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目指せ!ナチュラル美人!

プロローグの続きになります。

「お義母様、そのメイクをやめて下さい!」


えっ!?と目を点にし、言葉を無くす女王……。それに気付かずブランシュ=ネージュ姫は続けた。

「お義母様、その化け物メイクはなんなのですか?

ファンデーションの色はお義母様の肌を隠して白い塗り壁のようです。紫のアイシャドウ、緑系のパウダーはお母様を末期の病人か幽霊のように見せてます。オマケに青い口紅なんてっ。

なぜっ!そのピチピチの肌を、優しいアーモンド型のパッチリとした目元をっ、知的美人に整った顔立ちを活かすどころか殺すようなメイクをするのですかぁっ!!?」

だんだんと鼻息が荒くなってくる10歳児……。子供に大人のメイクについて熱く語られてもバカにすることもできずに戸惑う女王。22歳。

「化け物って……いや、でもコレはこの『真実を伝える鏡』が……」

「その黒く曇り切った鏡がどんな真実を伝えると言うのですかっ!

いいですか?『美』という物は絶対的な基準は無く、個人の好みだけでなく国や民族の習慣や文化や流行によって変化するものなんですよ?極めても限りがないものなんです。

その鏡が判断に困って適当な妄言吐いて場を濁している可能性だってあるじゃないですかっ!」

あまりの剣幕にドン引く女王。姫はキッと鏡を睨んで問いかけた。

「鏡よ鏡さん?(で、いいのかな?)あなたはなぜ私を『世界一美しい女の子』と言ったの?

なぜお母様ではダメなの?少なくともあなたがこのメイクを推薦したのよね?

答えなさい」

「女王は『女の子』と言いました。私の設定されている基準では『女の子』は0歳から20歳未満。

女王は既に大人の女性。範囲外です。」

その答えに脱力し項垂れる義母と娘。

どうにか気を取り直し、姫は再度問いかけた。

「………では、20歳から40歳までの女性で一番美しいのは誰ですか?

ついでにあなたの言う世界とはどこら辺を指すのですか?あなたの知識はどこらへんまで有効なんですか?動植物・地理・鉱物生物・天文について答えなさい」

「その範囲内で一番美しいのは女王様です。

私の知る世界ーーー人間の男女については、歴代の静かな湖畔の森の国の王城で過ごした者のみ。動植物、地理、鉱物生物、天文に至ってはこの星一個ぶん。」

「広いようで狭い?何ソレ、応用効かなすぎ!」

思わず素でツッコむ姫。思いもよらぬ鏡の答えに己の無知を恥じる女王陛下。

(今まで、どれ程時を無駄にしてしまったのか………)

その女王の手を10歳の姫の両手が包み込む。

顔を上げると、黒い瞳を輝かせた義理の娘がいた。

「お義母様、私がこの4年間に提出したレポートをご覧になりましたよね?

私にあなたをコーディネートさせて下さい。

女王様プロジェクト『厚化粧よ、さようなら。目指せ、素肌美人!ーー女性の美は内側からーー』を発動させましょう!

鏡さん、あなたにも大いに手伝ってもらうわよっ!

色ボケおやじぃーーっ!首を洗って覚悟しやがれぇいっ!!」


どこかを見上げながら握った拳を高くあげて宣言した義理の娘を見ながら、若き女王は思った。

ブランシュ=ネージュの教育をどこで間違ってしまったのだろうか、と。

次回噂のパパンです。

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