第6話 偵察中!
今回、学生パートです。
Mayfly:〈トラになんかやり返す〉
Dragonfly:〈新美になんかやり返す!〉
俺ら、カゲロウとトンボの二人組は一致団結し、お互いの敵であるトラに何かやり返すと決めたのだ。
ということでまず何からしようか、という事でとりあえず俺たちは観察を始めることにした。
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Mayfly:〈今話せるか?〉
朝早くの時間、まだ制服に着替えてもいないが、それを一切気にせず連絡する。
相手は朝が弱いわけではない。土日だって7時辺りから空をWWSをする強者だ。
世の中にはそのような人を”廃人”と言う輩が居るらしいが、俺からすれば強者と呼ぶ存在である。
Dragonfly:〈おはよう、ちょい眠いけど問題なし!〉
Mayfly:〈よし、お互い早起きで助かったな。今日の行動を確認するぞ〉
自分が会話を先導しさっさと作戦会議を始める。
勝手なペースだが、問題ない。
Dragonfly:〈うん。木、金曜日は敵情偵察。学校に滞在している間はカゲロウが、放課後は私がやる。だね?〉
Mayfly:〈合ってる〉
偵察とは言え、俺の時になると勝手に向こうから寄ってくるのだが。
心配事と言えば俺にスパイスキルが無い事だろうか、まあそういうのは平和な日本故、致し方なしだ。
しかし、その予定の関係上、トンボは放課後になってもWWSに来ることはできない。
放課後のトラを偵察、接触の必要が出るからだ。
要するに俺は、放課後になってもしばらく寂しい。
Mayfly:〈接触の方法は任せるけど、あんまり急に押せ押せは駄目だからな?〉
Dragonfly:〈押せ押せなのは空に居る時だけだよー〉
そう言われて、あの4対2の勝負を思い出す。
確かに、空に居る時の押せ押せはそれなりに信用できるのだが…。
Mayfly:〈とにかく、俺たちの企みに感づかれないことだな〉
Dragonfly:〈了解! 学校の間は任せた。幸運を!〉
Mayfly:〈ああ、こっちは任せろ。余裕ができたら途中経過を報告するからな〉
戦地に赴く俺に幸運を祈る相棒が、なんとも頼りに思えた。
なるほど、エースらしい人だな。
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朝の時間、時計先生が来るまで15分前だろうか。
俺はこれからどうやって探りを入れようか考えている所だった。
「おはよう、今日は一段と逞しい顔をしてるんじゃないか?」
「…」
「虫かい」
「む、また蚊でも居たか?」
「…まあ、居ないぜ。 とりあえず聞き間違えを直してくれよな」
…聞き間違えしただろうか?
ともかく、今日からトラの偵察が始まる。気を抜くことはできないだろう。
「そう言えば私、昨日の夜に蚊に刺されたの」
いつの間にか横にいたターゲットに、驚きながらも姿を確認する。
肩に近い辺りの腕を晒し、蚊に刺されたという所を見せる。
何故だか俺の目線を気にしながら。
まさか俺の作戦に感づかれたか?と思ったが、それとはまったく違う気にし方だと気付いた。
疑いの視線とは全く違う感じだし。
「悪いが、刺された跡を治すような道具なんか持ってないぞ」
「私の私服、ノースリーブだから致命的。知ってるでしょ?」
「それぐらい目立たない筈だが」
「女心がわかっちゃ居ないなあ? ミツゾー君」
一体なんだそのあだ名は?
なんだか聞き覚えがある気がして、記憶を探ってみると…ああ、あの英語の先生か。
又は英文学の顧問と呼ぶか。
「そうそう。昨日の 英語の補修の結果はどうだったんだ?」
「英語の補修なんて珍しい。 英語が得意だって聞いてたのだけど」
どっから聞いたんだ、それ。
「そうだったのか? テツ」
「…まあ、確かに得意だ。 あれはマトモに先生の話を聞いてなかったから、改めて授業内容の確認をしただけ」
「そうだったのかー…確かに意識が向こう行ってたもんな」
さり気無く嘘を垂らし、二人を騙す事にする。
あそこは人気がなく、この二人から離れるのにちょうどいいと考えている
だから英文学部への入部をバラす事は、俺の隠れ場所を紹介するのと同じことだ。
…そうだ、ちょっとだけカマかけてみようか?
英語が得意だってことはあんまり広めてない筈だ、どこからの情報なのかを訊いてみるか?
「ああ、得意なんだが…どこから知ったんだ?」
言い放って見ると、あからさまにストレートじゃないかと思った。
これ、大丈夫か?
何やってんだ俺、怪しまれるなって言ってるの俺じゃないか。
そんな後悔をよそに、俺はポーカーフェイスを続ける。少し目線が泳いだが、多分怪しまれてない。
「愛する乙女は万知万能」
「……っ」
なんだ、相変わらず変な回答が返ってくるじゃないか。俺が自分の失敗で自ら動揺しているのが馬鹿らしい。
まあ良い、とりあえず精神状態を落ち着かせて…。
「はあ、相変わらずな…」
「うん」
とりあえず、地味にはぐらかされた回答については…深追いする必要もないか。
「お前の授業中のアレ見てれば解るぜ。余裕しゃくしゃくで、先生の問題を難なく答えるんだしさ」
「…なるほど」
「しっかし、授業を聞いてないだけで補修すんのかねえ?」
「英語が得意だからこそ、手を抜いて欲しくなかったのかもしれない。将来性の期待の現れね」
何気に痛い部分を突く友一だが、何気にそれをトラがセーブした。
なんと、トラが役立つとは珍しい。かと言ってお礼は無理なのだが。
まあ、彼が言うに……普通に見ててもそう見えるのか。
言う通りならば英語が得意だと思われても変じゃないか。
「なに先輩気取り見たいに調子乗ってんだようトラ~」
「トラじゃなくて新美」
まあ、良いけど。
とりあえず時間をかけて相手を知っていくことにしようか。
「…そうだ、忘れてないよね?」
「おお?」
「…ああ、オフ会か。」
「あんたらー、俺を差し置いていつの間に進んでんだよ?」
そういえば、オフ会にはトラのフレンドが来ると言ってたな。
確か戦車ガールズがそれだって……ううん?
…ちょっと妙じゃないか?
確か、トラは中古戦車ガールの輪に入れたと言っていたはず。
しかしだ、彼女がその輪に紛れて談笑しているのを見たことがない。
休み時間はいつもこの教室にいて、大抵は俺と話をしている。
それじゃあ、トラは何時戦車ガールに話に混じっているんだ?
「…いや」
質問しようと口を開くが、気づいて口を閉じる。
直接質問するにしても、なんか核心に迫りすぎて駄目だ。
それに、これは無駄な疑いかもしれないんだ。
俺の知らない放課後によく談笑してます、だって事もあるんだろう。
という事でこの疑問は保留、一応トンボに報告するとしよう。
「へへ…っとそうだ、今日提出する奴手伝ってくれないか?」
「それは…国語のか? なんでお前らはそんなのも…」
「カゲローと会話する機会を作る為、頭を犠牲にした。ということで私にも教えて」
こいつらは……はあ。
取り敢えず、朝はこれぐらいで良いや。焦って情報を掻き集める必要はないんだ。
とはいえ…なんだかんだ復習になったりして助かっているが、この二人は本当に大丈夫だろうか。
絶対ダメな成績を掴む気がするのだ。
別に、留年とかやらかしても気にしないが。
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…うん、よく解らん。
歴史のプリントと教科書を見比べるようにしてみるが、ここに当てはまる国名が出てこない。
様々なページを見てみても、なんのヒントも得られなかった。
「……」
「はい、今日はここまで。 そろそろチャイムが…」
『キーン、コーン――』
「お、丁度いいね。 じゃあ終わり! さいならー…」
まるで霊の様にさーっと消えていく先生を見届けると、諦めをつけたようにして教材を仕舞う。
これは後で適当に復習しておこう。
さて…昼休みか。
昼休みと言えば、昨日の事を思い出す。
昨日はこの時間に誘拐され、英文学の方で新しい出会いがあったのだ。
切っ掛けは顧問の絞め技だったのだが。
入部届については、ボケて忘れるなんてことはなく顧問に渡しておいた。
中学と違って高校の入部届は面倒だったな。明日に持ちこそうかと思った。
…そんで、提出した時の狂喜っぷりには職員室の大半がドン引きしていたな。
「さて…」
とりあえずだ、入部したならば活動しなければいけない。
あの同好会では昼休みでも活動しているから、それに伴って俺も行かなければいけない。
まあ、昼は別に出なくても良いらしいんだが。
でも俺は放課後には予定があったりする。
WWSとかWWSとか…ううん? まあ…いや、ともかくだ。
放課後は出れない代わりに、昼休み中の活動は率先して出ることにする。
「んあ、何処行くんだ?」
「4階に」
行先の階数だけ伝えておく。
俺の人生における平穏を乱す存在に、静かな安置の位置を知らすほど馬鹿じゃない。
「あ~、3年生絡みか?」
「先輩絡みだな」
また曖昧な発言で返す。確かにあの部活は俺以外先輩だからな…。
名前は確か…金髪ピーター先輩と、解雇先輩だったか?
「先輩絡みならいいや、パスで」
…パスじゃなかったとしても、連れていく気は全くないのだが。 まあ来ないなら良い。
「パスじゃなくても連れてく気は無いが」
思った事を言葉として置いて行き、さっさと部屋を出ていく。
それで本当の目的だが、実はトンボと連絡が取りたいのだ。
この教室で携帯でメッセージを送ってもいいのだが、二人の目に気を使わなければいけない。
特に、あのトラが要注意だ。
しかし、あの部室なら人気もないし、楽に連絡を取ることができる。
その連絡が終われば…まあ、適当に本でも読もう。
というか、目的の半分が読書だ。連絡を取るだけならトイレでいいし。
英文学の部屋は…確か4階だったか。
あそこら辺か?
そうやって脳内の校内の地図と睨めっこしながら階段を上がる。
ああ、そうだ。思い出した。 確かあそこら辺だ。
登り切ったら左に行って、そこから―――。
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「……何処だ?」
相変わらず人気のない廊下、小さなつぶやきでさえ反響するのを感じた。
いや本当、何処に部室があるんだ?
さっきから一生懸命探してるが、その努力はこの通り空振りだ。
延々と歩いていて、見つけたのは落とし物らしき物品一つ。
…ストラップが落ちてた。
見た目からするに、戦車が使ってそうな弾…いや、軍艦の砲弾か?
まあどっちでもいいか。
とりあえず、俺はこの弾丸ストラップを拾った。
それだけ。
コイツが不思議な力を発揮して、目的地を指してくれるとかはしてくれない。
残念だ。
…別に、居場所を把握できないわけではない。
戻ろうと思えば階段に戻れるのだが、ここまで来て諦めるのも癪だ。
そんな考えに疑問を持ったのは、ちょうど階段を通り過ぎたあたりだ。
よく考えたら、今日はトンボとWWSをやる事はできず、予定が空いてる。
…別に部活は放課後でもいいんじゃないか?
そう思うと、今こうやって探し回っているのが馬鹿らしく思えてきた。
よし、もう連絡はここでやってしまおうか。
Mayfly:〈報告、今でいいかな?〉
Dragonfly:〈おおっ、待ってました!〉
周囲を見渡し、警戒しながら連絡を取り始める。
右を見て、左を見て、携帯を見る。
これほど人気がないのだから、それほどの警戒は必要はか?
まあ、良いんだけど。
Mayfly:〈午前中はいつも通りだったんだが、ちょっと気になってね〉
Mayfly:〈オフ会に参加予定のメンバー辺りに目をつけて欲しい〉
言うべきことを言って、また周囲を見渡そうとするとーー
「ヴァッ!」
「?」
ちょうど奇声をあげている金髪先輩がいた。
ようやく見つけた、というか遅い。
いや、それ以前に金髪先輩の後ろに見覚えのありすぎる人間がいるのだが。
「…失敗」
「Ohhh…負けた…!」
トラ、ついて来てたのか…?
「ピーターさん、後ろの人は?」
「君を探してたんだっテ。サプライズのをするつもりだったのに、トンダ掘り出し物だよ!」
その言い方を人間に使うのはどうだろうか。
まあともかく、俺の一番の気がかりを投げかけてやる。
「…トラ」
「来ちゃった」
なんだそれは。
…しかし、ここは安全地帯だと思ってたんだが、警戒が甘かっただろうか?
「まあ良いや…。部室はどこにあるんですか? さっきから見つからないんですが」
「コッチ」
そう言って、懐から何か出したかと思えば、それは『英文学同好会』と書かれた板だった。
背の高い彼は、踵を浮かせもせずにその板を扉の上の辺りに取り付けた。
「パンパカパーンッッ! サプライズ失敗!」
振り返りながら両手を大きく上げ、突如大声を上げていった。
その音量は俺の鼓膜には荷が重いようで、脊髄反射で耳を塞いだ。
声は廊下に響き、山彦が何十倍にも連鎖しているような錯覚を受けた。
「ドウ?艦隊アニメのアレをマネしてみたんだけド」
「…とても良いですね」
…とりあえず携帯を仕舞おう。
さっき耳をふさいだとき、まだ手元に携帯を持っていることに気付いていた。
Dragonfly:〈了解〉
一瞬だけ見届けたチャットログには、トンボの応答が残っていた。
…まあ、報告は終わりかな。
さて、唯一の問題なのだが。
「トラ、一体何の用だ?」
「え? ちょっと勉強を」
「……」
「今回は――ええと」
無言の威圧をかけてやると、トラが口ごもる。
毎日、全ての休み時間にやってきて、俺の平穏を乱す存在だ。
そして、その存在がオアシスと成り得る場所にやってきた。
これは自分勝手なのだが、ここから去ってほしい。来てしまったものは仕方ないんだが。
「じゃあお邪魔します」
とりあえず、ようやく見つけた…と言うよりは、さっきまで隠されていた部屋へ入る。
部屋の中は、やはり本棚や椅子だけあった。
かなり静かな場所だと思わせるが、それに反して大きな本棚が威圧感を満たしていた。
「へえ、これが英文学部」
「同好会だけどネ」
俺の威圧から逃れたトラは、当然かの様にして部屋に入ってくる。
「…?」
中にいた先輩が俺らを見て、少し驚いたようにして見せる。
それを見た金髪先輩が前に出て――
「昨日に続いて新入部員サ!」
「ごめん」
「NOOO00ooo...!」
トラはキッパリと断り、金髪先輩が勝手に崩れ落ちていく。
前に倒れようとする彼は手と膝を床につけ、完全に下を向く。正に土下座だ。
「タイショー…! 任務は未遂に終わっタ…」
「え、ちょっと。そこまで頼んでないってば…。ごめんね、ピーター君が邪魔しちゃって」
「…」
そう言われても、怒ったり咎めるような気力はほとんどない。
その意思を示す為、肩をすくめてやる。
「本、多いね」
「っと、Welcome to English club! 英語の図書室にヨウコソ!」
土下座の態勢から直った金髪先輩は、新しい顔にむかって同好会の紹介をした。
さっきまでの土下座からの言動とは思えないほど、元気な紹介に見える。
「ついでに、英語を扱えるようになる為のサポートもするの。元々その為に作ったんだけどね」
「その通り、いつの間にか英語読書部だヨ。HAHA」
自虐っぽい言い方で、自ら小さく笑う。
心なしか、金髪先輩の目からハイライトが消えている気がする。
…昔の著名な画家から見たら、あの目の中には深海が在ると言い始めそうだ。
「そう言われても、入れない」
「まあ無理して入らせるつもりも無いから、気に負う事はないから、ね」
「?」
なんだか見覚えのあるような、先輩方から発せられる負のオーラ。
それが見えているのかそうでないのか、トラは対して罪悪感は感じていないようだった。
昨日俺が断ろうとしたとき、先輩たちのオーラに戸惑わざる終えなかったのだが…。
…本当、こんなのでよく断れるな。
そう思いながら、あの二人分の負のオーラを眺める。
「あ、そうそう! 私、徹三君におすすめの本を考えてたのよ」
「おすすめですか?」
「ええ、ほら」
そう言って、恐らく彼らの費用で用意されたであろう机を指さす。
そこにぽつんと本が乗っているが、これのことだろう。
「……これって」
「第2次世界大戦の…まあ、読めばわかるかな」
最初のページに書かれた、注意書きのようなものを音読してみる。
「アメリカの海兵の一人が書いた日記を…書籍として書き直した。って事でいいんですよね?」
「うん、合ってるよ」
表紙には、Sailor's diary と書かれている。
日記を書籍っていうと、授業で聞いた、戦争に巻き込まれた一般人の日記を思い出す。
あれは、戦争から逃げ隠れながら、徐々に精神が削られながらも共に過ごす、と言う物だったか?
「私は読んだこと無いんだけどね。最初らへんをちょっと」
「…難しそう。頭が痛くなる」
声が後ろから聞こえると思ったら、トラが後ろに回っていたみたいだ。
その目線は、俺の手元にある本に向いている。
「昔の人か書いたカラ、ちょっと難しい所もあるカモね」
「ふうん……読み聞かせを」
「オフ会の席が一つ空くぞ」
「あ、うん」
…にしても、それを英文学の新入部員に読ませるのか。
しょっぱなから難易度高いな。
「モチロン! 解らなかったら聞いてネー」
「…まあ、解りました」
まあ、新しい趣味の一環だと思って、読んでみるか。
「……」
正に蚊帳の外となったトラはどうするのか、なんて考えもせずに、代わりに”流石のトラでも、図書室に似た場所なら静かなんだな”だとか考えながら、読む。
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「お前死んだのかと思ったよ!」
「…ええ?」
英文学から戻ってくれば、友一が声を上げて心配を口にする。
いきなり叫びに似た声を出す友一に視線が集まるが、何時もの事だと言わんばかりに教室の視線は元の方に戻る。
「先輩の所に行って帰ってこないとか、なんかに巻き込まれたとしか思えねえってのーっ!」
「…読書をしていただけだが」
「本当か?!」
「私が保証人」
誰が保証人だ。
というか、心配しすぎだろう。
「あー…無事ならいいんだけどさ。その本は?」
「借りてきた」
「英語の本なんて図書室に置いてなかったはずだが…ああ、先輩から借りたって事か?」
「まあ、そんなもんだ」
今持っているのは、ついさっきまで部室で読んでいた本だ。
読んでみたら、中々に興味がわいてきたのだ。
「…っつーか、英語の本普通に読むのな」
「カゲローなら余裕」
「余裕じゃない、英和辞書も一緒に借りてきた」
重ねていた本をずらし、もう一つの方の表紙をチラと見せる。
「それでも流石だよ…」
呆れた口調で褒め言葉のようなものを口にする友一に返事するように、昼休みが終わる5分前の予鈴が鳴った。
「…あ、飯」
机にぽつりと置かれた御握り三兄弟を見て、今ようやく空腹を思い出した。
「……はあ」
ここ最近、災難続きな気がする。
そう心の中で嘆くと、御握り長男を急いで食べ始める事にした。
私自身、英語は個人的に得意な方かもと思っていますけど、正直英語関係で間違いのない表現ができると思っておりません。
間違いや意見がありましたら、それを指摘する先生の如く教えてくれるとありがたいです。
まあ、そんなバーっと英文書いたりしませんが。