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魔王No.0 アンノウン  作者: おとエセ
序章
6/23

A-6

 おとエセです。


 お手柔らかに、宜しくお願いします。


 5/17 魔人がいるを魔人の生き残りが一人いるに修正しました。


 5/17 逃げなさいの前に迷わずを追加。


 5/17 どなたなんでしょうかの前に逃げろだなんて……でも、一体を追加。


 5/17 妖鬼妃亡き今~の文を分け、豪語を追加。


 追加追加で申し訳ない(泣)

『やぁ、ルーネリア。遠いところを、よく来てくれたね』

『お久しぶりです、お祖父様』


 ルーネリアの祖父であるゴードン・アレクサンドは、久しぶりに顔を見せに来てくれた孫娘を、満面の笑みで迎え入れた。


『寝室ですまないね。どうも最近、体の調子が優れなくてね……』


 祖父ゴードンの体調があまり芳しくなく、寝たきりであることは、自身の母親の手紙を通してルーネリアは記憶していた。

 その為、仕事の合間を縫って、お見舞いに行くことを考慮してはいたものの、仕事の都合、なかなか行動に移せないでいたのだが……


 と、ちょうどそこへ、『会いたい』との、祖父ゴードンからの手紙を受け、国へ申請したところ、数日ならと許可が下りたのだった。


『さあさあ、こっちへおいで』

『はい、お祖父様』


 ルーネリアがゴードンの元へ歩み寄る。

 すると、ゴードンはベッドから上半身を起こし始めた。


『お、お祖父様!?』


 慌てて、ルーネリアがゴードンを支えに入り、


『あたたたた』

『これでどうでしょうか?』

『……うん。だいぶ楽になった。本当にすまないね』


 ルーネリアの助けもあって、ゴードンは背もたれが付いてあるヘッドボードまで移動することが出来た。


『どれどれ、顔を見せておくれ?』

『はい』


 ゴードンがルーネリアの顔に優しく手を添える。

 しばらく孫娘の顔を眺めたあと、ゴードンは頷き、


『……ふむ。やはり、ルーネリアの顔はダリアより、コーネリアの方に面影があるね』


 と、笑みをこぼした。


『お祖母様にですか?』

『うん。笑った顔が特にそっくりだ』

『ありがとうございます』

『ところでルーネリア? 勇者に選ばれたんだってね? 偉いね』

『え、偉いわけではありません! ただ、他の方より少し、人々を守る力が備わっているだけです』

『うんうん』


 褒める祖父と照れる孫。

 なんと微笑ましい光景だろうか。

 ゴードンの身の回りを世話をする者達も、無意識のうちに笑顔に釣られ、この光景を目の当たりにしては、心暖まらずにはいられなかった。


◆◇◆


『そうそう』


 ゴードンが手を叩く。


『せっかくの孫娘との大切な時間なんだ。お前達も休んでなさい』


 やんわりとした主の退出願いに、使用人達はその場でお辞儀をすると、ゴードンの寝室から次々と姿を消していく。


『…………』

『お祖父様?』


 気がつけば、ゴードンは窓の外をじっと見つめていた。


『人々を守る力……か』

『はい。大切な力です』

『そんなもの無ければよかったものを……』

『お、お祖父様!?』

『ダリアには無かった。

 だから私はてっきり、コーネリアのそれは遺伝ではなく突発的なものだと……。

 安堵していたはずが……結局、孫が同じ道を進むことに……』

『お祖母様から受け継いだ神の力です。人々の為に使わないで何になりましょう?』

『……ひと……びと!?』


 窓の外に向けていたゴードン目が、機械的な顔の表情と共にルーネリアに向けられる。


『人々なんかどうでもいい!!

 コーネリアの時と何もかも同じだ!!

 民衆が何をした!? 

 神に選ばれし者と焚き付けておいて、ボロボロになるまでコーネリアを酷使し続けただけではないか!!

 焚き付けた本人は安全な所で観ているだけで、危険な場面でも誰も助けには来てくれなかった!!

 結局今度も!! 私の愛する者を守れる者は誰一人として居ないんだ!!』

『…………』


 先ほどの満面の笑みと打って変わって、ゴードンは悲痛の涙を流していた。


『恐らく、私はもう永くはない』

『悲しいこと言わないで下さい!!』

『私の体のことは、私が一番分かっているつもりだよ』

『お祖父様!!』

『コーネリアから言伝がある』

『え!?』

『ダリアには関係なかったけど、ルーネリアは必要になるだろうからね……耳を』


 近づけなさいと、ゴードンは人差し指を動かし、ルーネリアにジェスチャーを送る。


『妖鬼妃亡き今、勇者の名は知っていても、能力についての情報は魔族側には全く知られていない。

 畏れるものは何もないと、国王自身が豪語し、宣言しているのは知っているね?』

『はい』

『一人いる』

『え!?』

『あの戦争で、コーネリアの技を受けても戦い続けていた魔人が一人、生き残っているんだ』

『でも、書物には殲滅と……』

『完全に隠蔽しているね。コーネリアは逃したと言っていた。間違いないよ』

『…………』

『もし遭遇したら迷わず逃げなさい。相手は妖鬼妃と同じ餓鬼族だったはずだ』

『逃げろだなんて……でも、一体どなたなんでしょうか?』

『確か名前は──』

 誤字・脱字が御座いましたら、指摘のほど宜しくお願い致します。

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