覚があるのに、自分の手ではないことに気付く。

その手は人のものではないと一目でわかる。大きさこそ平均より少し大きいぐらいのものだが何よりも指の先端が鋭く色も黒く、その手は黒曜石で出来ているのではないかと思わせるものだ。

 これを人間の手と間違えることはできない。よって見間違いということは無い。


 だがこの手は見覚えがある。自分の操作キャラドランノヴァが人化した時の手が確かこんな感じであった。画面越しのCG画像と実物を実際に目にするのでは若干ではあるが違いがあるが、こっちが正しいのだろう。正しいというよりちゃんと細かいところまで見えているってことだろう。



 しかし戦闘面でおいていつもお世話になっていた手をいざ自分の手となるとすごく困るね。

 指の先端が鋭いため掴むものが切れるか刺さるかしそう。指と形容するのも違和感を感じるほど。むしろ刃物といったほうが正しいのではと思うほどである。


 「いらねー」


 正直な感想がこれである。


 「いや、今は周りに気配がないからいいがこれからそうとは限らないな。月が二つあるしなんか手があいつの手出し、これからいろんなことありそうだな」


 ……しかし何故だろうか。この景色初めて見たはずなのに懐かしいというか見慣れているというかそんな感覚。

 もしかしたらこの世界で生きてきたこいつの記憶なのでは?そして俺の予想ならこいつはドランノヴァのはず。


 しかしウィルゴールどころか竜の住処にいたやつらに他の生物の気配がまるでない。あり得るのか?この世界にそんな平和な場所が。


 さっきまで混乱していたのが嘘のように冷静になりだしむしろこれから見慣れぬ土地(俺にとって)を冒険するというワクワク感まである。


 まずは自分の姿を確認することにしよう。といっても全身どころかどこか一部でも映せるような鏡はあるのだろうか。この際水でもいいのだけれど。

 そんなことを思いながら立ち上がり周りを捜索しようとして。


 「……しっぽあるやん」


 そう、尻尾まであった。今まで気づかなかったが感覚がまるでなかった。だが気付いてしまえばこんなにも感覚がある。


 「やべー、尻尾の感覚なんて初めて味わったけどすっげー違和感」


 人間のころには尻尾なんてなかったから尻尾の感覚が違和感すぎる。けれどこれも直ぐに慣れてしまうのだろうと思うと順応性って大事だなぁと他人行事で思うのであった。


 尻尾のある感覚を楽しみながら自分のいる建物を捜索を始める。始める前から薄々分かっていたことだがどうやらここは廃墟らしい。

 廃墟になる前はそれなりに豪華そうな場所だがもうだいぶん前だろう。いかんせん建物の一部が崩れているのはもちろん、カビや蔓、草にところどころ木が生えているところもある。


 神秘的という言葉がとてもよく似合うが、しかしどうして俺は普通に見えているのだろうか。さっき見たように今は夜だ。確かに月あかりはあるもののはっきり見える部分は限られてくるはずだ。だがそれがない。

 実は月明かりがとてつもなく明るくて太陽の代わりにもなるとか。俺がドランノヴァ(仮)だから普通に見えるのか。……まぁ見えるからいいか。


 既にいろいろと慣れ始めながら廃墟をうろうろしていると一つの部屋を発見する。そしてその部屋の中には全身を映し出せるほど大きな鏡があった。


 「お、あるもんだな。しっかしよく原型留めてるなこれ」


 鏡に対して感心し鏡に映る自分の姿を確認する。


 髪は黒。目の色は瞳孔が赤く白い部分が黒い。肌の色は程よい小麦色ぐらい、手は黒曜石。耳が少しとがっているがよくあるエルフのような耳ほどではない。尻尾は外側は黒いが内側は白い。


 服は日本の忍者を連想させる服装である。そしてこの服装は俺が見た目がかっこいいってだけで作った最高の防具。


 実は防具や武器のデザインまで自分ですることができる。ちゃんと運営が用意してくれているものもあるので書けない人も安心だね!


 「ドラゴンノヴァの要素を引きついでいる部分もあればまったくもって見知らぬ新要素もあるのか」


 引き継いでいるのはキャラデザや防具。新要素は地形だ。強くてニューゲームなのかレベルは戻されているのかまだまだ疑問は尽きないな。

もしレベルが1に戻っていたのであれば少々困るな。いやそもそもドランノヴァは1レベルでも強いのだが、もしこれから出会うであろうモンスター等が30レベル以上となると流石に無理だ。

 逆に言えば29までは何とかなると言ってるようなものだが、それだけドラゴンは強いということである。が決して倒せないということは無い。倒されたのは最初の弱いころとサービス終了間際のあれだけだけどね。


 そもそもこの世界にレベルというものは存在しているのだろうか?それとも自分の鍛錬によって魔法を覚えたりする世界だったりしないか?

 地味にステータスウィンドウを出してみようとしているが出てくる気配がない。ステータスウィンドウなんてものが有るかなんて知らないがいろいろ試してみるしかない。


 う~む、わからないことが多すぎて頭痛くなってきた。いい加減自分以外の生物とも会いたいな。人間……はやめておいたほうがいいな。まだ知恵ある低級魔物に合うのがいいだろう。もし襲われても多分勝てる。


 そういえばドランノヴァなのだからドラゴンの姿や人化(弱)の姿にもなれるはず。でもドラゴンや人化(弱)になるのはまだやめておこう。ドラゴンはめんどくさい事になりそうだし。人化(弱)は近接があまり強くない。距離を詰められたら結構危ない。けど戦えないことは無い。近距離に至っては中級に入ろうとしている低級冒険者程度。遠距離てか魔法はどのくらいだろうか。正直人化(弱)で戦ったことがないから分からんが、試したことがあるが普通に強いと思う。上級魔法は普通に使えた。ただMPが極端に減るため使えるのが1回か頑張れば2回程度だ。それだけ使えれば大体何とかなるが近接に持ってかれることを予想しておく。


 今の状態が総合的には一番強い状態ではあるのだが一番無難な姿ともいえる。けどやっぱり一回くらいドラゴンの姿になりたいとは思っている。ずっとならないなんてありえない。せっかくなんだいろいろ楽しまなければ勿体無い。


 早く自由になりたいな。むしろ今も十分自由なのかもしれないが。


いつかそんな日が来るのだろうと思いながらこの廃墟を捜索しているとまた一つ気になる部屋を見つけた。その部屋にはドラゴンと人間の戦っているであろう壁画ドラゴンが町を起こしているであろう壁画そしてドラゴンが討たれている壁画。もしこの部屋に名前があるのだとしたら俺の場合壁画の間とかわかりやすいのにしただろう。


 「なんだここ」


 しかしこの壁画どうにも俺の行動と一致している気がする。というのもドラゴンノヴァをプレイしているときの行動と似ているのだ。人と戦ったり自分だけの街を作ってみたり(この後に竜の住処を制作)そしてサービス終了時に討たれる。本当はもっといっぱいあるのだが人間から見た大きな出来事はこれくらいかな?


 「なんでこんな壁画がこの廃墟に?いやこの廃墟はもともとそういう場所だった?」


 一つ物を発見すれば疑問が増える。さらに疑問が疑問を生み出す。


 「俺は……ドランノヴァは一体全体なぜこんな場所に?」


 俺の記憶が正しければドランノヴァが倒されたのは竜の住処の最奥。だが確かに最後移動はした。だがそれも竜の住処内だ。仮にここが竜の住処だったとしたら俺の死んだ後に誰かが壁に落書きをし、だいぶん時間が経過していることになる。だが今まで見てきたものは一切知らないものばかり。

 竜の住処は俺が一人で1から作成したダンジョン兼家だ思い入れが違う。思い入れが違うがここは俺の知っているドラゴンノヴァの世界とは違うのかもしれない。もしかしたらこの世界の竜の住処がここなのかもしれない。

 

 「だとしたならば、どうして守護者たちが居ない?」


 ウィルゴールはもちろん他の守護者たちも竜の住処にいたはずだ。最後に見えていた範囲でウィルゴールとソフィア、ラウドにドルメキ、さらにメイド達もいたはずだ。

 なのになぜ奴らはここにいない。俺は一応最後の命令を……していなかったな。


 「はぁ、皆死んだ主の事なんてすぐ見限るのかな」


 魔物の特性というのか本能というのか。ゲーム上の設定では強きものに従い動くとされている。ならば俺を倒したメルルの元へと行ってしまったのだろうか。

 そう考えると寂しいし嫌だな。いくら魔物の特性と言えど自分が考えて考えてやっと作るこのできた者たちを奪われるのは。


 「ふざけやがって!」


 俺はとてつもなく怒りという感情が湧いてきた。怒りの矛先は竜の住処の可能性のある建物の壁へと向かった。俺自身ドランノヴァの力が強かったのかそれとも壁がもろかったのかあるいはその両方か。


 怒りの他先となった壁は土埃と激しい音をたてながら崩れていった。


 「……」


 崩れ去った壁の向こうには先ほどはあまり深く見なかった外の景色が広がっていた。夜空に相変わらず月が二つありその二つの月が反射した光で外は十分に見えるほど明るかった。

 周りは草原と廃墟が数個。ゲームでは全く見たことのない景色が広がっていた。


 「畜生、これじゃあどこに向かうかも決めれねーな」


 今自分がどこを向いているのか。東西南北この世界にそんなものが在るかは知らないが元の世界で言うところのそれで今どの方角を向いているのか。そしてどの方角に行けば何があるのか。

 だが果たして方角がわかったところで何か解決できるだろうか。もし仮にこの世界の人間が居たとしてどうする?どう接する?


 そもそも本当に人間という種族が居るのか?いたとしてまだ生き残っているのか?絶滅しているという可能性もあるはずだ。

 人間だけではない。たとえ強者と言われる種族でも俺みたいに殺されてしまうことだってある。ならば絶滅していて今この世界の生命体は俺だけということもあり得ないと言い切れない。


 だがそんなことを考えていてもしょうがないだろう。これは俺の勝手な推測で憶測で、実際に絶滅してしまったりしていると決まった訳じゃない。


 となると行動あるのみだがどこに向かおうか。月が二つあるために月を使って方角の位置を知ることもできん。ま、元の世界の方角だが。

 しかも運の悪いことにこの月、今大体真上あたりに来ている。これじゃあどっちから昇りどちらに落ちるのか。


 だがここは異世界だ、元の世界の常識がどこまで通じるか。この月は実は月じゃなくモンスターだとか、そもそもここらはずっとこの状態で朝という概念がなく月も動く事は無いのかもしれない。

 

 「ま、なるようになるか」


 俺は軽い気持ちで今向いている方へと歩いていくことに決めたのだった。




 果たしてどのくらいの時間が過ぎたのだろうか。最悪な事にあの月動かない。動かないどころかずっと夜のままだ。

 どのくらいの時間がたちどのくらい歩いてきたのかも全く分からん。ただ一つ言えるのはこの体は疲れを知らないらしい。


 体感的に2日ぐらいは歩き続けている気がする。もっと少ないかもしれないが1日は歩いている。変わらない景色に変わらない夜。その中を淡々と歩き続けた俺はそろそろ精神が限界なんです。


 ふと思い立ったことがある。これだけ歩いても何もないのならばドラゴンの姿になったり技使ったりして見てもいいのでは?と。


 そうと決まれば早速実行しようと思い準備運動的に軽くジャンプしてみた。いや本当に軽い気持ちだよ?準備運動的なあれだよ?その力加減で誰が100mくらいぶっ飛ぶと想像できる?


 「うああああああああああああああああああ」


 自分で飛んでおきながらあまりの事に悲鳴を上げている図が完成した瞬間である。



 死ぬかと思った。実際死にはしなかったしむしろ怪我一つなく着地したのだが心臓に悪い。自分の体なのに自分の力が制御できないということがこれほど恐怖につながるとは。

 だが先のジャンプで見えたものが在る。先が全然見えなかった。ずっと同じ光景ばかり続いていた。その光景は初めて見たのに一度見たことのある光景に見えた。とても懐かしくけれど記憶にそんなに残るようなものでもない…。


 「チュートリアルか」


 そうチュートリアルで使用されていたステージに似ているのだ。草原だけで後は何もない空間(ただし行ける範囲は制限されている)の中で唐突に始まるチュートリアル。


 思い出せればなんとも懐かしく思える物だ。先ほどまで全く見覚えがないとまで言っていたのに。それでもチュートリアルだと分かれば行動は早い。それなりの行動を起こせばいい。それにチュートリアルならドラゴンの姿になろうが人の姿になろうが誰の迷惑にもならない。誰の目にも止まらない。


 早速チュートリアルを開始しましょうかね。せっかく人化(強)なんだまずはこの姿から確認していこう。と言っても何をすればいいの?何も表示されないから何からやるべきなのかわからん。もしかして順番は適当でいいのか?

 いいか。とりあえずジャンプ力というか脚力と言うかはなんとなく凄いって事が解った。なら次は手だな。ちょうどいい岩とかもなさそうだし地面でいいか。

 先のジャンプの事も考えて今度はそーっと触れる感じで殴ってみた。こちらとしては全くもって殴っているという感覚は無いのだが地面はそうでは無かったらしい。俺が殴った(触った)場所を中心に10㎝程陥没した。


 よしこの姿の計測はこれくらいにしておくかナ!これ以上は何か怖い。と言うわけで今度は人化(弱)と思わせといて本来の竜の姿になろう!

 と思ったがなぜかなれない。くそっ何故だ?なぜなれない?確かチュートリアルの時は竜の姿で始めたぞ?なのになぜ。


 はぁ楽しみを削られた。しょうがない人化(弱)になるか。めんどくさいな人化(強)とか人化(弱)とか。強い方を竜人弱い方を人間にしよう。


 何の気なきに左腕だけを人間にしてみた。人間の腕にするだけなら簡単だったイメージをすればそれでよかった。だが問題があるとすれば。


 「腕がちぎれそう!」


 そう疲労により腕がちぎれそうなほどになっていたのだ。あまりにも疲労と疲労からくる痛みに苦しまされたので竜人に戻した。全身を人間にしなくてよかったと心の底から思った瞬間だった。


 この姿は疲れを知らないらしいが人間の体はそうはいかないらしい。1日以上歩き続けていれば疲労もたまるだろうて。しかし他の姿にも引き継がれるのか。これはちょっと考えようだな。


 竜にはなれないし人間には戻れるけど疲労で体ちぎれそうだしで何もできないので寝転がることにした。寝るのにはちょうどいい時間……まぁ太陽昇らないんだけどねここ。しかし睡眠を必要とするのかとも思ったが案外姿も疲れが来ていたようで横になったら直ぐに意識を失った。



 どのくらい寝たのだろうか?相も変わらず空は暗いまま。月が二つある空が広がっているため時間がわからん。そもそも時間があるのかこの空間は。


 眠ったことだし疲れも取れただろうと思い改めて人間に姿を変えてみた。一応左腕だけ。


 「……よし普通に動かせるし、疲労も痛みもないな」


 数度手をグッパーしてみたり腕を回してみたり確認して疲労が抜けていることが分かったので全身を人間にすることにした。


 人間の姿でどこまでの事ができるのかちょっとだけワクワクしていたが、人間になった瞬間目の前が真っ白になり、さっき目が覚めたばかりだというのにまた意識を失いうのだった。

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